30 / 36
30:手紙(未送信)
それは、偶然だった。
偶然であるほど、胸の奥に刺さる。
——見てはいけないものを見てしまった、と人は言う。
でも、見てはいけないものほど、なぜか“守りたいもの”の形をしている。
昼前。
リィナは当主の部屋へ呼ばれた。
呼んだのは当主ではなく執事だった。
「書類の束を整理する必要がございます。侍女長が手が離せず、あなたに頼みたい」
その頼み方は、必要以上に淡々としていた。
だからリィナは、深追いしないで頷いた。
「承知しました」
執事は一拍置いて付け足す。
「当主は不在です。——昼の外出です」
社交ではない。
だから追加枠ではない。
リィナは胸の奥で、安堵した自分を叱った。
(理由にしない)
終わり。
——当主の部屋は、昼の光が入っていた。
夜の弱い灯りの部屋とは違う。
窓が少し開けられ、空気が入れ替えられている。
机の上は整いすぎるほど整っていて、逆に当主らしい。
リィナは書類の束を抱えて机に近づいた。
棚に分類し、封筒をまとめ、紐を結び直す。
ただの仕事。
ただの雑務。
……なのに、視線が引き出しに行ってしまう。
引き出しの取っ手。
そこに、枠の紙が入っている。
灯りの設定の紙も、きっとそこだ。
(見ない)
見ない練習。
リィナは書類に集中しようとした。
だが、机の端に置かれた一冊の薄い帳面が目に入った。
表紙は無地。
書類用ではない。
そして、閉じられていない。——わずかに開いている。
(……なんだろう)
興味は、罪だ。
でも好奇心は、人の手を勝手に動かす。
リィナは指先を伸ばしかけて、止めた。
止めたのに、風が窓から入って、ページがふわりとめくれた。
めくれたページの上に、文字が並んでいた。
——整いすぎた字。
当主の字だ。
リィナの背中が冷たくなる。
(……手紙?)
紙には、宛名があった。
リィナへ
呼吸が止まった。
返事をしない代わりに、書かない。
そう決めたはずなのに。
彼は、書いている。
リィナは目を逸らそうとして、逸らせなかった。
文字が、目に刺さって離れない。
リィナへ
今日、社交ではない。
だから、お前は来ない。
それが正しい。
それでも、机の上の灯りが点いた。
(お前が思い出したのかもしれない、と考えるのは、禁じ手だ)
お前が俺の理由にならないように、
俺も、お前を理由にしないようにしている。
だが、理由にならないようにするほど、
“欲”が残る。
俺は、抱きしめたい。
だが、奪わない。
——ここまで書いて、破る。
そこで文章は途切れていた。
破る、と書いてあるのに、破れていない。
下書き。
未送信。
“禁じ手”の紙。
リィナの視界が滲んだ。
胸が苦しい。
でも、温かい。
(……残してる)
送らない。渡さない。
でも、書いてしまう。
その苦しさが、紙に残っている。
リィナは、そっと視線を落とした。
見てはいけない。
これ以上読めば、枠が崩れる。
——その時。
背後で、扉が開く音がした。
リィナは凍りついた。
執事ではない。
足音が、重い。
静かに歩こうとするのに、体重が乗る音。
当主だ。
リィナは反射的に帳面を閉じようとした。
だが、手が間に合わない。
当主の声が、低く落ちた。
「……何をしている」
リィナは震える手で帳面を閉じ、机に置いた。
嘘をつくと、もっと苦しくなる。
「……書類の整理を」
当主の足音が近づく。
机の端に置かれた帳面が、視界に入るはずだ。
当主は一拍黙り、低く言った。
「見たのか」
リィナの喉が鳴った。
枠。
枠を守る。
でもこれは、枠の外側にある当主の弱さだ。
踏んだら壊れる。
リィナは正直に頷いた。
「……はい。偶然、風で」
当主の息が止まった気配がした。
「……」
沈黙が長い。
屋敷の外の鳥の声さえ遠い。
当主の声が、少しだけ掠れた。
「それは、送るつもりのものじゃない」
「分かっています」
リィナはすぐ答えた。
責める気はない。
責めたら、彼は次から完全に隠す。
隠すほど、欲が強くなる。
当主が低く言う。
「読むな」
命令。
でも、震えている命令。
リィナは頷いた。
「……読みません。もう」
当主の足音が一歩、近づいた。
「……見られたくなかった」
リィナの胸が痛む。
「……ごめんなさい」
当主が短く言った。
「謝るな」
強い声ではない。
むしろ、謝られたら困る声。
当主は机の帳面を取り上げようとして、止めた。
その手が震えている。
(抱きしめたい手)
でも抱きしめない手。
当主は低く言った。
「返事をしないと決めた。——だから、渡さない」
リィナは息を吸った。
「……でも、書くんですね」
言ってしまった。
踏んだ。
でも、止まれなかった。
当主の目が、静かに揺れた。
「……書く」
短い。
「お前がいないと眠れない、と言った夜があった」
リィナの胸が詰まる。
当主は続ける。
「その夜から、言葉が喉に溜まる。……溜まると、眠れない」
言葉を吐き出す場所がない。
だから紙に落とす。
当主は、まるで自分を裁くように言う。
「書くのは、禁じ手だ。……お前の枠を揺らす」
リィナは小さく首を振った。
「……揺れません。揺れたのは、私が勝手に」
当主の目が、リィナを捉える。
逃げられない視線。
「揺れる」
当主は断言した。
「揺れるから、俺は渡さない。……だが、書く」
矛盾。
でも、その矛盾は彼の必死だ。
リィナは息を吐き、覚悟して言った。
「……なら、決めましょう」
当主の眉が僅かに動く。
「何を」
「禁じ手の枠を」
リィナは続けた。
「書くのは、止めなくていいです。……でも、私の目に触れない場所に置いてください」
当主の目が、ほんの少しだけ揺らぎを止めた。
「……それで、お前は鍵を持てるか」
また鍵。
この人は、鍵という言葉を持ち出すときだけ、少しだけ優しい。
リィナは頷いた。
「はい。……私は、見ない」
当主は一拍置き、低く言った。
「……分かった」
当主は帳面を手に取った。
そして、引き出しではなく、机の鍵付きの小箱に入れた。
普段、印章や貴重品を入れている箱。
鍵をかける音が、静かに鳴った。
当主は鍵をポケットに入れた。
自分が持つ鍵。
でも、リィナの鍵を奪わないための鍵。
当主は低く言った。
「これで、枠だ」
リィナは胸を押さえ、小さく頷いた。
「……ありがとうございます」
当主は少しだけ目を伏せた。
「礼はいらない。……これは俺の“弱さ”の処理だ」
処理。
彼らしい言い方。
でも、その処理の中に、痛いほどの欲がある。
リィナは書類を抱え直し、頭を下げた。
「仕事に戻ります」
当主は一拍置いて言った。
「……リィナ」
振り返る。
当主は淡々と、しかし少しだけ低い声で言った。
「見たなら、忘れろ」
忘れろ。
そんなの、できるわけがない。
リィナは、枠の中の正直を選んだ。
「……忘れません。でも、理由にはしません」
当主の目が、ほんの僅かに揺れ、そして落ち着いた。
「……それでいい」
それだけ言って、当主は窓の方を向いた。
背中が、少しだけ寂しい。
——その夜。
リィナの自室の机の上で、灯りが点いた。
深呼吸。
気持ちに名前。
(苦しい)
終わり。
……終わり、と唱えたのに、灯りは揺れて消えなかった。
当主の未送信の言葉が、胸の中で灯りになってしまったから。
返事をしない代わりに。
渡さない代わりに。
“欲”が紙に残る。
その紙を見てしまった日から、
灯りは少しだけ、消えにくくなった。
偶然であるほど、胸の奥に刺さる。
——見てはいけないものを見てしまった、と人は言う。
でも、見てはいけないものほど、なぜか“守りたいもの”の形をしている。
昼前。
リィナは当主の部屋へ呼ばれた。
呼んだのは当主ではなく執事だった。
「書類の束を整理する必要がございます。侍女長が手が離せず、あなたに頼みたい」
その頼み方は、必要以上に淡々としていた。
だからリィナは、深追いしないで頷いた。
「承知しました」
執事は一拍置いて付け足す。
「当主は不在です。——昼の外出です」
社交ではない。
だから追加枠ではない。
リィナは胸の奥で、安堵した自分を叱った。
(理由にしない)
終わり。
——当主の部屋は、昼の光が入っていた。
夜の弱い灯りの部屋とは違う。
窓が少し開けられ、空気が入れ替えられている。
机の上は整いすぎるほど整っていて、逆に当主らしい。
リィナは書類の束を抱えて机に近づいた。
棚に分類し、封筒をまとめ、紐を結び直す。
ただの仕事。
ただの雑務。
……なのに、視線が引き出しに行ってしまう。
引き出しの取っ手。
そこに、枠の紙が入っている。
灯りの設定の紙も、きっとそこだ。
(見ない)
見ない練習。
リィナは書類に集中しようとした。
だが、机の端に置かれた一冊の薄い帳面が目に入った。
表紙は無地。
書類用ではない。
そして、閉じられていない。——わずかに開いている。
(……なんだろう)
興味は、罪だ。
でも好奇心は、人の手を勝手に動かす。
リィナは指先を伸ばしかけて、止めた。
止めたのに、風が窓から入って、ページがふわりとめくれた。
めくれたページの上に、文字が並んでいた。
——整いすぎた字。
当主の字だ。
リィナの背中が冷たくなる。
(……手紙?)
紙には、宛名があった。
リィナへ
呼吸が止まった。
返事をしない代わりに、書かない。
そう決めたはずなのに。
彼は、書いている。
リィナは目を逸らそうとして、逸らせなかった。
文字が、目に刺さって離れない。
リィナへ
今日、社交ではない。
だから、お前は来ない。
それが正しい。
それでも、机の上の灯りが点いた。
(お前が思い出したのかもしれない、と考えるのは、禁じ手だ)
お前が俺の理由にならないように、
俺も、お前を理由にしないようにしている。
だが、理由にならないようにするほど、
“欲”が残る。
俺は、抱きしめたい。
だが、奪わない。
——ここまで書いて、破る。
そこで文章は途切れていた。
破る、と書いてあるのに、破れていない。
下書き。
未送信。
“禁じ手”の紙。
リィナの視界が滲んだ。
胸が苦しい。
でも、温かい。
(……残してる)
送らない。渡さない。
でも、書いてしまう。
その苦しさが、紙に残っている。
リィナは、そっと視線を落とした。
見てはいけない。
これ以上読めば、枠が崩れる。
——その時。
背後で、扉が開く音がした。
リィナは凍りついた。
執事ではない。
足音が、重い。
静かに歩こうとするのに、体重が乗る音。
当主だ。
リィナは反射的に帳面を閉じようとした。
だが、手が間に合わない。
当主の声が、低く落ちた。
「……何をしている」
リィナは震える手で帳面を閉じ、机に置いた。
嘘をつくと、もっと苦しくなる。
「……書類の整理を」
当主の足音が近づく。
机の端に置かれた帳面が、視界に入るはずだ。
当主は一拍黙り、低く言った。
「見たのか」
リィナの喉が鳴った。
枠。
枠を守る。
でもこれは、枠の外側にある当主の弱さだ。
踏んだら壊れる。
リィナは正直に頷いた。
「……はい。偶然、風で」
当主の息が止まった気配がした。
「……」
沈黙が長い。
屋敷の外の鳥の声さえ遠い。
当主の声が、少しだけ掠れた。
「それは、送るつもりのものじゃない」
「分かっています」
リィナはすぐ答えた。
責める気はない。
責めたら、彼は次から完全に隠す。
隠すほど、欲が強くなる。
当主が低く言う。
「読むな」
命令。
でも、震えている命令。
リィナは頷いた。
「……読みません。もう」
当主の足音が一歩、近づいた。
「……見られたくなかった」
リィナの胸が痛む。
「……ごめんなさい」
当主が短く言った。
「謝るな」
強い声ではない。
むしろ、謝られたら困る声。
当主は机の帳面を取り上げようとして、止めた。
その手が震えている。
(抱きしめたい手)
でも抱きしめない手。
当主は低く言った。
「返事をしないと決めた。——だから、渡さない」
リィナは息を吸った。
「……でも、書くんですね」
言ってしまった。
踏んだ。
でも、止まれなかった。
当主の目が、静かに揺れた。
「……書く」
短い。
「お前がいないと眠れない、と言った夜があった」
リィナの胸が詰まる。
当主は続ける。
「その夜から、言葉が喉に溜まる。……溜まると、眠れない」
言葉を吐き出す場所がない。
だから紙に落とす。
当主は、まるで自分を裁くように言う。
「書くのは、禁じ手だ。……お前の枠を揺らす」
リィナは小さく首を振った。
「……揺れません。揺れたのは、私が勝手に」
当主の目が、リィナを捉える。
逃げられない視線。
「揺れる」
当主は断言した。
「揺れるから、俺は渡さない。……だが、書く」
矛盾。
でも、その矛盾は彼の必死だ。
リィナは息を吐き、覚悟して言った。
「……なら、決めましょう」
当主の眉が僅かに動く。
「何を」
「禁じ手の枠を」
リィナは続けた。
「書くのは、止めなくていいです。……でも、私の目に触れない場所に置いてください」
当主の目が、ほんの少しだけ揺らぎを止めた。
「……それで、お前は鍵を持てるか」
また鍵。
この人は、鍵という言葉を持ち出すときだけ、少しだけ優しい。
リィナは頷いた。
「はい。……私は、見ない」
当主は一拍置き、低く言った。
「……分かった」
当主は帳面を手に取った。
そして、引き出しではなく、机の鍵付きの小箱に入れた。
普段、印章や貴重品を入れている箱。
鍵をかける音が、静かに鳴った。
当主は鍵をポケットに入れた。
自分が持つ鍵。
でも、リィナの鍵を奪わないための鍵。
当主は低く言った。
「これで、枠だ」
リィナは胸を押さえ、小さく頷いた。
「……ありがとうございます」
当主は少しだけ目を伏せた。
「礼はいらない。……これは俺の“弱さ”の処理だ」
処理。
彼らしい言い方。
でも、その処理の中に、痛いほどの欲がある。
リィナは書類を抱え直し、頭を下げた。
「仕事に戻ります」
当主は一拍置いて言った。
「……リィナ」
振り返る。
当主は淡々と、しかし少しだけ低い声で言った。
「見たなら、忘れろ」
忘れろ。
そんなの、できるわけがない。
リィナは、枠の中の正直を選んだ。
「……忘れません。でも、理由にはしません」
当主の目が、ほんの僅かに揺れ、そして落ち着いた。
「……それでいい」
それだけ言って、当主は窓の方を向いた。
背中が、少しだけ寂しい。
——その夜。
リィナの自室の机の上で、灯りが点いた。
深呼吸。
気持ちに名前。
(苦しい)
終わり。
……終わり、と唱えたのに、灯りは揺れて消えなかった。
当主の未送信の言葉が、胸の中で灯りになってしまったから。
返事をしない代わりに。
渡さない代わりに。
“欲”が紙に残る。
その紙を見てしまった日から、
灯りは少しだけ、消えにくくなった。
あなたにおすすめの小説
【完結】無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない
ベル
恋愛
旦那様とは政略結婚。
公爵家の次期当主であった旦那様と、領地の経営が悪化し、没落寸前の伯爵令嬢だった私。
旦那様と結婚したおかげで私の家は安定し、今では昔よりも裕福な暮らしができるようになりました。
そんな私は旦那様に感謝しています。
無口で何を考えているか分かりにくい方ですが、とてもお優しい方なのです。
そんな二人の日常を書いてみました。
お読みいただき本当にありがとうございますm(_ _)m
無事完結しました!
側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません!
花瀬ゆらぎ
恋愛
「おまえには、国王陛下の側妃になってもらう」
婚約者と親友に裏切られ、傷心の伯爵令嬢イリア。
追い打ちをかけるように父から命じられたのは、若き国王フェイランの側妃になることだった。
しかし、王宮で待っていたのは、「世継ぎを産んだら離縁」という非情な条件。
夫となったフェイランは冷たく、侍女からは蔑まれ、王妃からは「用が済んだら去れ」と突き放される。
けれど、イリアは知ってしまう。 彼が兄の死と誤解に苦しみ、誰よりも孤独の中にいることを──。
「私は、陛下の幸せを願っております。だから……離縁してください」
フェイランを想い、身を引こうとしたイリア。
しかし、無関心だったはずの陛下が、イリアを強く抱きしめて……!?
「離縁する気か? 許さない。私の心を乱しておいて、逃げられると思うな」
凍てついた王の心を溶かしたのは、売られた側妃の純真な愛。
孤独な陛下に執着され、正妃へと昇り詰める逆転ラブロマンス!
【完結】モブのメイドが腹黒公爵様に捕まりました
ベル
恋愛
皆さまお久しぶりです。メイドAです。
名前をつけられもしなかった私が主人公になるなんて誰が思ったでしょうか。
ええ。私は今非常に困惑しております。
私はザーグ公爵家に仕えるメイド。そして奥様のソフィア様のもと、楽しく時に生温かい微笑みを浮かべながら日々仕事に励んでおり、平和な生活を送らせていただいておりました。
...あの腹黒が現れるまでは。
『無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない』のサイドストーリーです。
個人的に好きだった二人を今回は主役にしてみました。
【完結】冷徹執事は、つれない侍女を溺愛し続ける。
たまこ
恋愛
公爵の専属執事ハロルドは、美しい容姿に関わらず氷のように冷徹であり、多くの女性に思いを寄せられる。しかし、公爵の娘の侍女ソフィアだけは、ハロルドに見向きもしない。
ある日、ハロルドはソフィアの真っ直ぐすぎる内面に気付き、恋に落ちる。それからハロルドは、毎日ソフィアを口説き続けるが、ソフィアは靡いてくれないまま、五年の月日が経っていた。
※『王子妃候補をクビになった公爵令嬢は、拗らせた初恋の思い出だけで生きていく。』のスピンオフ作品ですが、こちらだけでも楽しめるようになっております。
冷酷騎士様の「愛さない」は一分も持たなかった件
良綏
恋愛
「君を愛するつもりはない」
結婚初夜、帝国最強の冷酷騎士ヴォルフラム・ツヴァルト公爵はそう言い放った。
出来損ないと蔑まれ、姉の代わりの生贄として政略結婚に差し出されたリーリア・ミラベルにとって、それはむしろ救いだった。
愛を期待されないのなら、失望させることもない。
契約妻として静かに役目を果たそうとしたリーリアは、緩んだ軍服のボタンを自らの銀髪と微弱な強化魔法で直す。
ただ「役に立ちたい」という一心だった。
――その瞬間。
冷酷騎士の情緒が崩壊した。
「君は、自分の価値を分かっていない」
開始一分で愛さない宣言は撤回。
無自覚に自己評価が低い妻に、激重独占欲を発症した最強騎士が爆誕する。
以後、
寝室は強制統合
常時抱っこ移動
一秒ごとに更新される溺愛
妻を傷つける者には容赦なし宣言
甘さ過多、独占欲過剰、愛情暴走中。
さらにはリーリアを取り戻そうとする実家の横槍まで入り――?
自己評価ゼロの健気令嬢と愛が一分も我慢できなかった最強騎士。
溺愛が止まらない、契約結婚から始まる甘すぎる逆転ラブコメ
「氷の公爵子息は、平凡令嬢を手放さない」
白瀬しおん
恋愛
ただぶつかっただけのはずだった。
なのに気づけば、氷の公爵子息は隣に座り、手を取り、名前を呼ぶ。
そして——
「逃げてもいい。でも、逃げ切れない」
平凡令嬢を静かに囲い込む、逃げ場なしの溺愛。
最後に待つのは、拒否権のない婚約だった。
※初投稿のため、至らない点があるかもしれませんが、温かく見守っていただけると嬉しいです。
【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件
三谷朱花*Q−73@文フリ東京5/4
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。
※アルファポリスのみの公開です。
生贄として捧げられた「忌み子」の私、あやかし皇帝の薬膳料理番になります ~呪いで拒食症の白虎陛下は、私のおかゆに胃袋を掴まれたようです~
腐ったバナナ
恋愛
実家の「一条家」で霊力なしの忌み子として虐げられてきた凛。生贄としてあやかしの国・天厳国へ捧げられた彼女を待っていたのは、呪いによって食事がすべて「泥の味」に変わる孤独な白虎皇帝・白曜だった。
死を覚悟した凛だったが、前世で培った「管理栄養士」の知識は、あやかしの国では伝説の「浄化の力」として目醒める!
最高級の出汁、完璧な栄養バランス、そして食べる者を想う真心。凛が作る一杯の「黄金の粥」が、数年間不食だった王の味覚を劇的に呼び起こした。
「美味い。……泥ではない味がする」
胃袋を掴まれた皇帝の態度は一変。冷酷な暴君から、凛を誰にも触れさせたくない「超絶過保護な独占欲の塊」へと豹変してしまい……!?
嫌がらせをする後宮の妃や、手の平を返して擦り寄る実家を「料理」と「陛下からの愛」で一掃する、美味しくて爽快な異世界中華風ファンタジー。