〜Imaginary Boy Friend〜

古波蔵くう

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第四章:輝く結末

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 翔太が消えて、数週間が過ぎた。その間私の周りで不可解なことが起こっていた。突然、空から植木鉢が降ってきたりした。しかも、ちゃんと土と花が植えられたもの。非通知も何回かくる。ほとんどが変態からだった。なんか『私の身体と触れ合いませんか?』というポスターから私の電話番号を知ったらしい。私はその録音音声と着信履歴を新しい携帯に入れた。そして、その通知の鳴り止まない携帯は解約して機種変した。電話番号も変えた。私は悪山くんにも話した。
「なんか……最近、私の周りに不可解なことが起こるの……」
「どんなことが起こるの?」
悪山くんが聞く。
「空から植木鉢が降ってきたり、変態からの電話が来たり……携帯は変えたけど」
「かけた人の電話番号は分からんの?」
「非通知設定にしてる」
私は機種変した携帯の画像を見せた。
「なんか、心当たりないの?」
「イマジナリーフレンドかも……」
私が言った。
「あぁ、心理学で習ったやつか……」
言い忘れていたが、悪山くんは同じ学校に通っていて同い年だった。学年も同じ。
「舞のイマジナリーフレンドってどんな形してるの?」
悪山くんが問いかける。私は少女コミックの表紙で翔太を指差す。
「このかっこいい男の子で、翔太って言うの……高身長のハスキーボイス」
私はそれを言うと
「ごめん……俺この後予定あった」
そう言って悪山くんは去った。声が微々たる怒りがあった。すると、こころから通知が来た。2枚の画像が送られていた。
「なに……これ……」
 週末。
ーーピンポーン♪
突然、インターホンが鳴った。
「宅急便? なんも頼んでないけど」
私はドアを開ける。
「はい?」
「やぁ! 舞、来たぜ!」
悪山くんだった。
「わ、悪山くん……」
私は硬直した。悪山くんは、どうやって私の家を知ったんだろうか。悪山くんは、ダイニングの空いてる席に腰を下ろす。
「ねぇ悪山くん……これは何なの?」
私はこころから送られた画像を見せる。1枚目は悪山くんがあのビーチでバーベキューしてたチャラ男と仲良くしている画像。2枚目はパチンコ店で私の電話番号と写真が付いたポスターを貼っている画像。
「なんで、悪山くんがあのナンパしている人たちと仲良くしているの? あとこのポスターって」
すると、悪山くんは台所を漁り包丁を取り出す。
「やっと、新しい玩具が手に入ると思ったのに……」
私が退くごとに包丁持った悪山くんは近づき、棚などは倒していく。そして、ベットで私の両腕を抑え身動き取れなくする。
「俺の言うことを聞けよ……これから、玩具にするから……」
悪山くんは不気味な笑顔を私に見せる。
「助けて……翔太……」
私は翔太に助けを求めた。
「アッハハ! イマジナリーフレンドか? 助けに来るわけねーー」
悪山くんの頭に植木鉢が当たった。ちょうど窓が開いていて、そこから植木鉢が飛んできたんだ。悪山はしばらく倒れていた。すると、砂嵐状態の翔太が現れて無言でフライパンを私に投げる。悪山くんはすぐに我に返る。私は悪山くんの頭をフライパンで叩く。そして、110番通報した。警察は悪山くんを連行して行った。母も心配して来てくれた。こんな時だけは親ヅラする。
「舞! 大丈夫だった? 怪我はない?」
母は私を抱きしめたりする。
「棚のものが少し倒されただけ……」
私が棚のものを拾うと、1枚の写真があった。そこには、幼い女の子と少し歳の離れた男の子が写っていた。男の子は少女コミックを持っていた。
「お母さん……これは何?」
私が聞くと
「それは……舞とお兄さんよ……」
母が言う。
「お兄さんは、高熱で倒れて救急搬送されたの……治療費が無くて治せなかった……私の浪費癖のせいで……は……」
母が泣き出す。私は翔太と出会ったあの公園に向かう。
 公園。公園のブランコには翔太が乗っていた。
「翔太……」
私はゆっくり近づく。
「舞はもう、友達の作り方を知っている」
翔太はブランコから立ち上がる。
「え?」
私は疑問の声を出す。
「俺が居なくても良いだろ?」
翔太の足が薄れていく。
「ダメ!」
私は翔太に抱き付く。私は翔太に消えて欲しくなかった。あの部屋の揺れと電化製品の攻撃は私を守るために行なった行動。翔太は私にとって居なくてはならない存在だった。
「もう舞は、俺が居なくても大丈夫……」
翔太の両腕が薄れてきた。
「嫌だ! 翔太くんと別れたくない! 消えないで!」
私は泣き出す。翔太は薄れた両手で私の顔を挟んで自分の頬に向ける。そして、ゆっくりと唇を重ねた。
「好きだよ……舞」
翔太は告白した。
「私も……だから、消えないで……兄ちゃん」
私は初めて翔太を兄ちゃんと呼んだ。
「強く生きろよ……舞」
翔太は消えて行った。私は膝から崩れ落ちて泣いていた。涙が止まらない。
「舞!」
母が駆けつけた。
「突然出ていくから心配した……」
母は、汗をかいていた。
「あれ?」
地面に学ランのボタンが落ちていた。
「これは……翔太くんがつけていたもの……」
私はこれが第2ボタンだと分かった。
 学校。また腐れ縁3人組のリーダー格がこころに小銭を投げつける。私はそれを拾いグーパンで返す。
「偶には自分で買ったら?」
私は初めて腐れ縁3人組に反抗した。
「何? 脅し?」
腐れ縁3人組のリーダー格は、睨みつける。以前の私ならそれで怖気ついていた。
「今度、こころに小銭投げ付けたらサイコロステーキ状に切り刻んで東京湾に沈めるから!」
私は翔太の言ったセリフをそのまま言った。腐れ縁3人組のリーダー格は私が握ったお金を取り返すと逃げて行った。私は翔太がいたおかげで、こころを助けることができた。唯一無二の幼馴染だから。
                ー完ー
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