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第4章:繋がる二人
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放課後、桜見坂高校の校門。旧校舎で星野にナプキンを付けたあと、
「放課後、家に来て……案内するから……」
と言われた。
(女の子の、しかもリーダー格の星野の家なんて……初めてだ……友達の家さえ行ったことないのに……)
俺は星野がどんな家に住んでいるのか、気になった。お嬢様や金持ちのような大豪邸だろうか。
下校路。
「かなり、山奥だな……」
「そこに家あるから……」
星野は暗い顔をしている。他の生徒に家の事情を見せたことが無いのだろう。
「ここ……」
星野の家に着いたらしい。星野が足を止めたのは、金持ちボンボンの大豪邸じゃなくて古びた木製の小屋だった。穴も空いているし、かなり年季の入った木だし、雨漏りしてそう。
「中ワンルームだけど、入る?」
「う、うん……」
俺は星野の家にお邪魔する。中は星野が言っていた通りワンルームで、雨漏り防止用に新聞紙を敷いた床に鍋を置いている。ガラスも嵌っていない窓のすぐそばに、旅館で提供されているマットレスと敷布団と掛け布団、そして枕。ダンボールが近くにあるため、ダンボールに寝具を入れて寝ているのだろう。
「一人暮らしなの?」
「そうだけど?」
星野はちゃぶ台のような丸机に今日渡された課題をする。
「私の家、お金がないから……家族別々で暮らさないと食っていけないの……」
「朝食、夕食はどうしているの?」
「購買で買ったパンで凌いでる……」
俺は星野がこんなに貧乏だなんて知らなかった。
「その、男の俺が聞くのも変だけど……ナプキンも買えないのか?」
「当たり前でしょ……この現状見て買えると思う?」
星野が怒鳴る。確かに、こんなボロ家とも言える家に住んでいるのにナプキンを買えるわけない。
「この私の家のこと、他の生徒に話さないでよ……話したら命はないから」
「分かってるよ! レストインピースしたくないから!」
女子の『命のない』は怖すぎる。殺すと同義で怖い。絶対話さない。神と仏に誓う。
「あと、お礼言うの忘れてた……ナプキンありがとうね」
星野がお礼をした。
「いや、いいんだよ……姉ちゃんのイタズラだったんだし……」
「そんな何枚も入れたりする?」
「俺が気づいていなかったんだ……」
俺は星野の勉強してる姿をただただ見つめていた。
「アンタも、課題やれば?」
「ごめん……ちょっと星野の事情にビックリして……」
俺もカバンから課題を取り出す。
「休み時間で終わらせているの?」
「昼食を食べたあと、暇だし……」
俺は昼食時間の残りは課題に充てていた。友達もいないボッチだから、やるとしたら課題をするか読書するかだ。校内がスマホ使用禁止なわけではないが。
「あと、3問ぐらいで終わるかも……」
「じゃあ、課題終わったあと……私の課題手伝ってよ……」
「分かった……」
俺は自分の分と、星野の分の課題をすることになった。でも、人に分かりやすく教えるようなことができないから、一緒に解くことにした。俺と星野の間に、不思議な絆ができた。
「放課後、家に来て……案内するから……」
と言われた。
(女の子の、しかもリーダー格の星野の家なんて……初めてだ……友達の家さえ行ったことないのに……)
俺は星野がどんな家に住んでいるのか、気になった。お嬢様や金持ちのような大豪邸だろうか。
下校路。
「かなり、山奥だな……」
「そこに家あるから……」
星野は暗い顔をしている。他の生徒に家の事情を見せたことが無いのだろう。
「ここ……」
星野の家に着いたらしい。星野が足を止めたのは、金持ちボンボンの大豪邸じゃなくて古びた木製の小屋だった。穴も空いているし、かなり年季の入った木だし、雨漏りしてそう。
「中ワンルームだけど、入る?」
「う、うん……」
俺は星野の家にお邪魔する。中は星野が言っていた通りワンルームで、雨漏り防止用に新聞紙を敷いた床に鍋を置いている。ガラスも嵌っていない窓のすぐそばに、旅館で提供されているマットレスと敷布団と掛け布団、そして枕。ダンボールが近くにあるため、ダンボールに寝具を入れて寝ているのだろう。
「一人暮らしなの?」
「そうだけど?」
星野はちゃぶ台のような丸机に今日渡された課題をする。
「私の家、お金がないから……家族別々で暮らさないと食っていけないの……」
「朝食、夕食はどうしているの?」
「購買で買ったパンで凌いでる……」
俺は星野がこんなに貧乏だなんて知らなかった。
「その、男の俺が聞くのも変だけど……ナプキンも買えないのか?」
「当たり前でしょ……この現状見て買えると思う?」
星野が怒鳴る。確かに、こんなボロ家とも言える家に住んでいるのにナプキンを買えるわけない。
「この私の家のこと、他の生徒に話さないでよ……話したら命はないから」
「分かってるよ! レストインピースしたくないから!」
女子の『命のない』は怖すぎる。殺すと同義で怖い。絶対話さない。神と仏に誓う。
「あと、お礼言うの忘れてた……ナプキンありがとうね」
星野がお礼をした。
「いや、いいんだよ……姉ちゃんのイタズラだったんだし……」
「そんな何枚も入れたりする?」
「俺が気づいていなかったんだ……」
俺は星野の勉強してる姿をただただ見つめていた。
「アンタも、課題やれば?」
「ごめん……ちょっと星野の事情にビックリして……」
俺もカバンから課題を取り出す。
「休み時間で終わらせているの?」
「昼食を食べたあと、暇だし……」
俺は昼食時間の残りは課題に充てていた。友達もいないボッチだから、やるとしたら課題をするか読書するかだ。校内がスマホ使用禁止なわけではないが。
「あと、3問ぐらいで終わるかも……」
「じゃあ、課題終わったあと……私の課題手伝ってよ……」
「分かった……」
俺は自分の分と、星野の分の課題をすることになった。でも、人に分かりやすく教えるようなことができないから、一緒に解くことにした。俺と星野の間に、不思議な絆ができた。
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