歌と友情の調べ

古波蔵くう

文字の大きさ
3 / 7

#3.合コンの幕開け

しおりを挟む
 俺の見事な歌声から開幕された合コン。次は誰か歌うのかな。
「じゃあ、今度は私が歌おうかな?」
美咲が名乗り出た。
「美咲も、歌が上手いのか?」
俺は聞いてみる。
「それは、私の実際の歌声を聞いてみてね!」
美咲は小悪魔らしく笑顔を見せる。
「じゃあ、私は愛夢音あいむねの『素肌の調べ』を……」
美咲は曲を予約すると、流れ出した。美咲は俺が使っていたマイクを取る。
 サビ部分。
♪「愛する~音 紡ぐメロディ~」
美咲は歌姫と呼んでも過言じゃないほど、歌が上手かった。
「美咲って、歌唱部に入っているんだよね……」
梨花が呟く。俺は隆真と健太を見ると、固まっていた。美咲の歌声に魅了されて身動き一つ取らない。
《美咲の歌唱力…‥凄すぎ》
俺はみなみの方に、曲をかける機械を返す。
 開幕から十数分後。
「じゃあ、俺ドリンク切れたんで注いでくる」
俺は席を立つ。
「あ! 私も」
美咲も席を立った。
「悠太も美咲もたくさん歌っていたからね……」
みなみが隆真に言う。
 カラオケ受付兼ホール。
「コーラ……メロンソーダ……炭酸飲料はこの2種類から選ぶのか……」
俺がドリンクを選んでいると
「悠太くん?」
美咲が空のグラスを持って待っていた。
「あぁ、美咲……先に選んでいいよ」
俺はドリンクバーから退く。
「いや、あのLEADリード交換してくれる?」
美咲はスマホを取り出し9Rコードを画面に出している。
「あぁ、いいよ」
俺は美咲とLEADを交換した。
 合コン終了後。
「よっしゃあ! 二次会行くか!」
隆真と健太は、未成年なのに酒を飲んで泥酔している。俺は飲まなかった。
「私たちは、これで終わるねー」
みなみ、美咲、梨花はこれで帰るみたいだ。俺も帰ることにした。
「よっしゃー! 女子のLEAD取れたぁ!」
俺は嬉しかった。しかも、女子校の生徒のLEADだ。嬉しくないわけがない。一方、美咲も
「誰かの連絡先、ゲットできた?」
みなみが聞くと
「悠太くんに決まってるでしょ!」
美咲は俺のアカウントのアイコンをみなみに見せる。こうして、俺と美咲は出会った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

10年前に戻れたら…

かのん
恋愛
10年前にあなたから大切な人を奪った

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

靴屋の娘と三人のお兄様

こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!? ※小説家になろうにも投稿しています。

数合わせから始まる俺様の独占欲

日矩 凛太郎
恋愛
アラサーで仕事一筋、恋愛経験ほぼゼロの浅見結(あさみゆい)。 見た目は地味で控えめ、社内では「婚期遅れのお局」と陰口を叩かれながらも、仕事だけは誰にも負けないと自負していた。 そんな彼女が、ある日突然「合コンに来てよ!」と同僚の女性たちに誘われる。 正直乗り気ではなかったが、数合わせのためと割り切って参加することに。 しかし、その場で出会ったのは、俺様気質で圧倒的な存在感を放つイケメン男性。 彼は浅見をただの数合わせとしてではなく、特別な存在として猛烈にアプローチしてくる。 仕事と恋愛、どちらも慣れていない彼女が、戸惑いながらも少しずつ心を開いていく様子を描いた、アラサー女子のリアルな恋愛模様と成長の物語。

こじらせ女子の恋愛事情

あさの紅茶
恋愛
過去の恋愛の失敗を未だに引きずるこじらせアラサー女子の私、仁科真知(26) そんな私のことをずっと好きだったと言う同期の宗田優くん(26) いやいや、宗田くんには私なんかより、若くて可愛い可憐ちゃん(女子力高め)の方がお似合いだよ。 なんて自らまたこじらせる残念な私。 「俺はずっと好きだけど?」 「仁科の返事を待ってるんだよね」 宗田くんのまっすぐな瞳に耐えきれなくて逃げ出してしまった。 これ以上こじらせたくないから、神様どうか私に勇気をください。 ******************* この作品は、他のサイトにも掲載しています。

盗み聞き

凛子
恋愛
あ、そういうこと。

処理中です...