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第6話 仮配属契約
午前の鐘が一つ。作戦室の机上に、呼出札が雪のように積もっていた。
宛先はどれも——温度調律補助員 ソラナ・ベル 殿。
「……式典課より“晩餐会ミントの温度監修”依頼、文芸局より“朗読会用・声帯の甘味調整”依頼、財務室より“決算週の蜂蜜塩配備”依頼。加えて——“港湾派非公式サロン”からの招待状?」
最後の札をつまんだアークトの指先が、ほとんど見えないほど微かに止まる。
ヨナスが肩をすくめた。「人気、出ましたね。参謀の人事権、問われますよ」
「問われる前に、決める。——ソラナはどこだ」
「温室。ミントを“かわいく刈る”練習中です」
“かわいく”に必要性はない、と言いかけてやめた。必要性の定義は、昨日から少し変わった気がする。
アークトは呼出札を一枚残らず束ね、東回廊を上る。
*
温室は、葉の影が踊っていた。ソラナはミントの上葉を指で弾き、香りを確かめている。
アークトが近づくと、彼女はぱっと顔を上げ、いつもの光で見上げた。
「参謀。今日の猫舌温、柑橘を少しだけ弱めました。市場の人の舌が疲れてる日なので」
「適切だ。——それとは別件だ」
呼出札の束を見せると、ソラナは目を丸くする。「わぁ……こんなに? でも、作戦室を優先しないと——」
「優先、ではない。所掌だ」
アークトは言葉を選び、短く続けた。
「今から文印局へ行く。“作戦室付 温度調律補助官(臨時)”として、仮配属契約を結ぶ。動線・安全・機密保全の責は私が負う。出動要請は、私を通せ」
「かり……はい。えっと、それは——わたしが、参謀のところに“いる”っていう、札?」
「札、だ。首に下げるものと、局に残すもの、二つ作る」
ソラナは一瞬だけ、喉に手を当てて首飾りの位置を想像する。
そして、少し照れた笑いで言った。
「首輪、みたいですね」
「違う」
即答。音が硬すぎたか、と自覚した瞬間、彼女の指が眉間に置くだけ触れた。予告むにっよりも軽い、温度の印。
「安全の札、ですよね。——行きましょう」
*
文印局は石の匂いと古いインクの匂いが混ざっている。
レア王女が既に待っていた。「来ると思ってたわ。港湾派の招待状、もう届いたでしょう?」
「処理する」アークトは手短に答え、局員へ書式を示す。「仮配属契約。任命権者は王女殿下。責任者は私。任期は十日ごとに自動更新、見直し条項付き。通行は東回廊・保管庫棟・作戦室への直線優先。護衛一名常付」
「印章はどれに?」局員が棚からいくつかの“印”を出す。
葉の意匠、太陽の意匠、風の意匠——アークトは迷わず楕円の葉を取った。
「これだ。“角を落とす職掌”に相応しい」
ソラナが小さく笑う。「うれしい。かわい——素敵です」
王女が書面に視線を落とし、すらりと署名する。「はい、任命。アークト、責任は重いわよ?」
「承知」
局員が首札を仕上げる間、ソラナは署名欄に震えない手で名前を書いた。
ただ、ペン先を置く瞬間、彼女は親指の腹を一度見つめる。
「爪、土がちょっと……」
「貸せ」
アークトは懐から布を出し、彼女の親指をそっと包んで拭った。香りが近い。彼自身の心拍が、わずかに増える。
ソラナは目を瞬き、くすりと笑う。
「参謀の布、よく働きますね」
「布が働いている」
局員が「できました」と差し出した首札は、薄い革に葉の印が押されたもの。留め具は光の少ない銀。
アークトは紐の長さを確かめ、ソラナの後ろへ回る。
「——失礼する」
髪をそっと持ち上げ、首の後ろで結び目を作る。指先が一度、彼女の肌の温度を拾う。
近すぎる距離に、アークトは自分の呼吸を一段浅くした。
「苦しくないか」
「大丈夫。……あの、少し、あったかいです」
首札が鎖骨に触れる。葉の印が光を受けて、かすかに揺れた。
王女が満足げに頷く。「はい、これで、所掌は明確。横取りは不可。依頼が来たらアークトへ回してね、ソラナ」
「はい!」
*
局を出ると、ちょうど向こうから式典課の書記官が駆け寄ってきた。
「温室の方! 晩餐会のミントを——」
「依頼窓口は私だ」とアークト。
「ひっ、はい、参謀! では、正式な書面で」
書記官が退くと、今度は廊下の角でディルク侯と鉢合わせた。
彼は視線を首札に落とし、口角を少しだけ上げる。
「葉の印、似合っている。——招待状は撤回しよう。港湾派の連中は、彼女を“飾り”にしがちだ。作戦室の“職務”のほうが、百倍いい顔をする」
「助かる」
「ただし、名だけ貸せ。“猫舌温”協賛:港湾派、と。費用だけ負担する」
アークトは短く考え、頷いた。「費用だけなら許す。叙情は入れるな」
「はは。君は本当に叙情が嫌いだな」
ディルクは手を振り、去っていく。
ソラナがアークトを見上げる。「参謀、叙情、ちょっとだけ好きになってきてません?」
「職務に必要な分だけだ」
答えが硬いのは、自衛だ。
温室へ戻る途中、ソラナが首札を指で軽く押さえた。
「これ、あると、安心します。……迷子札みたいで」
「迷子になったら、すぐ拾いに行く」
口に出た瞬間、アークトは自分で驚く。
ソラナは、目を丸くして、すぐに笑った。
「じゃあ、迷子にならないように、ここ(眉間)に予告むにっの印、つけておきますね」
「会議外の新設印は、申請が——」
「——今、申請が通りました」
どこからともなく現れた王女が、扉の陰で親指を立てて去っていく。
ヨナスが小声で「上が承認しちゃった」と笑い、業務メモに“仮配属契約・運用開始”と記す。
*
午後。作戦室に戻ると、呼出札の山は消えていた。全部、参謀宛に転送済。
ソラナは配膳の準備をしながら、首札を軽く叩く。
「参謀、これ、重たくないです」
「軽く作った」
「気持ちは、重たいですか?」
「——必要な重さだ」
言った途端、彼女の両手が、そっと彼の頬へ伸びる。
むにっ。今日は、本番だ。会議前の一秒だけ。
「難しい顔、禁止です。札の重さは、二人で持つと軽いですよ」
理屈は固体。関係は温度。
アークトは一秒だけむにっとされ、彼女の手をやわらかく外す。
「……許容範囲だ。——ただし、人前は控えろ」
「はい。参謀の“控えろ”、覚えました」
その時、扉の外から「ソラナ嬢——!」という別部署の声が重なる。
アークトは扉に向き直り、冷たい声で宣言した。
「依頼は私を通せ。温度は、勝手に上げない。順番を守れ」
廊下の気配が静かに退く。作戦室の空気は、壁を傷つけず、内側だけ広がった。
ヨナスが欄外メモをひらひらさせる。
「参謀。嫉妬という現象、議事録にどう表記します?」
「“資源の無秩序流出に対する是正”。叙情を抜け」
「了解。……でも、顔は、叙情入りです」
アークトは視線だけで黙らせ、配膳の湯気に目を落とした。
最短の平和は、契約という固体で担保された。
——最長の恋は、葉の札の軽さで、少しだけ進んだ。
彼は胸の帳尻に、新しい行を一本。
「守るための札は、束縛ではなく“居場所”である」。
——その居場所に、彼が誰より先に座りたい、と願ったことは、まだ議事録に残さない。
宛先はどれも——温度調律補助員 ソラナ・ベル 殿。
「……式典課より“晩餐会ミントの温度監修”依頼、文芸局より“朗読会用・声帯の甘味調整”依頼、財務室より“決算週の蜂蜜塩配備”依頼。加えて——“港湾派非公式サロン”からの招待状?」
最後の札をつまんだアークトの指先が、ほとんど見えないほど微かに止まる。
ヨナスが肩をすくめた。「人気、出ましたね。参謀の人事権、問われますよ」
「問われる前に、決める。——ソラナはどこだ」
「温室。ミントを“かわいく刈る”練習中です」
“かわいく”に必要性はない、と言いかけてやめた。必要性の定義は、昨日から少し変わった気がする。
アークトは呼出札を一枚残らず束ね、東回廊を上る。
*
温室は、葉の影が踊っていた。ソラナはミントの上葉を指で弾き、香りを確かめている。
アークトが近づくと、彼女はぱっと顔を上げ、いつもの光で見上げた。
「参謀。今日の猫舌温、柑橘を少しだけ弱めました。市場の人の舌が疲れてる日なので」
「適切だ。——それとは別件だ」
呼出札の束を見せると、ソラナは目を丸くする。「わぁ……こんなに? でも、作戦室を優先しないと——」
「優先、ではない。所掌だ」
アークトは言葉を選び、短く続けた。
「今から文印局へ行く。“作戦室付 温度調律補助官(臨時)”として、仮配属契約を結ぶ。動線・安全・機密保全の責は私が負う。出動要請は、私を通せ」
「かり……はい。えっと、それは——わたしが、参謀のところに“いる”っていう、札?」
「札、だ。首に下げるものと、局に残すもの、二つ作る」
ソラナは一瞬だけ、喉に手を当てて首飾りの位置を想像する。
そして、少し照れた笑いで言った。
「首輪、みたいですね」
「違う」
即答。音が硬すぎたか、と自覚した瞬間、彼女の指が眉間に置くだけ触れた。予告むにっよりも軽い、温度の印。
「安全の札、ですよね。——行きましょう」
*
文印局は石の匂いと古いインクの匂いが混ざっている。
レア王女が既に待っていた。「来ると思ってたわ。港湾派の招待状、もう届いたでしょう?」
「処理する」アークトは手短に答え、局員へ書式を示す。「仮配属契約。任命権者は王女殿下。責任者は私。任期は十日ごとに自動更新、見直し条項付き。通行は東回廊・保管庫棟・作戦室への直線優先。護衛一名常付」
「印章はどれに?」局員が棚からいくつかの“印”を出す。
葉の意匠、太陽の意匠、風の意匠——アークトは迷わず楕円の葉を取った。
「これだ。“角を落とす職掌”に相応しい」
ソラナが小さく笑う。「うれしい。かわい——素敵です」
王女が書面に視線を落とし、すらりと署名する。「はい、任命。アークト、責任は重いわよ?」
「承知」
局員が首札を仕上げる間、ソラナは署名欄に震えない手で名前を書いた。
ただ、ペン先を置く瞬間、彼女は親指の腹を一度見つめる。
「爪、土がちょっと……」
「貸せ」
アークトは懐から布を出し、彼女の親指をそっと包んで拭った。香りが近い。彼自身の心拍が、わずかに増える。
ソラナは目を瞬き、くすりと笑う。
「参謀の布、よく働きますね」
「布が働いている」
局員が「できました」と差し出した首札は、薄い革に葉の印が押されたもの。留め具は光の少ない銀。
アークトは紐の長さを確かめ、ソラナの後ろへ回る。
「——失礼する」
髪をそっと持ち上げ、首の後ろで結び目を作る。指先が一度、彼女の肌の温度を拾う。
近すぎる距離に、アークトは自分の呼吸を一段浅くした。
「苦しくないか」
「大丈夫。……あの、少し、あったかいです」
首札が鎖骨に触れる。葉の印が光を受けて、かすかに揺れた。
王女が満足げに頷く。「はい、これで、所掌は明確。横取りは不可。依頼が来たらアークトへ回してね、ソラナ」
「はい!」
*
局を出ると、ちょうど向こうから式典課の書記官が駆け寄ってきた。
「温室の方! 晩餐会のミントを——」
「依頼窓口は私だ」とアークト。
「ひっ、はい、参謀! では、正式な書面で」
書記官が退くと、今度は廊下の角でディルク侯と鉢合わせた。
彼は視線を首札に落とし、口角を少しだけ上げる。
「葉の印、似合っている。——招待状は撤回しよう。港湾派の連中は、彼女を“飾り”にしがちだ。作戦室の“職務”のほうが、百倍いい顔をする」
「助かる」
「ただし、名だけ貸せ。“猫舌温”協賛:港湾派、と。費用だけ負担する」
アークトは短く考え、頷いた。「費用だけなら許す。叙情は入れるな」
「はは。君は本当に叙情が嫌いだな」
ディルクは手を振り、去っていく。
ソラナがアークトを見上げる。「参謀、叙情、ちょっとだけ好きになってきてません?」
「職務に必要な分だけだ」
答えが硬いのは、自衛だ。
温室へ戻る途中、ソラナが首札を指で軽く押さえた。
「これ、あると、安心します。……迷子札みたいで」
「迷子になったら、すぐ拾いに行く」
口に出た瞬間、アークトは自分で驚く。
ソラナは、目を丸くして、すぐに笑った。
「じゃあ、迷子にならないように、ここ(眉間)に予告むにっの印、つけておきますね」
「会議外の新設印は、申請が——」
「——今、申請が通りました」
どこからともなく現れた王女が、扉の陰で親指を立てて去っていく。
ヨナスが小声で「上が承認しちゃった」と笑い、業務メモに“仮配属契約・運用開始”と記す。
*
午後。作戦室に戻ると、呼出札の山は消えていた。全部、参謀宛に転送済。
ソラナは配膳の準備をしながら、首札を軽く叩く。
「参謀、これ、重たくないです」
「軽く作った」
「気持ちは、重たいですか?」
「——必要な重さだ」
言った途端、彼女の両手が、そっと彼の頬へ伸びる。
むにっ。今日は、本番だ。会議前の一秒だけ。
「難しい顔、禁止です。札の重さは、二人で持つと軽いですよ」
理屈は固体。関係は温度。
アークトは一秒だけむにっとされ、彼女の手をやわらかく外す。
「……許容範囲だ。——ただし、人前は控えろ」
「はい。参謀の“控えろ”、覚えました」
その時、扉の外から「ソラナ嬢——!」という別部署の声が重なる。
アークトは扉に向き直り、冷たい声で宣言した。
「依頼は私を通せ。温度は、勝手に上げない。順番を守れ」
廊下の気配が静かに退く。作戦室の空気は、壁を傷つけず、内側だけ広がった。
ヨナスが欄外メモをひらひらさせる。
「参謀。嫉妬という現象、議事録にどう表記します?」
「“資源の無秩序流出に対する是正”。叙情を抜け」
「了解。……でも、顔は、叙情入りです」
アークトは視線だけで黙らせ、配膳の湯気に目を落とした。
最短の平和は、契約という固体で担保された。
——最長の恋は、葉の札の軽さで、少しだけ進んだ。
彼は胸の帳尻に、新しい行を一本。
「守るための札は、束縛ではなく“居場所”である」。
——その居場所に、彼が誰より先に座りたい、と願ったことは、まだ議事録に残さない。
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