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144話 GW⑲2日目
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「夏樹待ってよ。」
·····身長が170センチもある相手を155センチの私が追いかけているのきちぃ·····まったく追いつかない。
GWに鬼ごっこをするつもりはなかったんだけどな·····
そんなことを考えているうちに夏樹は人混みの街中へ溶け込もうとする。
それでも私は追かけ······
〈ボスン〉
·····えっ···あっ。
怖そうな男とぶつかった。
サングラスにオールバック、そして見るからに高そうな時計と衣服を身につけるいけすかんデブ男。
「すみません。」
「『すみません』じゃないよ!お嬢ちゃんのせいで高級ブランドの白Tにリップが付着したじゃん!!これはどう責任を取ってもらおうか。」
「クリーニング代を出します。いくらでしょうか?」
·····出掛ける前に亜樹に電子マネーや現金をもらっておいて助かった。
「クリーニング?ふざけるなよ。それじゃお昼にこれを着て彼女とデートをする予定なのに間に合わねぇよ。服を新しく買えよ。」
「わかりました。いくらですか?」
····亜樹の金があるし10万ぐらいなら余裕でしょ。
でもこの男クソだな。
そんなブランドの品の衣服とか着ているなら、徒歩じゃなく車で移動しろよ!偽金持ちが!!
「ぶつかられて、心的外傷も負ったから300万円を払ってもらおうか。」
「は?流石に無理ですよ。そんなに払えません。」
······こいつ、私が未成年だからってふっかけてやがる。
ていうかもしかして当たり屋なのでは?
ぶつかった相手から金品をせしめる悪徳非道の。
「払えないなら他の手段しかないな。お嬢ちゃん、わりと可愛いしちょっとお兄ちゃんと遊ぼうか。」
不気味な声でデブ男はそう言い、私の腕を掴んで何処かに連れて行こうとする。
「キャーーやめてください。嫌だ!行きたくない!!」
必死に抵抗する私。
しかし相手は大人の巨漢だから無意味だった。
······何をされるかわからないけど、どうせろくでもないことだろうな。
こんなことなら初めては亜樹か夏樹にあげたかったな。
私の中でもう諦めムードだったそのとき。
「おっさん、大の大人がロリコンはキモいよ。それに身につけているブランド品····全部パチモンだから。」
「夏樹·····」
·····途中で見失ったのにいつの間に。
もしかして追いかけて来なくなった私を心配して戻ったとか·····もしそうだったら嬉しいな。
「は?なんでそんなことがわかるんだよ、クソガキ。」
「俺····服とかアクセサリーが好きで、ブランド品とかよくチェックするしたまに買うからわかるんだよね。」
「ガキのクセにブランド品を買うとかませてやがる。」
「今は普通だよおっさん。それよりおっさんが掴んでいる腕の女···俺のだから今すぐその薄汚い豚足を離せよ。」
「夏樹·····」
······少しワードが下品だけど少女漫画みたいで良き♥
「クソガキ!!」
デブ男が私の腕を離した後、怒りに任せに夏樹に襲いかかる。
「単純w」
そう言い、夏樹はデブ男を大外刈りで華麗に転ばせた。
「ぐへぇ····」
「おっさん、これ以上痛い目に遭いたくなければさっさと消えてくれないかな。正直彼女を怖がらせたこと、赦せてないから俺····何するかわからないよw」
笑顔だが、ドスのきいた低い声でデブ男を脅す。
「わかったよ。いなくなればいいんだろ。」
デブ男はそそくさと退散した。
「美月、大丈夫か?」
さっきとはまるで違う甘く、優しい声で夏樹は私を抱き締める。
「うん····」
私はただ···それに身を委ねるだけだった。
·····身長が170センチもある相手を155センチの私が追いかけているのきちぃ·····まったく追いつかない。
GWに鬼ごっこをするつもりはなかったんだけどな·····
そんなことを考えているうちに夏樹は人混みの街中へ溶け込もうとする。
それでも私は追かけ······
〈ボスン〉
·····えっ···あっ。
怖そうな男とぶつかった。
サングラスにオールバック、そして見るからに高そうな時計と衣服を身につけるいけすかんデブ男。
「すみません。」
「『すみません』じゃないよ!お嬢ちゃんのせいで高級ブランドの白Tにリップが付着したじゃん!!これはどう責任を取ってもらおうか。」
「クリーニング代を出します。いくらでしょうか?」
·····出掛ける前に亜樹に電子マネーや現金をもらっておいて助かった。
「クリーニング?ふざけるなよ。それじゃお昼にこれを着て彼女とデートをする予定なのに間に合わねぇよ。服を新しく買えよ。」
「わかりました。いくらですか?」
····亜樹の金があるし10万ぐらいなら余裕でしょ。
でもこの男クソだな。
そんなブランドの品の衣服とか着ているなら、徒歩じゃなく車で移動しろよ!偽金持ちが!!
「ぶつかられて、心的外傷も負ったから300万円を払ってもらおうか。」
「は?流石に無理ですよ。そんなに払えません。」
······こいつ、私が未成年だからってふっかけてやがる。
ていうかもしかして当たり屋なのでは?
ぶつかった相手から金品をせしめる悪徳非道の。
「払えないなら他の手段しかないな。お嬢ちゃん、わりと可愛いしちょっとお兄ちゃんと遊ぼうか。」
不気味な声でデブ男はそう言い、私の腕を掴んで何処かに連れて行こうとする。
「キャーーやめてください。嫌だ!行きたくない!!」
必死に抵抗する私。
しかし相手は大人の巨漢だから無意味だった。
······何をされるかわからないけど、どうせろくでもないことだろうな。
こんなことなら初めては亜樹か夏樹にあげたかったな。
私の中でもう諦めムードだったそのとき。
「おっさん、大の大人がロリコンはキモいよ。それに身につけているブランド品····全部パチモンだから。」
「夏樹·····」
·····途中で見失ったのにいつの間に。
もしかして追いかけて来なくなった私を心配して戻ったとか·····もしそうだったら嬉しいな。
「は?なんでそんなことがわかるんだよ、クソガキ。」
「俺····服とかアクセサリーが好きで、ブランド品とかよくチェックするしたまに買うからわかるんだよね。」
「ガキのクセにブランド品を買うとかませてやがる。」
「今は普通だよおっさん。それよりおっさんが掴んでいる腕の女···俺のだから今すぐその薄汚い豚足を離せよ。」
「夏樹·····」
······少しワードが下品だけど少女漫画みたいで良き♥
「クソガキ!!」
デブ男が私の腕を離した後、怒りに任せに夏樹に襲いかかる。
「単純w」
そう言い、夏樹はデブ男を大外刈りで華麗に転ばせた。
「ぐへぇ····」
「おっさん、これ以上痛い目に遭いたくなければさっさと消えてくれないかな。正直彼女を怖がらせたこと、赦せてないから俺····何するかわからないよw」
笑顔だが、ドスのきいた低い声でデブ男を脅す。
「わかったよ。いなくなればいいんだろ。」
デブ男はそそくさと退散した。
「美月、大丈夫か?」
さっきとはまるで違う甘く、優しい声で夏樹は私を抱き締める。
「うん····」
私はただ···それに身を委ねるだけだった。
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