Lilac

アカアシトカゲ

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Chapter 9. 決戦

episode 25. 作戦開始

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『こちら第一旗艦《プロトス》。全艦、ジャンプ準備完了』
ホロ越しに、オルカカの顔が映る。

強襲輸送艇の中でホロを展開し、エルは腕を組んだ。

「……了解した。オルビタスのシールド中心軸を、標準隊列から艦尾側へ二度回頭しろ」
『二度?ずいぶん細かい角度指定だな』
「ゼロ・コーラスの出力軸と、バスティオン上部砲塔の死角が、その二度分だけ重なる。第四部隊と輸送艇が通る”道”ができる」

オルカカは短く目を細め、ふっと笑う。
 
『なるほど。相変わらず性格の悪い道を作る』
「褒め言葉として受け取っておく」

エルはわずかに口元を歪めた。

「艦隊の目的は殲滅じゃない。バスティオンを浮かせないことだ。敵第二列に深入りしすぎるな――外殻を“偏って”削れ。ドック側に負荷を集中させる」
 
『……了解した、総司令官殿』

オルカカは、ほんの僅かだけ懐かしげな目をした。

『では、艦隊戦は任せてもらおう。貴殿は地上で心臓を止めてこい』

エルは小さく息を吐く。
「頼んだ、オルカカ」

ホロが消えると同時に、ジャンプカウントが始まった。
 

――第一旗艦《プロトス》。

艦橋の前面スクリーンに、青白い亜空間トンネルが伸びている。
「ジャンプアウトまで、十秒!」

航法士の声が響く。オルカカは背もたれから半身を起こし、杖代わりのタブレットを手に前方を見据えた。

「全艦に通達。ジャンプアウト直後から第一フェーズに入る。プロトスは隊列中央、アルケテスは左翼、オルビタスは後方だ」

『了解』

通信回線の向こうで、カミル、バルド、リーリアナの声が重なる。

「三、二、一――ジャンプアウト」

視界が弾けた。

星々の線が一瞬にして点に変わり、代わりに赤黒い第一惑星ヴァルガルドが視界いっぱいに広がる。
その地表に縫い付けられた黒鋼の巨影――城塞艦《バスティオン》。

その上空には、守るようにヴァルガルド艦隊が幾重にも展開していた。
軌道砲座の砲口が一斉にこちらを向く。

「……始まったな」
オルカカが低く呟いた瞬間――

「敵砲座、発射シークエンスに入ります!」
 
「全艦、防御姿勢。オルビタス、予定位置まで後退しろ。防御障壁最大展開――プロトス、アルケテスはその傘の内側に入れ」

『こちらオルビタス、防御障壁展開。……シールド、最大出力!』

プロトスの正面スクリーンに、薄い蒼い半球が広がる。
その内側に、プロトスとアルケテスが滑り込んだ。

次の瞬間、ヴァルガルド側からの初弾が降り注ぐ。

「来るぞ」
 
閃光と共に、無数の砲撃がシールドに叩きつけられた。
衝撃で艦橋が軋み、床がわずかに浮く。

「シールド保持率、九十三パーセント!」
「敵艦隊、こちらに向けて隊形を変更!」

オルカカは微動だにせず前を見据えたまま、ホロへと視線を落とす。

バスティオンの上空に、戦況図が重ねて表示される。
その一角――オルビタスのシールドの縁から、細い“くぼみ”のような空隙が延びていた。

エルが指示した“二度”のずれが、そこに一本道のような影を作っている。

「……見えてきたな、性格の悪い道が」
口の端をわずかに吊り上げる。

「プロトス、アルケテス。シールドの内側から、バスティオン上部の砲塔列と軌道砲座を叩け。優先目標は、ドック周辺の対空火器だ。――“道”の上に砲口を一本も残すな」

『第一部隊了解。対艦砲、バスティオン上部をロック!』
『第二部隊、軌道砲座を捕捉。斉射準備に入る!』

艦橋の照明が一段落ち、主砲充填の低い唸りが船体を震わせる。

「第一、第二、同時斉射。――撃て」

プロトスとアルケテスの船体側面から、青白い火線が一斉に迸った。
オルビタスのシールド越しに撃ち出された砲撃は、屈折した軌道を描きながら、バスティオンの上部砲塔列に殺到する。

ホロ上で、いくつもの砲塔マーカーが赤から灰色へと変わっていく。

「ドック側対空砲、三割沈黙。……まだだな」

オルカカはタブレットを握り直した。

「第四部隊に伝達。『道』の形成を開始した。――準備が整い次第、ガンシップを突っ込ませろ」

――

バスティオン上空。
蒼いシールド越しに、黒鋼の城塞艦が眼下に広がる。

第四部隊所属ガンシップ《レイグライド》の操縦席で、隊長のザックレイが舌を巻いた。

「相変わらず物騒なシルエットしてんな……」

横一列に並んだガンシップ編隊が、オルビタスのシールド傘の縁をかすめるように滑空する。

『こちらプロトス。第四部隊、ドック上空へ進入開始。地上突入部隊の降着ポイントを確保しろ』

「第四部隊、了解。全機聞け!これよりバスティオン・ドック上空に突入する!対空砲と敵ガンシップを片っ端から黙らせろ、第五と第六の着陸場所を空ける!」

『了解!』

対空砲からの火線が、シールドの外側から雨あられと降ってくる。オルビタスのシールドがそれを受け止め、表面に波紋を走らせた。

「シールド端まであと十秒!出た瞬間から、こっちは丸裸だ。気合い入れろよ!」

シールドの境界線が真正面に迫る。

――蒼い幕をくぐり抜ける。

途端に、センサーに表示される敵のロックオンマーカーが一気に増えた。

「さぁて、ここからは俺たちの仕事だ!」

機体が急降下に入る。
バスティオンのドック上空を、レーザーと弾丸の光が縦横無尽に走り抜ける。

「目標、ドック周りの対空砲塔! 地表から三百メートル以内のやつを優先だ!」
『ターゲットロック!右舷砲塔、撃ち落とす!』
『ドック前方の敵ガンシップ、二機撃墜!』

爆炎が次々と咲き乱れる。
だが、敵の弾幕もさらに厚さを増した。

「チッ……手際がいいな、ヴァルガルド!」

その時、通信回線が切り替わる。

『こちら第六部隊輸送隊。降下軌道へ乗る。第四部隊、着陸ポイント付近の空を空けてくれ』

「こっちも今、必死なんだよ!」

そう悪態をつきながらも、隊長機は反射的に機体を捻り、ドック前の一帯を掃射する。

爆煙が晴れる。
その向こう――雲を裂いて、灰色の輸送艇群が降下してくるのが見えた。

「道は空けたぞ」

ザックレイは、歯を食いしばったまま、輸送艇が弾幕の隙間をすり抜けていくのを見送った。

――


ヴァルガルド上空。
第五・第六部隊を乗せた輸送艇の機内は、薄暗い赤いランプに照らされていた。

船体が激しく揺れ、天井に吊るされた装備がカチャカチャと鳴る。

エルはホロから目を外し、隊員たちを見回した。
隊員たちは皆、座席に腰を下ろし、硬い床を見つめている。

「着陸まで、あと二分だ。全員、衝撃に備えろ」

その声に、艦内の空気がビリ、と引き締まる。
顔を上げ、互いに目を見交わし、力強く頷きあう。

総司令官自らが前線に立ち、自分たちの指揮を取っている――
その事実が、全隊の士気を底上げしていた。

『こちら第四部隊。ドック前の対空砲は半数沈黙、まだ残ってるぞ!さっさと降りろよ地上組。仕事増やすな!』

通信越しの、どこか楽しげな声。
誰かが小さく笑い、すぐに真顔に戻る。

機体がさらに大きく揺れた。
外では、プロトスとアルケテスの砲撃が、バスティオン上部の砲塔を次々と削り落としている。

エルは、短く息を吸い込んだ。

「――聞け」

その一言で、第五と第六の隊員たちの視線が一斉に集まる。

「先ほどの作戦会議でも伝えたが、ゼロ・コーラスは“燃料”を手に入れた。敵軍は、エコーを使ってくる可能性が高い」

ごくり、と誰かが喉を鳴らす気配。

「接近戦は可能な限り控えろ。敵にむやみに近づくな。エコーを浴びれば、内側から削られる」

エルの視線が、一人ひとりを撫でるように、しかし鋭く射抜いていく。

「第七部隊のドローンと連携して進め。ドックから内部に突入し、ゼロ・コーラスと主推進機を破壊する。バスティオンを、二度と浮かせない」

揺れが、ほんの少しだけ収まった。
外側で、第四部隊のガンシップが降下軌道上の敵機を片っ端から撃ち落としているのが、鈍い衝撃となって伝わってくる。

「第五部隊」

エルが名を呼ぶ。
「俺が先頭を歩く。後方に遠隔射撃主体の隊列を組め。――俺に続け」

「第六部隊」
視線が後方に移る。
「半数はドックを制圧。半数は第五の背中を守れ。倒れたやつが出たら、必ず生きて帰らせろ」

誰も、声に出して返事はしなかった。
だが、その沈黙の中に、はっきりとした覚悟の色があった。

輸送艇のランプが、赤から黄色へと変わる。

『こちら輸送艇一番機。ドック前、着陸態勢に入る!』

機体が、最後の大きな衝撃に揺さぶられた。
外で金属同士が擦れる、悲鳴のような音がする。

「ハッチオープンまで、十、九――」

カウントダウンが始まる。

エルはそっとポケットに手を入れ、目を細めた。
指先に触れる、小さな石の感触。強く握りすぎて、角が指に食い込む。
それでも、離さなかった。

(セリオン……)

あいつは今、どこを飛んでいるのだろう。
無事でいてくれればいい。
いや、無事なだけじゃ足りない。

(お前の未来を、こじ開けてやる)
 
――この戦いを終わらせる。お前だけは自由に。

 
「――三、二、一。ハッチ、オープン!」

重い扉が、轟音と共に開いた。

白い蒸気と、焼けた金属の匂い。
その向こうで、黒鋼の城塞艦《バスティオン》のドックが、牙を剥いて待ち構えていた。

「第五、第六――突入!」

エルの号令と共に、隊員たちが一斉に飛び出していく。

――


ヴァルガルド。
城塞艦《バスティオン》中枢部――ゼロ・コーラス。

外からの砲撃で、バスティオンは絶え間なく揺れていた。
ゼロ・コーラスの周囲には巨大なバリアが幾重にも展開され、その全景を見下ろすように、高台の玉座にガルザードが腰を下ろしている。

「……中に入られたか」

苛立ちを隠そうともせず、低く呟く。

「ここに至るまでに、障壁を二枚超えなければなりません。しかも、この中枢部への障壁は“外側からは絶対に開かない”。ケンネルのシャフトに気づかない限り、ここへは辿り着けないでしょう」

シグラが、宥めるような声音で言葉を継ぐ。

「エコー兵も、すでに障壁の守りに回しています。内部防衛は盤石です。
バスティオンの装甲は厚い。いくら銀河警備隊の主砲を持ってしても、そう簡単には崩れません」

シグラは端末に視線を落とし、満足げに目を細めた。

「ゼロ・コーラス全体へのエコーが溜まり次第、バスティオンの“浮上シークエンス”へは移行可能な状態です。一度浮上シーケンスに入れば、途中停止はできません。完了したバスティオンは、いかなる外部攻撃でも落とせない“空の城塞”となるでしょう」

ガルザードは、ゆっくりと頷く。

「焦って止めに来ている虫どもも、あと少し耐えれば済む話よ」

〈マウル〉の柄を軽く叩きながら、口角を吊り上げる。

「もっとも――ここに辿り着いたところで、このマウルの餌になるだけだがな」

その言葉に、シグラが喉の奥で笑った。

「ガルザード様。兵士を数名と、ステルス機を一機、お借りできますか」

「何に使う気だ」

「虫も、統率が取れねばただの有象無象。第一旗艦《プロトス》にオルカカがいるとのこと。内部に侵入し、指揮系統を崩してみせます」

ガルザードの唇が、愉快そうに歪む。

「……面白い。やってみせよ」

シグラは恭しく一礼すると、その場を足早に後にする。
 
その後方では、影に隠れながら監視ドローンが静かに外へと飛び出していった。

――

同じ頃。
バスティオン外壁・砲撃隊セクション。

ファルナンドは、敵艦隊へ砲撃を行う砲座に回されていた。

因子を失った元・敏腕スナイパー。
だが今、その眼と指先には、再び“勘”が戻りつつある。

新たな力――エコーによって。

狙いを定め、トリガーを押す。
放たれた砲撃が宇宙を走り、第四部隊所属のガンシップの一機が煙を上げた。

(……いけてるぞ、俺)

胸の奥で、じわりと高揚感が広がる。

すぐに次の照準へと移る。
ロックオンした先の機体名がホロに浮かび上がる。

――《レイグライド》。

第四部隊隊長機。
窓越しに、旧友ザックレイの姿が一瞬だけ見えた。

「……っ!」

トリガーにかけた指が震える。

一拍、遅れる。
目をぎゅっと瞑り、それでも引き金を引いた。

だが、砲撃は空を切る。
レイグライドが鋭く旋回し、砲弾の軌道をすり抜けたのだ。

次の瞬間、反撃の銃撃がこちらの砲座を薙いだ。

ドドドン、と金属を砕く衝撃音が幾重にも重なり、
砲台が爆ぜる。ファルナンドの身体が吹き飛び、背中から壁に叩きつけられた。

「……ぐっ……!」

全身に鈍い痛みが走る。
それでも――胸のどこかで、ほっとしている自分がいた。

(……さすがだ、ザックレイ)

視界が揺らぐ。
そのまま仰向けに倒れ込み、天井をぼんやり見上げた。

(このまま……目を瞑って、この戦争をやり過ごせたらな)

そんな逃げの考えが、頭をかすめた。

通信が鳴る。

『バスティオン内部に銀河警備隊が侵入。エコー軍は障壁前に集結せよ』

ファルナンドは、ゆっくりと身を起こした。

(……逃げ場なんて、最初からなかったか)

重くなった足を引きずるようにして、障壁区画へと向かっていく。

――その先に、何が待っているのかを知りながら。
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