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第1章
悲しいことは忘れたい 4
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sideアイ
「アイ、すごく似合ってるよ。綺麗だ」
「アイちゃんおひめさまみたいだよ!」
歯の浮くようなセリフを恥ずかしげもなく言うのはカルチャーショックなのかな。
兄弟揃ってさっきから私を持ち上げる持ち上げる。
紺色のレース素材のワンピースとゆるく巻かれた髪の相性は確かに良い。
自分でも、結構良いんじゃない?と思ってしまったくらいだ。
でも、この兄弟を目にして自信が打ち砕かれた。
黒のベストにオシャレな柄のネクタイのノアは大人っぽさが際立って隣に立つのもおこがましいくらいだし、ルークくんは水色のシャツに紺のベスト、蝶ネクタイで可愛すぎて辛い。
加えて美形。
レイさんとアリスさんもいつも以上に輝いている。
私は撮影係として参加しようかと本気で思っているところだ。
馬車に乗ってパーティ会場に向かっていると胃が痛くなってきた。
「にいさま、今日凛くんにあえる?」
「もちろん会えるよ。柊家主催のパーティだからね」
柊?
「何か聞いたことある…」
小さな声で独り言を言っただけだったが、ルークくんには聞こえたらしい。
「アイちゃん、凛くんのお父さんすごいんだよ!」
「アイも柊を知ってるのか?」
「…なんとなく聞いたことがある気がするかな」
「LITっていったら分かるかな?」
「LITって服の?」
「そう。今日のパーティはLITの柊社長主催なんだよ」
LITは世界中で愛される超有名衣料品ブランド。
世界各国に支店を設けている大企業だ。
そこの…社長!?
٭❀*
馬車を降りると予想通り大きな家。
いちいち驚いていると疲れる、ということに気付いた。
無心でノアの隣を歩く。
門をくぐるとひんやりとした空気が肌に触れる。
まだ室内ではなく、庭のはずなのにどうしてだろう?
ノアにそう聞くと、魔法で外でも快適に過ごせるようコントロールしていると教えてくれた。
華やかでキラキラした人がワインや食事を楽しんでいる。
アリスさんとレイさんは何の躊躇いも無く煌びやかな人々と合流した。
ノアとルークくんが一緒にいてくれてるけど、ひょっとして2人も誰かと話したいのでは?
「2人とも楽しんで来て?私はここに居るから」
すると2人は難しい顔をした。
何を考えているか全く分かりません。
「じゃあ、少しだけ話してくるからここを動かないで?ルーク、アイと一緒に待ってて」
「わかった」
ノアが居なくなるとルークくんは私のスカートの裾を引っ張って言った。
「アイちゃん、飲み物いる?」
「ううん、大丈夫だよ。ルークくん何か飲む?取って来ようか」
ルークくんは何故か何も言わずに私を見てる。
なんだろ?
首を傾げるとルークくんはため息をついた。
「アイちゃん、具合悪い?」
「え?」
図星だったから驚いた。
実は門をくぐった時から何だか息苦しい。
慣れない場所で疲れたのかなと思っていた。
「慣れない場所」
そう、私はこんな華やかなパーティは初めて。
初めて………………の、はず。
でも、どうしてだろう。
会場に入った瞬間から、こういう空気を「久しぶり」だと感じている自分がいる。
具合はどんどん悪くなってきた。
顔色が悪かったのかもしれない。
ルークくんは水を取ってきてくれた。
グラスを手に取ると、手が震えている。
まるでグラスに口を付けるのを拒否しているように震えている。
どうしちゃったんだろう、私。
震えを抑えようと腕に力を込めるが収まってくれない。
なんで?
理由は全く分からない。
でもその時の私は、何かを口にしたら死んでしまうんじゃないかって思っていた。
頭も痛くなってきた。
「ごめんルークくんちょっと調子悪いみたい」
「アイちゃん、こっち」
心配させないようにおどけて言った私の手を掴んでルークくんは静かな階段まで連れて行ってくれた。
人気がなくて、風が気持ち良い。
「むりしちゃダメだよ」
「ごめんね…ルークくん」
こんなに小さい子にお世話になるなんて情けない。
「ううん、ぼくもごめんね」
「ルークくんは悪くないじゃない」
「だってさっきまで気付けてなかったから」
なんて優しい子なの!!!
「良くなってきた?」と言いながら前にしゃがんだルークくんはいつもと雰囲気が違う。
今日のルークくんは服装も相まってすごく頼もしく見えた。
「アイ、すごく似合ってるよ。綺麗だ」
「アイちゃんおひめさまみたいだよ!」
歯の浮くようなセリフを恥ずかしげもなく言うのはカルチャーショックなのかな。
兄弟揃ってさっきから私を持ち上げる持ち上げる。
紺色のレース素材のワンピースとゆるく巻かれた髪の相性は確かに良い。
自分でも、結構良いんじゃない?と思ってしまったくらいだ。
でも、この兄弟を目にして自信が打ち砕かれた。
黒のベストにオシャレな柄のネクタイのノアは大人っぽさが際立って隣に立つのもおこがましいくらいだし、ルークくんは水色のシャツに紺のベスト、蝶ネクタイで可愛すぎて辛い。
加えて美形。
レイさんとアリスさんもいつも以上に輝いている。
私は撮影係として参加しようかと本気で思っているところだ。
馬車に乗ってパーティ会場に向かっていると胃が痛くなってきた。
「にいさま、今日凛くんにあえる?」
「もちろん会えるよ。柊家主催のパーティだからね」
柊?
「何か聞いたことある…」
小さな声で独り言を言っただけだったが、ルークくんには聞こえたらしい。
「アイちゃん、凛くんのお父さんすごいんだよ!」
「アイも柊を知ってるのか?」
「…なんとなく聞いたことがある気がするかな」
「LITっていったら分かるかな?」
「LITって服の?」
「そう。今日のパーティはLITの柊社長主催なんだよ」
LITは世界中で愛される超有名衣料品ブランド。
世界各国に支店を設けている大企業だ。
そこの…社長!?
٭❀*
馬車を降りると予想通り大きな家。
いちいち驚いていると疲れる、ということに気付いた。
無心でノアの隣を歩く。
門をくぐるとひんやりとした空気が肌に触れる。
まだ室内ではなく、庭のはずなのにどうしてだろう?
ノアにそう聞くと、魔法で外でも快適に過ごせるようコントロールしていると教えてくれた。
華やかでキラキラした人がワインや食事を楽しんでいる。
アリスさんとレイさんは何の躊躇いも無く煌びやかな人々と合流した。
ノアとルークくんが一緒にいてくれてるけど、ひょっとして2人も誰かと話したいのでは?
「2人とも楽しんで来て?私はここに居るから」
すると2人は難しい顔をした。
何を考えているか全く分かりません。
「じゃあ、少しだけ話してくるからここを動かないで?ルーク、アイと一緒に待ってて」
「わかった」
ノアが居なくなるとルークくんは私のスカートの裾を引っ張って言った。
「アイちゃん、飲み物いる?」
「ううん、大丈夫だよ。ルークくん何か飲む?取って来ようか」
ルークくんは何故か何も言わずに私を見てる。
なんだろ?
首を傾げるとルークくんはため息をついた。
「アイちゃん、具合悪い?」
「え?」
図星だったから驚いた。
実は門をくぐった時から何だか息苦しい。
慣れない場所で疲れたのかなと思っていた。
「慣れない場所」
そう、私はこんな華やかなパーティは初めて。
初めて………………の、はず。
でも、どうしてだろう。
会場に入った瞬間から、こういう空気を「久しぶり」だと感じている自分がいる。
具合はどんどん悪くなってきた。
顔色が悪かったのかもしれない。
ルークくんは水を取ってきてくれた。
グラスを手に取ると、手が震えている。
まるでグラスに口を付けるのを拒否しているように震えている。
どうしちゃったんだろう、私。
震えを抑えようと腕に力を込めるが収まってくれない。
なんで?
理由は全く分からない。
でもその時の私は、何かを口にしたら死んでしまうんじゃないかって思っていた。
頭も痛くなってきた。
「ごめんルークくんちょっと調子悪いみたい」
「アイちゃん、こっち」
心配させないようにおどけて言った私の手を掴んでルークくんは静かな階段まで連れて行ってくれた。
人気がなくて、風が気持ち良い。
「むりしちゃダメだよ」
「ごめんね…ルークくん」
こんなに小さい子にお世話になるなんて情けない。
「ううん、ぼくもごめんね」
「ルークくんは悪くないじゃない」
「だってさっきまで気付けてなかったから」
なんて優しい子なの!!!
「良くなってきた?」と言いながら前にしゃがんだルークくんはいつもと雰囲気が違う。
今日のルークくんは服装も相まってすごく頼もしく見えた。
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