初恋と悪あがき

村上りく

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第2章

入学式

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リュカくんの話が予想以上に伸びてしまい、やっとアイちゃんのターンです!
楽しんで頂ければ幸いです( ¨̮ )


-----------------------------------------------

sideアイ

私は真新しい制服に袖を通した。
紺色のブレザーはまだ体に馴染んでいなくて違和感がある。
自分がルーシュベルト魔法学校の制服を着ていることが嬉しくてたまらなかった。

「アイ、朝食だよ!」

「今行きます!」

クロエさんが下の階から叫んでいる。
いけない、着替えに時間をかけすぎた。
私は急いで階段を降りた。



「初日に浮かれててどうするんだい。入学式に遅れたらシャレにならないよ」

「ごめんなさい~、すぐ食べます」

「これ、並べておくれ。………あと制服、よく似合ってるじゃないか」

クロエさんはできたての目玉焼きを盛り付けながら言った。

「ありがとうございます!」

変じゃないと分かって嬉しい。
まだ、自分が憧れのルーベル生だという自覚を持てないでいる。
制服に「着られている」感がある気がするし。
私、アイ・ラッセルはなんとか合格し、今日からルーシュベルト魔法学校に通う。
感動しながら制服を着ていたら少し遅れてしまった。
急いで目玉焼きとトーストを詰め込む。
呼び鈴が鳴ったのと、歯磨きが終わったタイミングが同じだった。
ノアが迎えに来てくれたんだろう。

「クロエさん、行ってきますね!」

「ああ、気を付けるんだよ」

私は軽い足取りでノアの待つ馬車に乗り込んだ。




「ノア、おはよう!」

「おはよ。おお、制服似合ってるじゃん」

「本当に?ありがとう!ノアもすごい似合ってる、頭良さそう………じゃなかった、良いんだった」

私はちょっとからかって言った。

「馬鹿にしてるだろー?」

「してないしてない、すごいと思ってるよ!」

私の隣に座るノアはなんとなんと、首席合格者なのだ。
魔法学校の中でもトップクラスで高い偏差値と倍率を誇るルーベルで首席、すごすぎる。

「多分ルーベルには、まだ本気出してないすごい人が沢山いるよ…」

「最初の試験頑張らなきゃだね!」

「ああ。入学式の次の日テストっていうのも、嫌なことするよなぁ」


そんな風に学校の話や世間話をしていると、あっという間に駅に着いた。
魔動式列車に乗り込むと、ルーベルの制服を着た人が沢山乗っていた。
私たちと同じく新品で色の濃いブレザーの新入生もいれば、着慣れた様子の先輩もいた。
一気に、私もルーベル生なのだと自覚する。


はあ、楽しみだな…。


期待に胸を膨らませていた。




٭❀*




「私、10組」

「俺は…12だな」

ノアとクラスが分かれた。
まあ、16クラスもあれば当然か。

「やっぱり分かれたな。帰りは迎えに行くから」

「うん、お互い頑張ろ」

軽く手を振って教室の前で別れた。
1人になると急に心細くなるけれど、それ以上にワクワクしている。
教室に入るともう3分の2くらい人がいた。
皆すごく賢そうなオーラ。
明日がテストということもあり、勉強している人もちらほらいる。
廊下側の1番後ろの席だった。
席に座って、退屈なのでルークくんへのバースデーカードの下書きを考えた。


ノアの弟、ルークくんは明日…4月8日生まれ。
プレゼントはゲームのソフトを買った。
明日はパーティが開かれるから早く帰らなきゃだなぁ。
部活見学は今日行っておこうかな。
頭の中で予定を立てていると、いつの間にかHRが始まっていた。
担任のニコル先生は自己紹介の後、この学校の歴史について語り始めた。
初めは為になるなぁと思い聞いていたが、長い。
非常に、長い。
おっとりとした話し方も合わさって寝ている生徒が続出。
かれこれ20分以上話し続けているけれど式典場に行かなくて大丈夫かな?
確か9時半からだった気がする。
壁にかけてある時計をチラリと見ると9時15分を指している。

「せんせー、流石に長すぎですよー?」

私の隣に座っていた女の子がそう言った。
全員の注目が彼女に集まる。

「あら、悪いわね。話しすぎてしまったわ」

ニコル先生は頬に手を当てて言った。

直ぐに式典場へ移動したが、その時から…いや、実は教室にいる時からずっと。
視線を感じる。
隣の席の女の子の視線だ。
隣の席の夏 紅花シア ホンファちゃんは、先程ニコル先生に時間を伝えてくれた女の子。
可愛らしい見た目と反対に低くて格好良い声だった。
もちろん、全く知り合いではない。
私、何かしちゃったかな……。


モヤモヤとした気持ちを抱えながら式に臨んだ。
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