怪異退治はアクマでゴリ押し

染西 乱

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⑧【トキ】

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妖退治といえば陰陽道に長けた陰陽師に頼めばいい、というのは少し前までの日本の常識だった。
しかし、アメリカとの戦に敗れ、アメリカからの文化を取り入れざるを得なくなったその生活に日本古来の妖とは異なる《異形》が現れるようになった。それは異国の文化の流入によって生まれた新しい妖なのだろうと思われた。異国文化らしく交戦的で、その多くが人間に害を与えるものたちだ。

陰陽道では対応できるものが限られていて、陰陽の技と新しく入ってきた妖は相性が悪い。
そこに台頭してきたのが今の久須木田の祖先である。
遠い過去を辿れば陰陽師に突き当たるのかもしれないが、それはもう過去の話。
久須木田の扱うものはもっと西洋寄りの……【悪魔】と呼ばれる存在である。
使う媒体一つとってもみてもとても陰陽道と似ているとはいえない。紙の札や筆を使うことの多い陰陽道と決定的に異なるのは、【悪魔】を使役する点であった。

独自の装置を用いて見たことのない力を使う久須木田は、嫌悪と畏怖と尊敬ないまぜになった感情を向けられてきた。

久須木田の血を濃く受け継ぎ、高い適応能力を持って生まれたコヨミは徹底的な英才教育を施された。
悪魔にもさまざまだ。使い手の能力が低ければ役にもたたない悪魔しか扱えず、能力が高ければ高いほど上位の悪魔を使役することが出来る。
今のコヨミは、名の知れた高位の悪魔を連れ歩いている。
直系のコヨミは久須木田の立ち上げた組織のトップに立つことは生まれた時から決まっている。
元々18歳の誕生日にそれら全てがコヨミのモノになる予定だった。
幼い頃から力を奮っていたコヨミはすでに組織を率いる立場にいた。
ゆえに、引き継ぎが少々早まっただけのこと。表向きは成人した代理人が務めていたが、実質とトップはコヨミとなった。

コヨミは早くも15歳にして多くの退魔師を率いる【トキ】を引き継いだのだった。
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