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「酷いなこんなに好きなのに……」
切なそうな顔をして言っているが、冷めきった私の心にはなーんにも訴えかけてくるものはない。
むしろ、なんだよその顔は、と悪態をつきたくなったぐらいだ。
「好きなら殺すなよ」
どう考えても私の方が正論でしょ?
好きって大事にしたい一緒にいたいって思う気持ちだと思うんだけどこの王子の認識と世間一般の認識には大きなずれがあるわよね。
私のこと好きだからこそ殺すってさ。
アハ、全然わかんないわ。
魔女の私でさえ好きなら一緒にいたい、ていう気持ちになる事を理解してるのにこの王子ときたら……
だからね、燃やしてやったわ。
そんなことで存続してる王族なんていらないわね、って思ったから。
王城全部燃やしたわ。
運よくというか王と王妃は巻き込まれたみたいね。
私が一番消えて欲しいと思った王子は健在だったけど。
で、まぁなんやかんやあって、王子は私のことが大好きだけどめちゃくちゃ憎くもあって、ぶっ殺したいと思ってるんだ。
「それが3-40年ぐらい前の話」
皆が知っているおとぎ話のように澱みなく、つらつらと話を終えたクララが、そう締めくくる。
こんなのはクララにとって暇つぶし、ただの余興。
人間よりも長く生きることになった魔女は退屈していることが多い。だから、たまに人間のことを思い出して、一緒に遊ぶ。
それだけのこと。
クララがそんな事をしていたのは初耳だけど、別にレーシーには瑣末な話。
結局のところ「どうでもいい」話だ。
だけど、それが今回のレーシーの心臓を盗んでいったことに繋がるとなると、そうも言っていられない。
「40年前のそのままの姿で王子が私を殺しに来る」
レーシーは、口を開けたままクララを見つめる。
余裕たっぷりのクララは、王子にそのまま殺されたりはしないだろう。
「え?」
王子はそのままの姿なの?
よぼよぼの白髪じいちゃんになってもクララのことを殺そうとしている殺意ゴリゴリのじいさんになっちゃった、っていう話じゃないのよね……
切なそうな顔をして言っているが、冷めきった私の心にはなーんにも訴えかけてくるものはない。
むしろ、なんだよその顔は、と悪態をつきたくなったぐらいだ。
「好きなら殺すなよ」
どう考えても私の方が正論でしょ?
好きって大事にしたい一緒にいたいって思う気持ちだと思うんだけどこの王子の認識と世間一般の認識には大きなずれがあるわよね。
私のこと好きだからこそ殺すってさ。
アハ、全然わかんないわ。
魔女の私でさえ好きなら一緒にいたい、ていう気持ちになる事を理解してるのにこの王子ときたら……
だからね、燃やしてやったわ。
そんなことで存続してる王族なんていらないわね、って思ったから。
王城全部燃やしたわ。
運よくというか王と王妃は巻き込まれたみたいね。
私が一番消えて欲しいと思った王子は健在だったけど。
で、まぁなんやかんやあって、王子は私のことが大好きだけどめちゃくちゃ憎くもあって、ぶっ殺したいと思ってるんだ。
「それが3-40年ぐらい前の話」
皆が知っているおとぎ話のように澱みなく、つらつらと話を終えたクララが、そう締めくくる。
こんなのはクララにとって暇つぶし、ただの余興。
人間よりも長く生きることになった魔女は退屈していることが多い。だから、たまに人間のことを思い出して、一緒に遊ぶ。
それだけのこと。
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結局のところ「どうでもいい」話だ。
だけど、それが今回のレーシーの心臓を盗んでいったことに繋がるとなると、そうも言っていられない。
「40年前のそのままの姿で王子が私を殺しに来る」
レーシーは、口を開けたままクララを見つめる。
余裕たっぷりのクララは、王子にそのまま殺されたりはしないだろう。
「え?」
王子はそのままの姿なの?
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