4 / 6
④
しおりを挟むヴァ―レンの部屋にはでかでかとしたベッドがあった。
いや、ユイカに負けたその日までは一人寝にふさわしい大きさのベッドであったのが、優秀な部下によって男二人が寝入って、そのうえで激しい運動をしても耐えうるような大きさのベッドに差し替えられたのだ。
「……もう体治ってんの?」
「9割がたは」
「あと1割は?」
「心臓は修復しないからな」
言えばユイカはそうだった、と眉を下げる。
「あぁごめんな……スペアの心臓残したままじゃ、勝ったとはいえないからな……」
「別に……気にしない」
「ヴァ―レンの身体って人間と造り同じ?」
「同じじゃないか? しらんな」
「前立腺とかある?」
「ぜんりつせん…? そこまで詳しくないからわからない」
「……お尻でちゃんと気持ちよくなれる?」
「それは大丈夫じゃないか、魔族は普通に同性同士で番ったりするしな」
「へぇ……」
そんなことも知らずに結婚結婚言っていたのかとヴァ―レンは呆れる。
「ほら、契約するんだろ?」
ヴァ―レンはユイカをベッドに引き入れて、潔く上半身の服を脱いだ。
「ほんとだ、治ってる」
ユイカはちょうどえぐれていた腹の部分をそうっと撫で上げ、笑みを作る。
一丁前に心配してくれていたらしい。
ユイカはヴァーレンの身体のそこかしこを見分して満足してうん、と頷く。
「じゃぁ手加減なしでいいよな」などと言い、ヴァ―レンの胸元に目をやる。
「あ、ピンクのきれいな乳首……」
それも人間と同じなんだぁなどと顔をにやけさせながら、ピンクの頂の周りをそそ、と辿る。
「てか、いまヴァ―レンって俺に発情してる?」
「……まぁ……」
ヴァ―レンは言葉少なにそれを肯定した。口にするとなんとも言えない苦々しい気持ちになる。
「えへ、そうなんだ、そうなんだ。それってめっちゃ嬉しいなぁ! 俺もヴァ―レンに会うと毎回めちゃくちゃ発情してるもんな」
言いながら、ユイカは指でいじくっていた乳首に顔を近づけると何の躊躇もなく口に含み、ころころとそれを口の中で転がして味わいもう一つの乳首をきゅうと軽く摘まみしこしこと指でもむ。
それが硬くなってしこってくると、押しつぶして執拗に乳頭をかりかりと指の腹で擦る。
ヴァ―レンは人間の性交はこういうことをするのかと、じ、っと鈍色の瞳でユイカを見ている。ユイカの体温が常より上昇していることからユイカはすでに発情状態なのだろうと検討をつける。
押し倒されてユイカにのしかかられているが、別段動けないわけではない。
確認のためにユイカの下半身の膨らみでも確認するかと手を伸ばす。
「! ヴァっ!」
カチカチに膨らんだものをぎゅ、と形を確認するようにつかんだだけだが、ユイカはびくんと跳ねあがり顔を上げた。
ヴァ―レンの乳首をしゃぶっていた口の周りはてかてかと唾液で汚れている。
よく見ればその目ははっきりとした情欲のにじむものに変化している。
「脱げ」
ヴァ―レンが言うとユイカは「え、でも」などと言ってもじもじしだしたので、ヴァ―レンは、そのズボンを下着もろとも引きずりおろした。
「アッ!」
ぼろんとはじけるように飛び出してきたのは、太く反り返ったがちがちの性器で、期待が大きすぎるのか、こらえ性がないのか、すでに先っぽの穴からたらたらと先走りの体液が零れ落ちている。
「ふぅん、立派じゃないか」
ヴァ―レンは、早くも血管の浮いたユイカの性器をじろじろと品定めするように見て、その立派に育ち頭をもたげたかり首に賞賛を送る。
「う、恥ずかしい……」
まだ始まったばかりだというのに早くも大きく育ってしまっている。
「何を恥じることがあるのかまったくわからん……」
ヴァ―レンは着たままだった自分の服をすべて取り払う。
元より人間に寄せてきているだけのものだ、服を着ていないことに対してヴァ―レンにはさしたる羞恥はない。
顔を赤くしてヴァ―レンの裸を凝視しているユイカがおかしくて、ヴァ―レンは足を立てて、足を開く。
「ほら、ここに……入れるんだろ?」
良く見えるようにとご丁寧に尻の肉をも手で左右に開き、ユイカが犯すべき穴を示す。
0
あなたにおすすめの小説
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
前世が教師だった少年は辺境で愛される
結衣可
BL
雪深い帝国北端の地で、傷つき行き倒れていた少年ミカを拾ったのは、寡黙な辺境伯ダリウスだった。妻を亡くし、幼い息子リアムと静かに暮らしていた彼は、ミカの知識と優しさに驚きつつも、次第にその穏やかな笑顔に心を癒されていく。
ミカは実は異世界からの転生者。前世の記憶を抱え、この世界でどう生きるべきか迷っていたが、リアムの教育係として過ごすうちに、“誰かに必要とされる”温もりを思い出していく。
雪の館で共に過ごす日々は、やがてお互いにとってかけがえのない時間となり、新しい日々へと続いていく――。
【BL】捨てられたSubが甘やかされる話
橘スミレ
BL
渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。
もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。
オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。
ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。
特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。
でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。
理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。
そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!
アルファポリス限定で連載中
二日に一度を目安に更新しております
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる