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第1章
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「……か。……………大丈夫か!?」
何…?
薄らと目を開くと眩しい光が入ってくる。
誰かが叫ぶ声も聞こえる。
ああ、そうか。
確か男の子を助けて…。
助けて………助かったのかな!?
勢い良く体を起こした。
「ぐえっ」
何、今のカエルが踏み潰された時の声みたいな。
あとおでこに何か当たった、痛い。
額を押さえながらよく見ると正面に少年が倒れている。
ぶつかったんだ!
「ごめんなさい、大丈夫ですか?」
「いったたた…。いや、俺は大丈夫!君は!?」
「私は特に何も」
今ぶつかったおでこが痛いのと、背中が痛いのと、頭が痛いのを除けば。
「弟を助けてくれて本当にありがとう!」
彼の後ろで泣きじゃくっているのは助けた男の子。
怪我は無さそうだ。
「良かったぁ、無事だったんだ」
「…あたま、痛くない?」
ぱっちりした瞳を潤ませながら心配してくれる。
か、可愛い…。
男の子を安心させるためにとびきりの笑顔を作って頭を撫でた。
「心配してくれてありがとうね」
「うん…」
照れて赤くなっている。
いや、天使。
デレデレしながら撫でるのを止めないでいると兄だと思われる少年が弟を小突いた。
「名前はなんて言うの?お礼をさせて欲しい」
「私の名前は、」
あれ、何だっけ?
そういえばここってどこだろう?
急に黙った私を不思議そうな顔で2人が見つめる。
「…おねぇちゃん、どうしたの?」
どうしよう。
「名前が分からない…」
「「ええ!?」」
「名前だけじゃなくて、ここがどこかも。あと、何で居るのかも…分からない」
そう言った瞬間、目の前がぐにゃりと曲がった。
私って誰だっけ…?
そんな事を考えているうちに、視界が真っ暗になった。
٭❀*
なんか眩しい…。
もう朝?
目を開けると見覚えの無い天井。
ここ、どこ?
体を起こすと私は見たことの無い部屋に居た。
全体的に白を基調とした部屋。
「病院…?」
呟いたのと同時に頭に鈍い痛みを覚えた。
触ってみると私は包帯をしていた。
そうだ。
私、魔法が直撃したんだっけ…。
誰かが救急車を呼んでくれたんだ。
コンコン
軽やかにノックをする音が聞こえ、返事をしていないのに扉が開き赤茶色の髪の男の子が入って来た。
男の子は数秒目が合うと、驚いた様に目を見開いた。
「目が覚めたのか!?」
大声を出すのでびっくりした。
「えっ?ええ、まあ…」
「良かった!今先生を呼んで来るから」
返事をするよりも先に男の子は部屋からいなくなっていた。
今の人って倒れる前に見た気がする。
確か、助けた男の子のお兄ちゃんて言ってたような…。
そこは思い出せた。
問題なのは、男の子を助ける前のことを全く覚えていないこと。
自分の名前すら覚えていない。
「頭を打った際に脳に大きな衝撃が加わって記憶喪失になってしまったんでしょうね」
数分して部屋に現れた医師が簡単に説明してくれた。
さっきの男の子と、弟くんもいる。
あと何故かスーツに身を包んだ厳つい男性が5人。
「記憶喪失…ですか」
「おそらく一時的なものですから、生活していく中で思い出す可能性が高いです」
良かった…。
自分の名前もどこに住んでるかも分からないって、結構やばいもんね。
「じゃあ、家に帰っても大丈夫ですか?」
私が言うと、全員微妙な顔をした。
え?
何その顔…。
「申し上げにくいのですが、貴方のご家族から連絡が来ていないんですよ」
え?
「貴方が眠っていた3日間、警察に頼んで捜索願いが出されていないかも調べましたし事件現場付近の住宅に問い合わせもしたのですが、情報が無くて」
「それって、帰れないってことですか???」
「帰る場所が分からないですね…。実は、貴方が受けた魔法は風と火のコンビネーション魔法だったようで、周辺が火事になってしまい荷物が燃えてしまったんです。身分証明書の類も燃えてしまって…」
そう言って医師が持って来たのは籠に入っている封筒と金色のアクセサリーの様なものだった。
何だろう、これ。
「こちらは唯一燃えなかった手紙と身に付けていたため無事だったアンクレットです」
「ありがとうございます…」
手紙を開封しようとすると、魔法でロックされていた。
パスワード?
そんなの覚えてないし!
なるほど、魔法でロックされたものは燃えないから無事だったのか。
でも私も読めないじゃん!
「すごいな、かなりの高位魔法でロックされてる」
今まで黙っていた男の子が驚いた様子で口を開けた。
「あなたは…?」
「あ、ごめん急に。俺はノアって言うんだ。こっちは弟のルーク」
隣に座っていた赤茶の髪の男の子の肩に手を乗せながら言った。
「もしかして病院まで連れて来てくれたのって、」
言い終わるより前にノアくんが頷いた。
「俺のせいで記憶喪失になっちゃって、本当に申し訳ない。責任は取るから!」
「えっ。そんな責任とかは無いですよ」
「俺がルークから目を離したのが悪かったんだ。…ほら、ルークもちゃんとお礼とお詫び」
さっきから俯いて震えているのが弟のルークくんか。
医師が私に報告をする度に泣きそうになっていて可哀想だと思っていたのだ。
「良いんです!私、元気だし、大丈夫だからお詫びとか…ね?だから泣かないで」
そう言ったらルークくんは泣いてしまった。
ああ…こんなちっちゃい子泣かしちゃったよ。
記憶を失ったのはそれなりにショックだけど、不思議と安心している。
だって、一般常識はちゃんと覚えてるし、日常生活に支障はないし。
生活してたら思い出すらしいし!
「色々と思い出すまで俺たちの家で暮らせば良いから」
「それは有難いけど、ご家族の了承とか」
「もうとってある。ルークの命の恩人だって言ったら喜んでたし」
うーん。
初対面の人にここまでお世話になっていいんだろうか。
「おねぇちゃん。僕といっしょに来てくれるの…?」
何この可愛い子!
潤んだ目でモテる女の子の必殺技、上目遣いしてくるルークくん。
私は反射的に頷いていた。
何…?
薄らと目を開くと眩しい光が入ってくる。
誰かが叫ぶ声も聞こえる。
ああ、そうか。
確か男の子を助けて…。
助けて………助かったのかな!?
勢い良く体を起こした。
「ぐえっ」
何、今のカエルが踏み潰された時の声みたいな。
あとおでこに何か当たった、痛い。
額を押さえながらよく見ると正面に少年が倒れている。
ぶつかったんだ!
「ごめんなさい、大丈夫ですか?」
「いったたた…。いや、俺は大丈夫!君は!?」
「私は特に何も」
今ぶつかったおでこが痛いのと、背中が痛いのと、頭が痛いのを除けば。
「弟を助けてくれて本当にありがとう!」
彼の後ろで泣きじゃくっているのは助けた男の子。
怪我は無さそうだ。
「良かったぁ、無事だったんだ」
「…あたま、痛くない?」
ぱっちりした瞳を潤ませながら心配してくれる。
か、可愛い…。
男の子を安心させるためにとびきりの笑顔を作って頭を撫でた。
「心配してくれてありがとうね」
「うん…」
照れて赤くなっている。
いや、天使。
デレデレしながら撫でるのを止めないでいると兄だと思われる少年が弟を小突いた。
「名前はなんて言うの?お礼をさせて欲しい」
「私の名前は、」
あれ、何だっけ?
そういえばここってどこだろう?
急に黙った私を不思議そうな顔で2人が見つめる。
「…おねぇちゃん、どうしたの?」
どうしよう。
「名前が分からない…」
「「ええ!?」」
「名前だけじゃなくて、ここがどこかも。あと、何で居るのかも…分からない」
そう言った瞬間、目の前がぐにゃりと曲がった。
私って誰だっけ…?
そんな事を考えているうちに、視界が真っ暗になった。
٭❀*
なんか眩しい…。
もう朝?
目を開けると見覚えの無い天井。
ここ、どこ?
体を起こすと私は見たことの無い部屋に居た。
全体的に白を基調とした部屋。
「病院…?」
呟いたのと同時に頭に鈍い痛みを覚えた。
触ってみると私は包帯をしていた。
そうだ。
私、魔法が直撃したんだっけ…。
誰かが救急車を呼んでくれたんだ。
コンコン
軽やかにノックをする音が聞こえ、返事をしていないのに扉が開き赤茶色の髪の男の子が入って来た。
男の子は数秒目が合うと、驚いた様に目を見開いた。
「目が覚めたのか!?」
大声を出すのでびっくりした。
「えっ?ええ、まあ…」
「良かった!今先生を呼んで来るから」
返事をするよりも先に男の子は部屋からいなくなっていた。
今の人って倒れる前に見た気がする。
確か、助けた男の子のお兄ちゃんて言ってたような…。
そこは思い出せた。
問題なのは、男の子を助ける前のことを全く覚えていないこと。
自分の名前すら覚えていない。
「頭を打った際に脳に大きな衝撃が加わって記憶喪失になってしまったんでしょうね」
数分して部屋に現れた医師が簡単に説明してくれた。
さっきの男の子と、弟くんもいる。
あと何故かスーツに身を包んだ厳つい男性が5人。
「記憶喪失…ですか」
「おそらく一時的なものですから、生活していく中で思い出す可能性が高いです」
良かった…。
自分の名前もどこに住んでるかも分からないって、結構やばいもんね。
「じゃあ、家に帰っても大丈夫ですか?」
私が言うと、全員微妙な顔をした。
え?
何その顔…。
「申し上げにくいのですが、貴方のご家族から連絡が来ていないんですよ」
え?
「貴方が眠っていた3日間、警察に頼んで捜索願いが出されていないかも調べましたし事件現場付近の住宅に問い合わせもしたのですが、情報が無くて」
「それって、帰れないってことですか???」
「帰る場所が分からないですね…。実は、貴方が受けた魔法は風と火のコンビネーション魔法だったようで、周辺が火事になってしまい荷物が燃えてしまったんです。身分証明書の類も燃えてしまって…」
そう言って医師が持って来たのは籠に入っている封筒と金色のアクセサリーの様なものだった。
何だろう、これ。
「こちらは唯一燃えなかった手紙と身に付けていたため無事だったアンクレットです」
「ありがとうございます…」
手紙を開封しようとすると、魔法でロックされていた。
パスワード?
そんなの覚えてないし!
なるほど、魔法でロックされたものは燃えないから無事だったのか。
でも私も読めないじゃん!
「すごいな、かなりの高位魔法でロックされてる」
今まで黙っていた男の子が驚いた様子で口を開けた。
「あなたは…?」
「あ、ごめん急に。俺はノアって言うんだ。こっちは弟のルーク」
隣に座っていた赤茶の髪の男の子の肩に手を乗せながら言った。
「もしかして病院まで連れて来てくれたのって、」
言い終わるより前にノアくんが頷いた。
「俺のせいで記憶喪失になっちゃって、本当に申し訳ない。責任は取るから!」
「えっ。そんな責任とかは無いですよ」
「俺がルークから目を離したのが悪かったんだ。…ほら、ルークもちゃんとお礼とお詫び」
さっきから俯いて震えているのが弟のルークくんか。
医師が私に報告をする度に泣きそうになっていて可哀想だと思っていたのだ。
「良いんです!私、元気だし、大丈夫だからお詫びとか…ね?だから泣かないで」
そう言ったらルークくんは泣いてしまった。
ああ…こんなちっちゃい子泣かしちゃったよ。
記憶を失ったのはそれなりにショックだけど、不思議と安心している。
だって、一般常識はちゃんと覚えてるし、日常生活に支障はないし。
生活してたら思い出すらしいし!
「色々と思い出すまで俺たちの家で暮らせば良いから」
「それは有難いけど、ご家族の了承とか」
「もうとってある。ルークの命の恩人だって言ったら喜んでたし」
うーん。
初対面の人にここまでお世話になっていいんだろうか。
「おねぇちゃん。僕といっしょに来てくれるの…?」
何この可愛い子!
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私は反射的に頷いていた。
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