初恋と悪あがき

村上りく

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第2章

確信 (sideリュカ)

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sideリュカ

ノア・マクファーソンという男は、最初から優しさを固めたみたいな奴だった。
態度の悪い俺(自覚はあった)とも仲良くなろうと話しかけて来たし、結局昼飯を一緒に食べるくらいの仲にはなってるし。
実技テストの次の日の昼休み。
俺とアレク、ノア、アイ。
そして何故か今日から紅花ホンファが加わって5人で昼飯を食べている。

「紅花ちゃんのパン美味しそうだね!」
「別に普通」
「こら、購買の方に失礼だぞ」

アイ、紅花、ノアはほのぼのとその様なやり取りをしている。
むすっとしている紅花に対して、アイとノアは笑顔を浮かべている。

『アイについて話したいことがある』

俺はその連絡を受けてから気が気じゃない。
アイがいる前でもノアに問い詰めたくなってしまう。
ってか、ダメなのか?
アイがいる前だと、ダメなのか???
待つことが大嫌いな俺はもはやこの場で話をしてしまおうと思ったくらいだ。
アレクに止められたので言わないが。

「放課後、カフェテリアで良いか?」

昼休みももう終わりの頃、小声でノアに言われた。
やっとか。
待ちくたびれた。
でも放課後まで待つのか。


俺は待つのが大嫌いだ。



٭❀*



森の中のカフェテリア。
そこは、学校への寄付金に応じて使用可能となる特別な場所。
アレクとノアも入れるし、言えば個室も用意してくれるから便利だ。
言うまでもなく俺は入れるからな、余裕で。

「率直に言うぞ」

3人で使うには広すぎる個室には、ピリピリとした空気が漂っていた。
白いソファに俺とアレクが腰掛け、ノアは正面の木の椅子に座っている。



「アイと『イチカさん』は、同一人物だ」



ノアが言った瞬間、俺もノアも空気が抜けたように息を吐いた。

「うん、まあ、そうだよね。リュカがあげたアンクレット持ってたくらいだもんね」

「それはもう良いんだよ、聞きてぇのはどうして前から分かってたのに言わなかったのかって事だ!」

俺はテーブルを叩いた。
実技テストの少し前あたりからノアの様子がおかしかった事くらい、俺にはお見通しなんだよ。

「ごめんな……。ちょっと予想外のことがあって」

「「予想外?」」

「2人にどう説明するか考えてたんだ」

予想外?
説明?
そんな事俺にはどうでも良い。
アイは一華いちかだって分かったなら、もう何だって良い。

「説明とか後回しにしてアイのとこ行くぞ!一華の時に俺と行った場所全部回って思い出させるからな!!」

俺はウキウキした。
俺の部屋に入れば、昔行った思い出の場所に行けば、アイが一華の記憶を取り戻す自信があったからだ。
俺は立ち上がって荷物を掴んだ。
きっとアイはクソ真面目に明日の予習でもやってるだろうから、教室にいる!

「リュカ、待ってくれ」

ノアの低い声が響いた。
すがるような情けない声だった。
男がそんな声出すな気持ち悪い、と思ったけど俺は機嫌が良いので「なんだ」と聞き返した。

「アイに、一華の時の記憶を取り戻させないでくれ」




ノアは泣きそうな、辛そうな、そんな表情かおをした。



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