〜比嘉一維の事件簿〜 『宜野湾女児監禁事件編』

本章

時効成立

　３年後。ボランティアの人にも頼んで捜査を依頼した。そして、寝る間も惜しんで怪しいところに張り込みも行った。しかし、怪しい人影も痕跡もなく、捜査期間は時効を迎えた。
「この事件は、時効です……」
瑠一星刑事が月那の家族に告げる。すると、兄の景光が
「妹を探す気があるのか？　アァ！？」
と胸ぐらを掴み、怒鳴る。
「もし、続けたいのであれば私たち刑事が介入しない『民事不介入』という形で、捜査してください」
と。瑠一星は言った。月那の家族は、住民に月那の顔の乗ったポスターを配りまくって、街にも貼った。しかし、他人の子を探してくれるという心優しい人は居なくて、ほとんどのポスターが川に投げ捨てられていた。
　一方、仁一真は
「あと、どれくらいで完済できるんだ？」
と。毎月来る怖いお兄さんに聞く。
「お前の借金、手数料込みで2000万だ！　まだまだ足りない！」
そう言って、去っていく。
「もっと、彼女の全裸生活を投稿しなくちゃ……」
彼は、自室に籠り、映像を投稿する。