〜心の翻译(ファンイー)〜

古波蔵くう

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第7話:沈黙の理由、募る不安

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 10月16日。最悪の事態になった。地学基礎で私はユエンの隣になった。とりあえず、話しかけられても無視するしかないかも。
「ミリ……おいミリ!」
ユエンが話しかけてくる。私は無視する。
「ミリ! どうして無視するんだ? おい!」
ユエンの声は風が強く吹けば聞こえない。そう、聞こえないフリをするんだ。私はまるでイヤホンで大音量で音を流しているか、耳栓しているようにペアワークなどの最低限の会話しかしなかった。2人の個人的な話はダメでも、ペアワークだったらジンリャンだってそれは許容するはず。たぶん。
《本当ワ……ユエン ト話シタイ……ケド、ジンリャン ガ……》
私はジンリャンが怖くて話しかけるなんて無理だった。
※ここから行弘の視点に変わります。
 2学期になってから、魅凜ミリの様子がおかしくなっている。いや、俺を過剰に避けている感じがする。俺が話しかけても、聞こえていないような感じで無視するし、ペアワークという最低限の会話しかしていない。そして、しつこく絡んでくるのが島崎と千々野。島崎は1年次の頃、良くしてくれたから分かるが、千々野が俺に寄ってくる理由が分からない。俺は特別カッコいいワケでも無いし、ズバ抜けて成績がいいワケじゃ無い。どこに惹かれる要素があるっていうんだ。モテることに抵抗はないが、カノジョにするっていう話になったら
「ちょっとなぁ……」
ってなる。俺は女子生徒は全員可愛いという思想を持っている。女子生徒はみんな可愛い、それは本音だ。だが、好きな人には好きな人にしかない特別な可愛さがあるというもの事実。魅凜にはそのがある。彼女と話して、彼女の孤独を無くしたかった。そして、日本語を教え合うにつれて惹かれていった。可愛く思えた。好きになった。しかし、相手が最近冷たくなった。あれか、蛙化現象ってやつか。魅凜が俺を避ける要因を色々を模索すると頭には疲労が溜まって爆発しそうになる。爆発した頭はどうなる。パンクする。眠れば頭の疲労もリセットされるが。千々野は俺が1人の時にイジってくる。他の男子が入ってきたら黙る。そんな感じだ。岩田がそう言ってた記憶がある。でも、好きアピールではない。その好きのレパートリーは挙げたらキリがないくらい数多とあるが、おそらく千々野の好きはクラスメイトとしての好きであって、カレカノ関係の好きじゃないと推測される。それにしても、イジりの限度っていうものがあるだろ。最近は指定席に座っちゃダメとか、地学基礎の黒板にデカデカと『ゆっきー』と書いたり。かまってちゃんなのか、イジりたいのか分からない。
 俺は、島崎、千々野、魅凜の3人のことで頭がパンクして休憩時間にうたた寝して授業態度が悪くなる一方だ。グラフの用語を用いるなら右肩下がりかな?
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