歌と友情の調べ

古波蔵くう

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#3.合コンの幕開け

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 俺の見事な歌声から開幕された合コン。次は誰か歌うのかな。
「じゃあ、今度は私が歌おうかな?」
美咲が名乗り出た。
「美咲も、歌が上手いのか?」
俺は聞いてみる。
「それは、私の実際の歌声を聞いてみてね!」
美咲は小悪魔らしく笑顔を見せる。
「じゃあ、私は愛夢音あいむねの『素肌の調べ』を……」
美咲は曲を予約すると、流れ出した。美咲は俺が使っていたマイクを取る。
 サビ部分。
♪「愛する~音 紡ぐメロディ~」
美咲は歌姫と呼んでも過言じゃないほど、歌が上手かった。
「美咲って、歌唱部に入っているんだよね……」
梨花が呟く。俺は隆真と健太を見ると、固まっていた。美咲の歌声に魅了されて身動き一つ取らない。
《美咲の歌唱力…‥凄すぎ》
俺はみなみの方に、曲をかける機械を返す。
 開幕から十数分後。
「じゃあ、俺ドリンク切れたんで注いでくる」
俺は席を立つ。
「あ! 私も」
美咲も席を立った。
「悠太も美咲もたくさん歌っていたからね……」
みなみが隆真に言う。
 カラオケ受付兼ホール。
「コーラ……メロンソーダ……炭酸飲料はこの2種類から選ぶのか……」
俺がドリンクを選んでいると
「悠太くん?」
美咲が空のグラスを持って待っていた。
「あぁ、美咲……先に選んでいいよ」
俺はドリンクバーから退く。
「いや、あのLEADリード交換してくれる?」
美咲はスマホを取り出し9Rコードを画面に出している。
「あぁ、いいよ」
俺は美咲とLEADを交換した。
 合コン終了後。
「よっしゃあ! 二次会行くか!」
隆真と健太は、未成年なのに酒を飲んで泥酔している。俺は飲まなかった。
「私たちは、これで終わるねー」
みなみ、美咲、梨花はこれで帰るみたいだ。俺も帰ることにした。
「よっしゃー! 女子のLEAD取れたぁ!」
俺は嬉しかった。しかも、女子校の生徒のLEADだ。嬉しくないわけがない。一方、美咲も
「誰かの連絡先、ゲットできた?」
みなみが聞くと
「悠太くんに決まってるでしょ!」
美咲は俺のアカウントのアイコンをみなみに見せる。こうして、俺と美咲は出会った。
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