〜比嘉一維の事件簿〜 『宜野湾女児監禁事件編』

古波蔵くう

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本章

被害届〜捜査

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 月那が、行方不明になって数日。月那の母、恵瑠めぐると父、士影もりかげ、そして兄、景光かげてるが宜野湾警察署に赴き、被害届を出した。
「娘を探してください!」
と。島袋真愛武しまぶくろまなぶ刑事は
「本署と那覇市警察署と連携して捜査します……」
と。言った。宜野湾警察からは、島袋刑事の他、平良鷹一朗たいらよういちろう山城震之助やましろしんのすけ知念晃久ちねんあきひさ宮里咲光みやさとさくみつの4人が彼女の通う小学校や通学路周辺を捜査。
 那覇市警察署からは、宮城英弦みやぎえいと新垣策士あらかきさくし大城瑠一星おおしろるいせい上原功雅うてはらいさまさ下地嵐士しもじあらし、そして最年長刑事の玉城安良太たまきあらたが宜野湾市周辺を2人係で捜査した。住民の聞き込みや他の手がかりがないか捜査はしたものの、難航していた。手がかりや証言は何一つ掴めなかった。事件性もあり、沖縄県警も動いたが、何一つ犯人特定で近づくことはできなかった。沖縄県警では
『宜野湾女児誘拐事件捜査本部』
が立ち上げられた。しかし、容疑者の名前もなく、知っているのは被害者の名前と年齢のみ。どこで拐われたか、今どこにいるのか、それすらわからない。捜査に出た宜野湾警察と那覇市警察の11人は頭を抱えていた。
「どうすりゃいい……前代未聞の事件だぞ?」
宮里刑事は、やるせなさにため息混じりに言う。
「もう、あの時何も出来なかった自分から抜け出さないと!」
下地刑事は『小6女児拉致殺人事件』の被害者の想い人だった。その人が亡くなったため、2度と同じような被害者を出させないという思いから、警察官になった。他の刑事も『小6女児拉致殺人事件』に関わった刑事の父親、祖父、伯父、叔父という関係の人たちばかりだ。玉城刑事以外は。
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