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第1章
奇跡は私の知らない間に 2
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sideアイ
「何してたんだ?」
「荷物の中身落としちゃった人がいたの」
「へぇ、良い事したぶんだけ、きっと良い日になるよ」
ノアは良い笑顔でカッコイイ台詞をさらりと言った。
なんか、眩しいなぁ。
今日のノアは自分の実力をためすのが楽しみでしょうがない、という感じだ。
私も頑張らなくちゃ。
館長さんの話を聞き、館内を見た後、自由行動の時間になった。
多くの生徒は外に出て魔法の練習をしたり、椅子に座って集中力を高めたりしていた。
私はさっき気になった精霊の模型をもう一度見に行った。
博物館の展示物はどれも貴重で、美しいものばかりだった。
私は緊張も忘れて展示物に魅入った。
「あ、君って…」
突然声をかけられた。
振り向くと、朝の金髪の男性だった。
「朝は助けてくれてありがとう。ちゃんとお礼を言えてなかったから心残りだったんだ」
男性は薄く笑いながら言った。
「いえいえ、お役に立てて良かったです」
つられて笑うと、金髪のお兄さんはまた、私の顔をじっと見つめた。
私の顔に何か付いてるのかな?
「あの…?」
「ああ、ごめん。……もしかして精霊に会いに来た学生さんだったりする?」
「そうです」
「やっぱりか…。じゃあ、ちょっとしたアドバイスなんだけど、精霊は求められると応えたくなる生き物なんだ。『あなたと契約したい』とか、『君以外は考えられない』とかね。そういう言葉に弱いから使ってみてね」
へぇ~、初めて知った。
お兄さんは博物館のスタッフの人なのかな。
良い事聞いた、得した気分。
「ありがとうございます、使ってみます!」
「朝のお礼だよ。じゃあ、頑張ってね」
うっとりするほど綺麗な笑顔を残してお兄さんは「staff only」の扉を開けて消えて行った。
金髪碧眼の人ってやっぱり格好良いんだなぁ。
有力な情報も貰ったし、ノアが言っていた通り今日は良い日だ。
٭❀*
「それでは皆さん、自分の実力を発揮してここに戻って来て下さいね」
担任のミリア先生はソプラノ歌手の様に高くて良く響く声で言った。
私たちが今いるのは教会のようなところ。
今から精霊たちとのご対面だ。
「では、あちらに移動してくださ~い」
ミリア先生はそう言って、教会の近くのビニールハウスのような建物の前で止まった。
てっきり教会で行われると思っていたので意表をつかれる。
クラスメートも驚いている様子だ。
目の前にある大きな大きな…ビニールハウス?
ここに精霊がいると考えると、なんだか意外だ。
クラス全員で中に入ると植物園のような景色が広がっていた。
魔力を感じない、本当にここに精霊がいるのだろうか。
こんなところで何をすれば言いの…?
クラスのほとんどがどうすれば良いのか分からず辺りを見回していた。
すると、目の前を光の玉が通った。
周りを見ると、沢山の光に囲まれている人もいれば1つか2つの人もいた。
この光が、精霊?
だとしたら私に全然集まって来てない!
さっき先生に魔力の強い人に集まってきやすいとアドバイスをもらった。
もっと集中しなきゃ!
焦れば焦るほど、力が発揮出来ていない感じがした。
奥へ進んで行っても光は集まらない。
何分か歩き回ると、ついに1つだけ蛍の光のようなものが私に近付いて来た。
「あなたは私を気に入ってくれたの?」
そう言いながら光に触れてみた。
すると。
光は徐々に大きくなった。
形も変わっていく。
《おい、なんか美味いもん持ってねぇのか?》
「………………え?」
私の目の前にはライオンがいた。
しかも、喋っている。
しかも、美味いもん持ってねぇのかと聞いてくる。
えっ、ええ?
精霊なの?
このコ精霊なの???
精霊ってもっと小さくてふわふわ浮く感じの…。
こんなに獣感あるの?
正直、怖い。
《小さくてふわふわじゃなくて悪かったな》
!!!!!
私は口に手を当てた。
今の声に出てた!?
《オレは目ェつけた奴の心が読めんだよ》
目ェつけた奴……って、私?
私、たかられてるのか。
どうしよう餌とか持ってないんだけど…。
《お前は【精霊付】になる為にここに来てんだよな?》
「……は、い」
《じゃあなんでオレが目ェつけてるって言ってんのに喜ばねェんだよ》
あ、そっか。
「嬉しいな…」
驚きも相まって棒読みぽくなってしまった。
《ほんとに思ってんのかよ!?》
ライオンは、鬣を揺らした。
「嬉しい!嬉しいです!ただちょっと予想外で………でも、私の事を気に入ってくれたんですか?」
《いや、寝てたら他の奴に良さげなの全部取られただけだ。お前だけ暇そうだったろ》
「ゔ……そうですか…」
《大体なァ、もっと魔力をアピールしながら入ってこないとダメだろ。そんなんじゃバカどもはお前の魔力に気付かないぞ?》
「すいません…」
《まあ良いよ、お陰でオレだけが気付けたからな。名前なんて言うんだ?》
「アイです、アイ・ラッセル。……気に入ってくれてないのに、契約してくれるんですか?」
《はァ?気が早ェよ。今からテストだ、オレに相応しいかどうか見なくちゃな》
私は、精霊との契約はもっと神秘的で、キラキラした空間でやるものだと思い込んでいた。
まさか、こんなビニールハウスの中で獣と向かい合ってするものだとは思ってなかった…。
こんな面接試験みたいな感じだと思ってなかった…。
あと、なんでこのライオンこんなに口が悪いんだろう。
思春期の男子みたいな雰囲気だし。
《おい、心読んでっからな?》
「はい!すいません!」
《まずはテキトーに出来ることやってみろ》
テキトーに?
出来ることやってみろ?
もっと具体的に言って欲しいけど怖くて言えなかった。
取り敢えず指先に力を入れ、風を集める。
風を操作して、剣を創った。
今日はなんだか上手く出来た気がする。
得意げな顔でライオンの方を見る。
なんだかつまらなそうな顔。
《使いこなせてねェなー。ま、いっか》
「ダメですか……?」
《俺は『外』に出られれば正直契約は誰とでも良いと思ってる。丁度良いから契約してやるよ》
何、それ?
さっきから思っていたけど随分上から目線だ。
確かに私は【精霊付】になりたいけど、誰とでもじゃ嫌だ。
お互いに高めあえるような…そんなパートナーが欲しいのだ。
「私は、誰とでもじゃ嫌です」
《はァ?》
「ごめんなさい、せっかくだけど私を必要としてくれる精霊を探しに行きます」
私はぺこりと頭を下げて、ぽかんとしているライオンの精霊から離れた。
《おいおい!何言ってんだ?【精霊付】になるチャンスを逃すことになるんだぞ》
「良いんです」
《意味が分からねェ》
「私は、すぐに切れてしまうような関係は嫌なんです。…………もう、捨てられたくないんです」
私はそれだけ言って立ち去った。
歩きながら頭を抱えた。
…………「もう」って何?
私はどうしてあんなことを言ったの?
頭が痛い。
精霊って皆あんな感じなのかな。
口が悪くて…そう、口が悪いの。
口が悪くて金髪で、青い瞳なの。
目を瞑ると、何故かさっきの金髪の男性が脳裏に浮かぶ。
どうして。
金髪に、青い瞳の男の子。
あの男性を見たことがある気がしたのは何でなの?
こんなチャンスを逃すなんて私は馬鹿だ。
色々な事が頭の中で暴れ回った。
その内、目の前が真っ暗になった。
「何してたんだ?」
「荷物の中身落としちゃった人がいたの」
「へぇ、良い事したぶんだけ、きっと良い日になるよ」
ノアは良い笑顔でカッコイイ台詞をさらりと言った。
なんか、眩しいなぁ。
今日のノアは自分の実力をためすのが楽しみでしょうがない、という感じだ。
私も頑張らなくちゃ。
館長さんの話を聞き、館内を見た後、自由行動の時間になった。
多くの生徒は外に出て魔法の練習をしたり、椅子に座って集中力を高めたりしていた。
私はさっき気になった精霊の模型をもう一度見に行った。
博物館の展示物はどれも貴重で、美しいものばかりだった。
私は緊張も忘れて展示物に魅入った。
「あ、君って…」
突然声をかけられた。
振り向くと、朝の金髪の男性だった。
「朝は助けてくれてありがとう。ちゃんとお礼を言えてなかったから心残りだったんだ」
男性は薄く笑いながら言った。
「いえいえ、お役に立てて良かったです」
つられて笑うと、金髪のお兄さんはまた、私の顔をじっと見つめた。
私の顔に何か付いてるのかな?
「あの…?」
「ああ、ごめん。……もしかして精霊に会いに来た学生さんだったりする?」
「そうです」
「やっぱりか…。じゃあ、ちょっとしたアドバイスなんだけど、精霊は求められると応えたくなる生き物なんだ。『あなたと契約したい』とか、『君以外は考えられない』とかね。そういう言葉に弱いから使ってみてね」
へぇ~、初めて知った。
お兄さんは博物館のスタッフの人なのかな。
良い事聞いた、得した気分。
「ありがとうございます、使ってみます!」
「朝のお礼だよ。じゃあ、頑張ってね」
うっとりするほど綺麗な笑顔を残してお兄さんは「staff only」の扉を開けて消えて行った。
金髪碧眼の人ってやっぱり格好良いんだなぁ。
有力な情報も貰ったし、ノアが言っていた通り今日は良い日だ。
٭❀*
「それでは皆さん、自分の実力を発揮してここに戻って来て下さいね」
担任のミリア先生はソプラノ歌手の様に高くて良く響く声で言った。
私たちが今いるのは教会のようなところ。
今から精霊たちとのご対面だ。
「では、あちらに移動してくださ~い」
ミリア先生はそう言って、教会の近くのビニールハウスのような建物の前で止まった。
てっきり教会で行われると思っていたので意表をつかれる。
クラスメートも驚いている様子だ。
目の前にある大きな大きな…ビニールハウス?
ここに精霊がいると考えると、なんだか意外だ。
クラス全員で中に入ると植物園のような景色が広がっていた。
魔力を感じない、本当にここに精霊がいるのだろうか。
こんなところで何をすれば言いの…?
クラスのほとんどがどうすれば良いのか分からず辺りを見回していた。
すると、目の前を光の玉が通った。
周りを見ると、沢山の光に囲まれている人もいれば1つか2つの人もいた。
この光が、精霊?
だとしたら私に全然集まって来てない!
さっき先生に魔力の強い人に集まってきやすいとアドバイスをもらった。
もっと集中しなきゃ!
焦れば焦るほど、力が発揮出来ていない感じがした。
奥へ進んで行っても光は集まらない。
何分か歩き回ると、ついに1つだけ蛍の光のようなものが私に近付いて来た。
「あなたは私を気に入ってくれたの?」
そう言いながら光に触れてみた。
すると。
光は徐々に大きくなった。
形も変わっていく。
《おい、なんか美味いもん持ってねぇのか?》
「………………え?」
私の目の前にはライオンがいた。
しかも、喋っている。
しかも、美味いもん持ってねぇのかと聞いてくる。
えっ、ええ?
精霊なの?
このコ精霊なの???
精霊ってもっと小さくてふわふわ浮く感じの…。
こんなに獣感あるの?
正直、怖い。
《小さくてふわふわじゃなくて悪かったな》
!!!!!
私は口に手を当てた。
今の声に出てた!?
《オレは目ェつけた奴の心が読めんだよ》
目ェつけた奴……って、私?
私、たかられてるのか。
どうしよう餌とか持ってないんだけど…。
《お前は【精霊付】になる為にここに来てんだよな?》
「……は、い」
《じゃあなんでオレが目ェつけてるって言ってんのに喜ばねェんだよ》
あ、そっか。
「嬉しいな…」
驚きも相まって棒読みぽくなってしまった。
《ほんとに思ってんのかよ!?》
ライオンは、鬣を揺らした。
「嬉しい!嬉しいです!ただちょっと予想外で………でも、私の事を気に入ってくれたんですか?」
《いや、寝てたら他の奴に良さげなの全部取られただけだ。お前だけ暇そうだったろ》
「ゔ……そうですか…」
《大体なァ、もっと魔力をアピールしながら入ってこないとダメだろ。そんなんじゃバカどもはお前の魔力に気付かないぞ?》
「すいません…」
《まあ良いよ、お陰でオレだけが気付けたからな。名前なんて言うんだ?》
「アイです、アイ・ラッセル。……気に入ってくれてないのに、契約してくれるんですか?」
《はァ?気が早ェよ。今からテストだ、オレに相応しいかどうか見なくちゃな》
私は、精霊との契約はもっと神秘的で、キラキラした空間でやるものだと思い込んでいた。
まさか、こんなビニールハウスの中で獣と向かい合ってするものだとは思ってなかった…。
こんな面接試験みたいな感じだと思ってなかった…。
あと、なんでこのライオンこんなに口が悪いんだろう。
思春期の男子みたいな雰囲気だし。
《おい、心読んでっからな?》
「はい!すいません!」
《まずはテキトーに出来ることやってみろ》
テキトーに?
出来ることやってみろ?
もっと具体的に言って欲しいけど怖くて言えなかった。
取り敢えず指先に力を入れ、風を集める。
風を操作して、剣を創った。
今日はなんだか上手く出来た気がする。
得意げな顔でライオンの方を見る。
なんだかつまらなそうな顔。
《使いこなせてねェなー。ま、いっか》
「ダメですか……?」
《俺は『外』に出られれば正直契約は誰とでも良いと思ってる。丁度良いから契約してやるよ》
何、それ?
さっきから思っていたけど随分上から目線だ。
確かに私は【精霊付】になりたいけど、誰とでもじゃ嫌だ。
お互いに高めあえるような…そんなパートナーが欲しいのだ。
「私は、誰とでもじゃ嫌です」
《はァ?》
「ごめんなさい、せっかくだけど私を必要としてくれる精霊を探しに行きます」
私はぺこりと頭を下げて、ぽかんとしているライオンの精霊から離れた。
《おいおい!何言ってんだ?【精霊付】になるチャンスを逃すことになるんだぞ》
「良いんです」
《意味が分からねェ》
「私は、すぐに切れてしまうような関係は嫌なんです。…………もう、捨てられたくないんです」
私はそれだけ言って立ち去った。
歩きながら頭を抱えた。
…………「もう」って何?
私はどうしてあんなことを言ったの?
頭が痛い。
精霊って皆あんな感じなのかな。
口が悪くて…そう、口が悪いの。
口が悪くて金髪で、青い瞳なの。
目を瞑ると、何故かさっきの金髪の男性が脳裏に浮かぶ。
どうして。
金髪に、青い瞳の男の子。
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