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第1話 読めない司書
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王立図書館は、思っていたよりも静かだった。
高い天井を支える白い柱。
壁一面に並ぶ本棚は、まるで森のように暗く深い。
窓から射す朝の光が、粉塵を細い光の筋に変えて、床の上に落としていた。
(……ここには、数字が少ない)
アリアはそっと息を吐いた。
広い閲覧室には、ちらほらと人がいる。
けれど、舞踏会や社交界のような、ぎらぎらとした「見栄」や「競争心」はあまり浮かんでいない。
——集中度70。
——好奇心55。
——眠気40。
そんな、どこか穏やかな数字ばかりだ。
(悪くないわね)
アリアは受付に向かい、カウンター越しに微笑んだ。
「失礼いたします。特別閲覧の許可書をお持ちしました」
受付にいた司書の女性の頭上に、「驚き度25」「緊張度31」が浮かぶ。
「まぁ。エルネル家のご令嬢……ですね。書類を確認いたします」
慣れた手つきで許可書を受け取った女性は、やがて小さく頷いた。
「確かに。では、本日のご案内役をお呼びしますので、少々お待ちくださいませ」
「ありがとうございます」
アリアはにこりと礼を言い、ふと視線を巡らせた。
書棚の向こうにある「司書用カウンター」。そこにひとり、背の高い青年の気配が見える。
栗色の髪はふんわりと空気を纏い、眼鏡の奥の瞳は静かな色をしていた。
きちんと着られた制服の袖口から、白い指先が覗いている。
(あの方かしら)
受付の女性が声を上げた。
「ユリウスさん。特別閲覧のご案内をお願いできますか?」
「はい」
短く返事をして、青年——ユリウスは顔を上げた。
その瞬間、アリアはいつものように“視て”しまった。
(さぁて、どんな数字かしら——)
頭のすぐ上に浮かぶはずの、好感度だとか、警戒度だとか。
あるいは、少しは気後れしてくれているかどうか。
目をこらした、その刹那。
「…………あれ?」
何も、浮かばなかった。
正確に言うと、「何も」ではない。
ただ、いつもみたいな細かい数値ではなく、ぼんやりした霧のようなものがあった。
——静か。
——落ち着き。
——………
言葉になりきらない、淡い波紋がひとつ、ふたつ。
それだけ。
(どういうこと?)
思わず目を瞬くアリアの前まで、ユリウスが歩いてきた。
近づけば近づくほど、彼のまわりは静かだった。数字のざわめきが、ほとんど聞こえない。
「はじめまして。司書の、ユリウス・ノアと申します」
穏やかな声だった。
丁寧な口調だが、どこか柔らかい。
アリアは、慌てて笑顔を整える。
「ご案内、ありがとうございます。アリア・エルネルと申します。本日は、占術に関する古文書について、少しお伺いしたくて」
「承りました。閲覧希望の資料名はお聞きしてもよろしいでしょうか?」
ユリウスの瞳が、まっすぐこちらを見つめる。
その黒に、アリアは一瞬だけ「観察度60」みたいな数字を探そうとして——やっぱり見つけられなかった。
(おかしいわ)
平静を装いながらも、内心はざわついていく。
これまでの人生で、誰かの「思考の数字」が読めなかったことは、ほとんどない。
ごく稀に、極端に感情を抑え込んでいる人の数字が霞むことはあったが、それでもまったく何も見えない、なんてことは——。
「アリア様?」
「あ……申し訳ありません。少し、考え事をしてしまって」
自分でも驚くほど、返事が遅れた。
ユリウスは気にした様子もなく、ただ首を傾げる。
「お疲れでしたら、先に椅子にお掛けになりますか? 許可書だけお預かりして、こちらで探してまいります」
その頭上で、ふんわりと一語だけが浮かんだ。
——気遣い。
(……本当に、わからない)
数字がないと、世界はこんなにも不安定に見えるのか。
アリアは思わず、足元を確かめるように靴先を揃えた。
「いえ、大丈夫ですわ。一緒に向かわせていただいても?」
「もちろんです。では、こちらへ」
ユリウスが少しだけ身を引き、アリアが歩きやすいように通路を空けた。
それは、ごく自然な所作だった。
「こうしておけば好感度が上がる」とか、「礼儀として正しい」という計算の匂いがしない。ただ——そうするのが当たり前、というような。
(……計算していない、のよね)
そう思った途端、胸のどこかがそわそわし始める。
書棚のあいだを抜け、特別閲覧室へ向かう途中、アリアは気づかれないようにユリウスを盗み見た。
歩幅は大きいのに、決してアリアを置いていかない。
角を曲がるときには、さりげなく手を伸ばして、アリアがぶつからないように本棚から守る。
「段差がありますので、お足元にお気をつけください」
「ありがとうございます」
その言葉を聞くたびに、アリアの頭上に小さく数字が浮かぶ。
——安心度+2。
——好感度+1。
(……わたくしの数字は、ちゃんと動くのね)
自分自身の数字が見えることは滅多にない。
でも今は、胸の内でちいさなメーターがじりじりと増えていく感覚があった。
特別閲覧室に到着すると、ユリウスは扉を開けてから、アリアのほうへ手を差し向けた。
「どうぞ」
「……失礼いたします」
部屋の中は、さらに静かだった。
長机と椅子がいくつか並び、壁際の棚には古い装丁の本が整然と並んでいる。
「占術に関する古文書とのことでしたね。具体的な分野はお決まりでしょうか?」
「その……」
アリアは一瞬、迷った。
自分の能力に関する手がかりがほしい。
そう思ってここへ来たが、それをそのまま口に出せるほど、彼女は無防備ではない。
(本当のことを言うわけにはいかないけれど——)
少しだけ、言葉を選ぶ。
「人の“心の動き”に関する占術や、思考の流れを見る術式について、知りたくて」
ユリウスは「なるほど」と小さく頷く。
「でしたら、いくつか候補がございます。お待ちいただければ、こちらでお持ちします」
「わたくしもご一緒しても?」
「本棚が少し高い位置にありますので……。危険でなければ良いのですが」
アリアは思わず微笑んだ。
「お気遣い、ありがとうございます。では、椅子をお借りしてお待ちしておりますわ」
ユリウスは軽く会釈し、静かな足音を残して部屋を出ていった。
扉が閉まると同時に、アリアは深く息を吐き出す。
「…………」
誰もいない。
数字も少ない。
心臓の鼓動が、やけに大きく聞こえた。
(どういう人なのかしら、あの方は)
アリアの頭の中で、思考が高速で回り始める。
数字が読めない。
でも、言葉の端々から感じる、丁寧さと優しさ。
習慣になっているようなさりげない気遣い。
(“天然”と言われるタイプ、かもしれないわね)
社交界にも、時々いる。
計算していないのに、なぜか人から好かれてしまう人。
本人は何も考えていないように見えて、実は一番、周囲に良い影響を与えている人。
(でも——)
アリアは扇をぎゅっと握りしめた。
(計算していない人なんて、信用できない)
人は変わる。
気分も、都合も、状況も。
だからこそアリアは、数字を信じてきた。
目に見えない心を、少しでも形に近づけておきたかった。
(なのに、あの方の数字は、見えない)
静か。
落ち着き。
そして——ほんのりと、あたたかい何か。
その“あたたかい何か”に、アリアの胸の奥が、じんわりと熱を帯びる。
「……いやな予感がするわ」
思わず、独り言がこぼれた。
「何か、問題がございましたか?」
「っ——!?」
突然返ってきた声に、アリアは思わず椅子から跳ね上がりそうになった。
振り向くと、いつの間にかユリウスが扉のところに立っていた。
腕には数冊の本が抱えられている。
(気配、気づかなかった……!)
驚き指数90。
恥ずかしさ75。
動揺度88。
自分の数字が一気に跳ね上がったのを、アリアはありありと感じた。
「も、問題なんてありませんわ。ただ、少し考え事をしていただけでして」
「そうですか。失礼いたしました。扉を、もう少し音を立てて開けたほうがよろしかったですね」
ユリウスは淡々と言いながら本を机に置いた。
その言葉の中にも、「責める」数字はひとつも見えない。
「こちらが、心の動きに関する占術の古文書になります。こちらは少し難解ですが、読み解き甲斐があると思います」
「ありがとうございます」
アリアは椅子から立ち上がり、本の背表紙を眺める。
古めかしい文字で綴られた題名が、目の前で重なり合う。
(……ここに、わたくしの“答え”があるのかしら)
そんなことを考えていると、不意にユリウスの声がした。
「アリア様」
「はい?」
「先ほどから、少しだけ顔色が優れないように見えます。……無理はなさらないでくださいね」
アリアは、はっとした。
彼の頭上には、やはり数字は浮かばない。
その代わり、瞳の奥に真っ直ぐな心配が宿っている。
「図書館は、逃げませんから。
今日でなくても、またいつでもいらしてください」
柔らかい声音。
それなのに、言葉には揺らぎがなくて、妙に胸に残る。
アリアは、ゆっくりと微笑んだ。
「……ありがとうございます。では、少しだけ甘えさせていただきますわ」
数字がなければ、答えは計算できない。
でも——
今、胸の中でふくらんでいる何かは、きっと数字にしなくてもわかる。
(わたくしは今、この人のことを——)
興味を持っている。
恐れている。
そして少しだけ、知りたいと思っている。
その全てをまとめてしまえば、たぶんひとつの言葉になるのだろう。
(きっと、これは——)
まだ名前のつかない“誤差”の始まり。
心読み令嬢の、計算外の物語は、静かな図書館の片隅で、そっと幕を開けた。
高い天井を支える白い柱。
壁一面に並ぶ本棚は、まるで森のように暗く深い。
窓から射す朝の光が、粉塵を細い光の筋に変えて、床の上に落としていた。
(……ここには、数字が少ない)
アリアはそっと息を吐いた。
広い閲覧室には、ちらほらと人がいる。
けれど、舞踏会や社交界のような、ぎらぎらとした「見栄」や「競争心」はあまり浮かんでいない。
——集中度70。
——好奇心55。
——眠気40。
そんな、どこか穏やかな数字ばかりだ。
(悪くないわね)
アリアは受付に向かい、カウンター越しに微笑んだ。
「失礼いたします。特別閲覧の許可書をお持ちしました」
受付にいた司書の女性の頭上に、「驚き度25」「緊張度31」が浮かぶ。
「まぁ。エルネル家のご令嬢……ですね。書類を確認いたします」
慣れた手つきで許可書を受け取った女性は、やがて小さく頷いた。
「確かに。では、本日のご案内役をお呼びしますので、少々お待ちくださいませ」
「ありがとうございます」
アリアはにこりと礼を言い、ふと視線を巡らせた。
書棚の向こうにある「司書用カウンター」。そこにひとり、背の高い青年の気配が見える。
栗色の髪はふんわりと空気を纏い、眼鏡の奥の瞳は静かな色をしていた。
きちんと着られた制服の袖口から、白い指先が覗いている。
(あの方かしら)
受付の女性が声を上げた。
「ユリウスさん。特別閲覧のご案内をお願いできますか?」
「はい」
短く返事をして、青年——ユリウスは顔を上げた。
その瞬間、アリアはいつものように“視て”しまった。
(さぁて、どんな数字かしら——)
頭のすぐ上に浮かぶはずの、好感度だとか、警戒度だとか。
あるいは、少しは気後れしてくれているかどうか。
目をこらした、その刹那。
「…………あれ?」
何も、浮かばなかった。
正確に言うと、「何も」ではない。
ただ、いつもみたいな細かい数値ではなく、ぼんやりした霧のようなものがあった。
——静か。
——落ち着き。
——………
言葉になりきらない、淡い波紋がひとつ、ふたつ。
それだけ。
(どういうこと?)
思わず目を瞬くアリアの前まで、ユリウスが歩いてきた。
近づけば近づくほど、彼のまわりは静かだった。数字のざわめきが、ほとんど聞こえない。
「はじめまして。司書の、ユリウス・ノアと申します」
穏やかな声だった。
丁寧な口調だが、どこか柔らかい。
アリアは、慌てて笑顔を整える。
「ご案内、ありがとうございます。アリア・エルネルと申します。本日は、占術に関する古文書について、少しお伺いしたくて」
「承りました。閲覧希望の資料名はお聞きしてもよろしいでしょうか?」
ユリウスの瞳が、まっすぐこちらを見つめる。
その黒に、アリアは一瞬だけ「観察度60」みたいな数字を探そうとして——やっぱり見つけられなかった。
(おかしいわ)
平静を装いながらも、内心はざわついていく。
これまでの人生で、誰かの「思考の数字」が読めなかったことは、ほとんどない。
ごく稀に、極端に感情を抑え込んでいる人の数字が霞むことはあったが、それでもまったく何も見えない、なんてことは——。
「アリア様?」
「あ……申し訳ありません。少し、考え事をしてしまって」
自分でも驚くほど、返事が遅れた。
ユリウスは気にした様子もなく、ただ首を傾げる。
「お疲れでしたら、先に椅子にお掛けになりますか? 許可書だけお預かりして、こちらで探してまいります」
その頭上で、ふんわりと一語だけが浮かんだ。
——気遣い。
(……本当に、わからない)
数字がないと、世界はこんなにも不安定に見えるのか。
アリアは思わず、足元を確かめるように靴先を揃えた。
「いえ、大丈夫ですわ。一緒に向かわせていただいても?」
「もちろんです。では、こちらへ」
ユリウスが少しだけ身を引き、アリアが歩きやすいように通路を空けた。
それは、ごく自然な所作だった。
「こうしておけば好感度が上がる」とか、「礼儀として正しい」という計算の匂いがしない。ただ——そうするのが当たり前、というような。
(……計算していない、のよね)
そう思った途端、胸のどこかがそわそわし始める。
書棚のあいだを抜け、特別閲覧室へ向かう途中、アリアは気づかれないようにユリウスを盗み見た。
歩幅は大きいのに、決してアリアを置いていかない。
角を曲がるときには、さりげなく手を伸ばして、アリアがぶつからないように本棚から守る。
「段差がありますので、お足元にお気をつけください」
「ありがとうございます」
その言葉を聞くたびに、アリアの頭上に小さく数字が浮かぶ。
——安心度+2。
——好感度+1。
(……わたくしの数字は、ちゃんと動くのね)
自分自身の数字が見えることは滅多にない。
でも今は、胸の内でちいさなメーターがじりじりと増えていく感覚があった。
特別閲覧室に到着すると、ユリウスは扉を開けてから、アリアのほうへ手を差し向けた。
「どうぞ」
「……失礼いたします」
部屋の中は、さらに静かだった。
長机と椅子がいくつか並び、壁際の棚には古い装丁の本が整然と並んでいる。
「占術に関する古文書とのことでしたね。具体的な分野はお決まりでしょうか?」
「その……」
アリアは一瞬、迷った。
自分の能力に関する手がかりがほしい。
そう思ってここへ来たが、それをそのまま口に出せるほど、彼女は無防備ではない。
(本当のことを言うわけにはいかないけれど——)
少しだけ、言葉を選ぶ。
「人の“心の動き”に関する占術や、思考の流れを見る術式について、知りたくて」
ユリウスは「なるほど」と小さく頷く。
「でしたら、いくつか候補がございます。お待ちいただければ、こちらでお持ちします」
「わたくしもご一緒しても?」
「本棚が少し高い位置にありますので……。危険でなければ良いのですが」
アリアは思わず微笑んだ。
「お気遣い、ありがとうございます。では、椅子をお借りしてお待ちしておりますわ」
ユリウスは軽く会釈し、静かな足音を残して部屋を出ていった。
扉が閉まると同時に、アリアは深く息を吐き出す。
「…………」
誰もいない。
数字も少ない。
心臓の鼓動が、やけに大きく聞こえた。
(どういう人なのかしら、あの方は)
アリアの頭の中で、思考が高速で回り始める。
数字が読めない。
でも、言葉の端々から感じる、丁寧さと優しさ。
習慣になっているようなさりげない気遣い。
(“天然”と言われるタイプ、かもしれないわね)
社交界にも、時々いる。
計算していないのに、なぜか人から好かれてしまう人。
本人は何も考えていないように見えて、実は一番、周囲に良い影響を与えている人。
(でも——)
アリアは扇をぎゅっと握りしめた。
(計算していない人なんて、信用できない)
人は変わる。
気分も、都合も、状況も。
だからこそアリアは、数字を信じてきた。
目に見えない心を、少しでも形に近づけておきたかった。
(なのに、あの方の数字は、見えない)
静か。
落ち着き。
そして——ほんのりと、あたたかい何か。
その“あたたかい何か”に、アリアの胸の奥が、じんわりと熱を帯びる。
「……いやな予感がするわ」
思わず、独り言がこぼれた。
「何か、問題がございましたか?」
「っ——!?」
突然返ってきた声に、アリアは思わず椅子から跳ね上がりそうになった。
振り向くと、いつの間にかユリウスが扉のところに立っていた。
腕には数冊の本が抱えられている。
(気配、気づかなかった……!)
驚き指数90。
恥ずかしさ75。
動揺度88。
自分の数字が一気に跳ね上がったのを、アリアはありありと感じた。
「も、問題なんてありませんわ。ただ、少し考え事をしていただけでして」
「そうですか。失礼いたしました。扉を、もう少し音を立てて開けたほうがよろしかったですね」
ユリウスは淡々と言いながら本を机に置いた。
その言葉の中にも、「責める」数字はひとつも見えない。
「こちらが、心の動きに関する占術の古文書になります。こちらは少し難解ですが、読み解き甲斐があると思います」
「ありがとうございます」
アリアは椅子から立ち上がり、本の背表紙を眺める。
古めかしい文字で綴られた題名が、目の前で重なり合う。
(……ここに、わたくしの“答え”があるのかしら)
そんなことを考えていると、不意にユリウスの声がした。
「アリア様」
「はい?」
「先ほどから、少しだけ顔色が優れないように見えます。……無理はなさらないでくださいね」
アリアは、はっとした。
彼の頭上には、やはり数字は浮かばない。
その代わり、瞳の奥に真っ直ぐな心配が宿っている。
「図書館は、逃げませんから。
今日でなくても、またいつでもいらしてください」
柔らかい声音。
それなのに、言葉には揺らぎがなくて、妙に胸に残る。
アリアは、ゆっくりと微笑んだ。
「……ありがとうございます。では、少しだけ甘えさせていただきますわ」
数字がなければ、答えは計算できない。
でも——
今、胸の中でふくらんでいる何かは、きっと数字にしなくてもわかる。
(わたくしは今、この人のことを——)
興味を持っている。
恐れている。
そして少しだけ、知りたいと思っている。
その全てをまとめてしまえば、たぶんひとつの言葉になるのだろう。
(きっと、これは——)
まだ名前のつかない“誤差”の始まり。
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