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第1章
私の事を知っている? 2
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sideアイ
私は深呼吸をして、クロエさんの言葉を待った。
沈黙の後、クロエさんの声が部屋に響いた。
「人間っていうのは、悲しい事は忘れたいと思う生き物だ。辛い記憶から自分を守ろうとするものだ。………どういうことか分かるかい?」
てっきり家族の話をされると思っていたので思考が一旦停止した。
悲しい事は忘れたいと思う…。
そのままの意味じゃないのかな。
クロエさんの意図が分からない。
私は静かに首を横に振った。
そうすると、クロエさんは初めて笑顔を見せてくれた。
「そうかい。…今は、楽しくやっているんだね」
クロエさんが呟くと、アリスさんはついに我慢できなくなったようで、口を開いた。
「もぅ、全然話が見えないわよ~?クロエちゃん~つまりどういうことなの?」
「分かったから黙っておくれ」
クロエさんはピシャリと言った。
「…………はぁ、つまり、お前さんは精神的苦痛を和らげたいから記憶喪失になったんだ。記憶を失うほど、悲しい事があったってことだよ」
「へぇ……」
なんだか間抜けな声が出てしまった。
そんなことを言われても、覚えてないし…。
「能天気になったもんだねぇ、昔はもっと能面みたいな顔で澄ましてたのに」
「そうなんですか!?」
「ああ、あたしは驚いてるよ。記憶喪失になると性格が変わるんだね」
能面みたいな顔で澄ましてるって、感じ悪くない?
私って性格悪かったのかな…。
「アリス、ここからはアイと2人にしておくれ」
クロエさんの一言で、広い客間で2人きりになった。
「さて、ここからは大事な話だよ」
「はい」
私は背筋を伸ばした。
「お前さんを引き取りたいと思っている。それは、嘘じゃない」
「はい」
「ただ、ルーシュベルト魔法学校に入ることが条件だ」
ちょっとした沈黙があった。
「ええええええ!?」
思わず大きな声を出してしまった。
「待って下さい、それは無理です!」
「無理なわけ無いだろう。昔からお前さんは賢いんだよ」
「でも私、覚えてないですもん」
「勉強すれば思い出すだろう、それとも、養子は諦めるかい?アイ・ラッセル(仮)として生きるかい?」
ゔ…。
痛いところをつかれた。
「どうしてそれが条件なんですか?」
私はほとんど涙目になりながら聞いた。
「それは、お前さんがルーベルに入学できたら話そうか。過去の話も全部」
ずるい、ずるいずるい!!!
過去の話は今から聞く気満々だった。
思い出すきっかけになるかもしれないから、早く聞きたいのに。
「さて、どうする?」
クロエさんは悪魔みたいに笑った。
こんなの、一択しかないじゃない。
「よろしくお願いします…………」
私は力なく言った。
アイ・ラッセル(仮)は、今日から本当のアイ・ラッセルになった。
「お前さんは知らなくて良い、思い出さなくて良いんだ。まだ、14歳なんだから」
この後クロエさんが独り言みたいに呟いた言葉の意味は、私には分からなかった。
٭❀*
「いやぁぁあああだぁぁ!!!!!僕もいっしょにいく!!!!!」
ルークくんの叫び声は周りの空気を震わせた。
その日の夜、私はラッセル家へ行くことになったのだ。
「ルークくん、会えなくなるわけじゃないから、ね?」
とうとう泣き始めてしまったルークくんは私の話なんか聞こえてないだろう。
「だって、…ひっく、アイちゃん。……うぅ、ラッセルのひとになうけど、ふぇぇ…いっしょにすむっていってだじゃぁうううう(※ラッセル家に引き取られるけど住むのはマクファーソン家だって言っていたじゃないか、と主張しております)」
「ごめんね、ルークくん…。色々あって変わっちゃったんだ…」
ダメだ、泣き止んでくれない。
今日ラッセル家に行かなくても良いかな。
クロエさんをちらりと見ると、「早くしろ」と言わんばかりにこっちを睨みつけてくる。
ひええええ。
「アイ、ルークは俺に任せて出発しちゃって大丈夫だよ」
「ノアありがとう…ごめんね」
ルークくんにハンカチを渡し、立ち上がった。
「皆さん、優しくしてくれてありがとうございました。私は、本当に本当に幸せ者です!お世話になりました!」
見送りに門の近くまで出て来てくれた人たちに一礼した。
クロエさんと一緒に馬車に乗り込む。
これから私は、ラッセル家の娘として暮らすのだ。
私は深呼吸をして、クロエさんの言葉を待った。
沈黙の後、クロエさんの声が部屋に響いた。
「人間っていうのは、悲しい事は忘れたいと思う生き物だ。辛い記憶から自分を守ろうとするものだ。………どういうことか分かるかい?」
てっきり家族の話をされると思っていたので思考が一旦停止した。
悲しい事は忘れたいと思う…。
そのままの意味じゃないのかな。
クロエさんの意図が分からない。
私は静かに首を横に振った。
そうすると、クロエさんは初めて笑顔を見せてくれた。
「そうかい。…今は、楽しくやっているんだね」
クロエさんが呟くと、アリスさんはついに我慢できなくなったようで、口を開いた。
「もぅ、全然話が見えないわよ~?クロエちゃん~つまりどういうことなの?」
「分かったから黙っておくれ」
クロエさんはピシャリと言った。
「…………はぁ、つまり、お前さんは精神的苦痛を和らげたいから記憶喪失になったんだ。記憶を失うほど、悲しい事があったってことだよ」
「へぇ……」
なんだか間抜けな声が出てしまった。
そんなことを言われても、覚えてないし…。
「能天気になったもんだねぇ、昔はもっと能面みたいな顔で澄ましてたのに」
「そうなんですか!?」
「ああ、あたしは驚いてるよ。記憶喪失になると性格が変わるんだね」
能面みたいな顔で澄ましてるって、感じ悪くない?
私って性格悪かったのかな…。
「アリス、ここからはアイと2人にしておくれ」
クロエさんの一言で、広い客間で2人きりになった。
「さて、ここからは大事な話だよ」
「はい」
私は背筋を伸ばした。
「お前さんを引き取りたいと思っている。それは、嘘じゃない」
「はい」
「ただ、ルーシュベルト魔法学校に入ることが条件だ」
ちょっとした沈黙があった。
「ええええええ!?」
思わず大きな声を出してしまった。
「待って下さい、それは無理です!」
「無理なわけ無いだろう。昔からお前さんは賢いんだよ」
「でも私、覚えてないですもん」
「勉強すれば思い出すだろう、それとも、養子は諦めるかい?アイ・ラッセル(仮)として生きるかい?」
ゔ…。
痛いところをつかれた。
「どうしてそれが条件なんですか?」
私はほとんど涙目になりながら聞いた。
「それは、お前さんがルーベルに入学できたら話そうか。過去の話も全部」
ずるい、ずるいずるい!!!
過去の話は今から聞く気満々だった。
思い出すきっかけになるかもしれないから、早く聞きたいのに。
「さて、どうする?」
クロエさんは悪魔みたいに笑った。
こんなの、一択しかないじゃない。
「よろしくお願いします…………」
私は力なく言った。
アイ・ラッセル(仮)は、今日から本当のアイ・ラッセルになった。
「お前さんは知らなくて良い、思い出さなくて良いんだ。まだ、14歳なんだから」
この後クロエさんが独り言みたいに呟いた言葉の意味は、私には分からなかった。
٭❀*
「いやぁぁあああだぁぁ!!!!!僕もいっしょにいく!!!!!」
ルークくんの叫び声は周りの空気を震わせた。
その日の夜、私はラッセル家へ行くことになったのだ。
「ルークくん、会えなくなるわけじゃないから、ね?」
とうとう泣き始めてしまったルークくんは私の話なんか聞こえてないだろう。
「だって、…ひっく、アイちゃん。……うぅ、ラッセルのひとになうけど、ふぇぇ…いっしょにすむっていってだじゃぁうううう(※ラッセル家に引き取られるけど住むのはマクファーソン家だって言っていたじゃないか、と主張しております)」
「ごめんね、ルークくん…。色々あって変わっちゃったんだ…」
ダメだ、泣き止んでくれない。
今日ラッセル家に行かなくても良いかな。
クロエさんをちらりと見ると、「早くしろ」と言わんばかりにこっちを睨みつけてくる。
ひええええ。
「アイ、ルークは俺に任せて出発しちゃって大丈夫だよ」
「ノアありがとう…ごめんね」
ルークくんにハンカチを渡し、立ち上がった。
「皆さん、優しくしてくれてありがとうございました。私は、本当に本当に幸せ者です!お世話になりました!」
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これから私は、ラッセル家の娘として暮らすのだ。
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