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第1章
気付かなくてごめんなさい。 2
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side一華
「私は、どこか遠くに行きたいです」
そう言った日の晩、私は手紙を書いた。
これまでお世話になった人へ感謝伝える手紙を。
直接挨拶をすることなく出て行くお詫びの手紙を。
リュカ様への手紙を書いていて手が止まる。
「好き」と伝えてしまおうか?
そう思い、試しに書いてみてため息がでた。
私はまだ現実を受け止めきれていないらしい。
でも、素直な気持ちを書き連ねた手紙はどうしても捨てることは出来なかった。
封筒に入れ、魔法で施錠することにした。
リュカ様の誕生日はパスワード。
感謝の気持ちを一生忘れないように、御守りのようにして持っていようと決めた。
ため息はいつの間にか涙に変わり、手紙を書く邪魔をした。
次の日はいつも通り仕事をこなした。
合間に、旦那様には辞めることを伝えた。
私が急に居なくなって心配すると思うから。
心配性な旦那様は私が突然いなくなったら探偵でも雇っちゃうんじゃないかな。
その位使用人たちも大切にしてくれる人。
いつか恩返ししたいな。
そして、その日の真夜中。
私は屋敷を後にした。
٭❀*
私は馬車、電車、船。
色々な乗り物で故郷であるサン国を目指した。
知っている人は誰もいない。
でも、逆にその方が良い。
リュカ様の事を考えたくなかったから。
ぼんやりしていると、ついリュカ様とソフィア様は今一緒にいるのかなとか、リュカ様は私がいなくなって悲しんでいるのかなとか。
そんなことを考えてしまうから。
サン国は四季があり、今は夏真っ盛り。
年中涼しいピャーチ国との寒暖差が激しくて眩暈を起こしそうになった。
観光地として栄えるリズミニ街には多くのホテルや旅館があり、仕事も沢山ありそうだ。
私は馬車に乗って街で1番大きなホテルを目指した。
30分程揺られると、大きくて真っ白なホテルが見えてきた。
きれい…。
こんな所で雇ってもらえるのかな。
14歳の子ども1人に何が出来る?
そう言われるかもしれない。
でも、私はリュカ様に沢山のこと教えて貰った。
それを生かすことは必ずできる。
自分にそう言い聞かせてサン国に来たんだから。
馬車を降りると遠くから見た時よりもさらに大きな建物が目の前に広がっていた。
ホテルの前の大きな広場では沢山の子どもが遊んでいる。
素敵な場所だなぁ。
そう思って公園内を歩いていると、平和な公園にそぐわない強い魔力を感じた。
魔力は便利な反面危険な性質も持っている。
こんなに人がいる所で上位魔法を使うなんて非常識だ。
一体誰が…?
当たりを見回してみても魔法を使っている人は見当たらない。
子どもが遊具で遊んだり、ボール遊びをしたりしているだけだ。
でも、確かに感じる。
それもかなり大きな力。
目を瞑り意識を集中させ、探してみた。
…………………いた。
私からは丁度死角になっている木の影に、怪しげな男が1人いた。
風魔法の準備をしている?
男の視線の先には小さな男の子。
え、危ない。
あんな小さい子に何しようとしてるの?
身体が勝手に走り出していた。
それが、男が魔法を繰り出すのと同じタイミングだった。
鋭く尖った風は、凶器以外のなんでもない。
男の子を抱き上げ背を向けた。
急いで全身に風を纏ってガードを創ったが、数秒で創ったものなのであまりもたない。
しかも男の魔力は意外に強い。
や、ばい…。
足に力が入らない。
周りがざわめき出して、悲鳴まで聞こえる。
「あの中に………さまが!!!」
「ボディーガードは何をしているんだ!?」
「…………!!!また脱走……!!」
腕の中の男の子は泣いている。
この子だけでも助けてあげたい。
震える男の子の手を握り、にっこりと笑って言った。
「良い?よく聞いて。私が5秒数えたら、手を離して」
男の子は涙で顔をくしゃくしゃにしながら頷いた。
「じゃあ行くよ。……いち、にぃ、さん」
よん、ご。
男の子に聞こえただろうか。
風の音で消されただろうか。
男の子の周りに結界を張って少し乱暴ではあるが、強く押した。
子どもの身体程度の大きさならすぐに丈夫なもの創れる。
助けられて、良かった。
数秒後、私の背中に凶器と化した風は直撃した。
しかも物凄い音をたてて頭を強打した気がする。
私は意識を手放した。
「私は、どこか遠くに行きたいです」
そう言った日の晩、私は手紙を書いた。
これまでお世話になった人へ感謝伝える手紙を。
直接挨拶をすることなく出て行くお詫びの手紙を。
リュカ様への手紙を書いていて手が止まる。
「好き」と伝えてしまおうか?
そう思い、試しに書いてみてため息がでた。
私はまだ現実を受け止めきれていないらしい。
でも、素直な気持ちを書き連ねた手紙はどうしても捨てることは出来なかった。
封筒に入れ、魔法で施錠することにした。
リュカ様の誕生日はパスワード。
感謝の気持ちを一生忘れないように、御守りのようにして持っていようと決めた。
ため息はいつの間にか涙に変わり、手紙を書く邪魔をした。
次の日はいつも通り仕事をこなした。
合間に、旦那様には辞めることを伝えた。
私が急に居なくなって心配すると思うから。
心配性な旦那様は私が突然いなくなったら探偵でも雇っちゃうんじゃないかな。
その位使用人たちも大切にしてくれる人。
いつか恩返ししたいな。
そして、その日の真夜中。
私は屋敷を後にした。
٭❀*
私は馬車、電車、船。
色々な乗り物で故郷であるサン国を目指した。
知っている人は誰もいない。
でも、逆にその方が良い。
リュカ様の事を考えたくなかったから。
ぼんやりしていると、ついリュカ様とソフィア様は今一緒にいるのかなとか、リュカ様は私がいなくなって悲しんでいるのかなとか。
そんなことを考えてしまうから。
サン国は四季があり、今は夏真っ盛り。
年中涼しいピャーチ国との寒暖差が激しくて眩暈を起こしそうになった。
観光地として栄えるリズミニ街には多くのホテルや旅館があり、仕事も沢山ありそうだ。
私は馬車に乗って街で1番大きなホテルを目指した。
30分程揺られると、大きくて真っ白なホテルが見えてきた。
きれい…。
こんな所で雇ってもらえるのかな。
14歳の子ども1人に何が出来る?
そう言われるかもしれない。
でも、私はリュカ様に沢山のこと教えて貰った。
それを生かすことは必ずできる。
自分にそう言い聞かせてサン国に来たんだから。
馬車を降りると遠くから見た時よりもさらに大きな建物が目の前に広がっていた。
ホテルの前の大きな広場では沢山の子どもが遊んでいる。
素敵な場所だなぁ。
そう思って公園内を歩いていると、平和な公園にそぐわない強い魔力を感じた。
魔力は便利な反面危険な性質も持っている。
こんなに人がいる所で上位魔法を使うなんて非常識だ。
一体誰が…?
当たりを見回してみても魔法を使っている人は見当たらない。
子どもが遊具で遊んだり、ボール遊びをしたりしているだけだ。
でも、確かに感じる。
それもかなり大きな力。
目を瞑り意識を集中させ、探してみた。
…………………いた。
私からは丁度死角になっている木の影に、怪しげな男が1人いた。
風魔法の準備をしている?
男の視線の先には小さな男の子。
え、危ない。
あんな小さい子に何しようとしてるの?
身体が勝手に走り出していた。
それが、男が魔法を繰り出すのと同じタイミングだった。
鋭く尖った風は、凶器以外のなんでもない。
男の子を抱き上げ背を向けた。
急いで全身に風を纏ってガードを創ったが、数秒で創ったものなのであまりもたない。
しかも男の魔力は意外に強い。
や、ばい…。
足に力が入らない。
周りがざわめき出して、悲鳴まで聞こえる。
「あの中に………さまが!!!」
「ボディーガードは何をしているんだ!?」
「…………!!!また脱走……!!」
腕の中の男の子は泣いている。
この子だけでも助けてあげたい。
震える男の子の手を握り、にっこりと笑って言った。
「良い?よく聞いて。私が5秒数えたら、手を離して」
男の子は涙で顔をくしゃくしゃにしながら頷いた。
「じゃあ行くよ。……いち、にぃ、さん」
よん、ご。
男の子に聞こえただろうか。
風の音で消されただろうか。
男の子の周りに結界を張って少し乱暴ではあるが、強く押した。
子どもの身体程度の大きさならすぐに丈夫なもの創れる。
助けられて、良かった。
数秒後、私の背中に凶器と化した風は直撃した。
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私は意識を手放した。
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