ｔ・ｈ・e 陰キャ

番外編

生きる

　ある時、陰友がいきなり自殺の話を始めた。なんだなんだと思い、しっかり聞いてみると、前に自殺をした高校生が自殺した「理由」についてだった。そいつは自殺をする理由がわからないらしく、こう言っていた。「まだ20代にもいかないやつが未来を放棄するなんて意味が分からない」と。つづけて、「中年の奴が人生最悪だったと思って自殺するならまだしも、未来のある奴が放棄するなんておかしい」と。
僕は自殺する理由についてはよくわかっていたので、少し考えた。確かに自殺っていうのはよくないと思うけれど、たいてい自殺する人っていうのは、何か精神的な苦痛だったり、暴力だったり、こういうことをされていることによって精神的に不安定な状態に陥って、周りが見えなくなって、いやなことだけを考えるようになってしまうから、実際問題しょうがないっていうのはあると思う。
そうだとしてもそれで人が死ぬのはだめだと思うし、って言っても僕も自殺したくなることだったらいくらでもあったし、その人が死にたいって思うならそれは近くにいても止めないかもしれない。
　人っていうのは感情があってなんぼで、自殺しようとしている人を止めようとするってことは、人の感情を無視することだといえると思うからぼくは止めない。

　僕だって来世があることを祈ってるし、死んで来世にいきたいっていうことは思ってるから、とりあえずこの人生を生きてみて、夢と希望と推しがいなくなったら死んで来世に行きたいぁ。
　ダメなことなのかもしれないけど来世にやっぱり期待しちゃう。

　
　陰友には自殺したことで救われた奴だっていたのかもしれないってことをわかっては欲しい。



　人生において、生きる理由は1番大事なことだと思う。これはぼくのなかで一番大事にしていることだ。