〜心の翻译(ファンイー)〜

古波蔵くう

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第8話:遠足の記憶、見えた真実

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 11月6日。今日は遠足の日、そして私の誕生日。だけど、私を祝う人は学校にはいない。1人寂しくホールじゃない一切れのケーキを買って、そこで数え年19歳、実年齢17歳の誕生日を祝うしか無いのかも。
 星砂ビーチ。今回の遠足場所は遊泳禁止のビーチ。レイノウイルスが大流行の中、開催された遠足だ。数少ない学校行事には参加したかった。だから、欠席したくなかった。さっそく、各クラスがBBQを始めている。焼いている肉の匂いが食欲をそそる。早く食べたいって思う。ユエンはさっそく焼けた肉を食べている。焼いている人が一番最初に食べたいだろうに。
「んー……歯で噛み切れねぇ……」
ユエン、焼けた肉と戦っている。
《調理用ノハサミ……アッタ!》
私は調理用の食材を切るハサミをユエンの手の取れるところに置く。そして、焼ける肉を求めるクラスメイトの中に入り込む。
「肉はまだか!」
「焼きそばもくれぇ!」
みんな大盛り上がり。私も肉を1枚取り、ビーチの波打つ音と海を眺めて食べる昼食は格別だった。決して、中国では味わえない風景。特にこんなに綺麗な海は見たことが無い。なんか、この海を見るとホントに『異国の地』という気分になれる。肉1枚で弁当箱に入れていたお米を全部食べてしまった。
《予備作ル余裕ナカッタ……》
ユエンを見ると、未使用のトングをガチガチ鳴らしながらベッタリなジンリャンがいる。
「ねぇ、肉美味しい?」
「あぁ……」
「良かった♪」
あんな光景見てしまったら、胸が鎖で巻かれてその鎖を引っ張り心臓を締め付けている気分になる。
《モット近クデ……海見ヨウ》
私は弁当箱を終い、波打つ音の聞こえる真っ青な風景に向けて歩いていく。海に入るわけじゃない。もっと近くで海を見たいだけだ。波打っている水が足にすこしかかる程度まで来た。海が波打って足を濡らしている。泳いで濡れたわけじゃない。
 すると、突然誰かに押された。しかも、2人だった。私を嫌うのは、リンジャンの仲間。リンジャンは別クラスに都築梨々南とちくりりな/ドゥーズー リーリーナン日野桃風ひのももか/リー イエ タオフンの2人。2人は海に突き落とした私を置いて放置。そして、全身濡れたため、遊泳禁止で泳いだとして、遠足の後片付けに強制参加になった。でも、これは濡れ衣だ。私はもっと近くで海を見たいだけなのに。
 帰りのバス停。
「みんなー! LINE交換しよう!」
ユエンがLINEのQRコードを見せつけながら言う。みんな次々と、追加していく。
《私モ……クラスメイトトシテ》
私がスマホを取り出し、近づこうとしたら、リンジャンが
「ゆっきーに、近づかないで!」
と。怒鳴られた。連絡手段すら獲得できない。
「ミリ……私追加したから、私のを追加して」
千々野がユエンのLINEに追加した。私は本人からではないが、ユエンのLINEが手に入った。
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