異世界大家族〜お母さんは大変です

第247話 子供視点20①‐¹

　……この空気…気まず……お母さんのせいで最悪だ。

アインス　「ガイ伯父さん、ガーネットさん……あの……うちの母がすみません。」

ガイ　「アインス君は気にしなくて大丈夫だよ。オレ達が悪いんだし。なぁ？ガーネット。」

ガーネット　「そうね……」

　そう言ったガーネットさんの目はとても冷たかった。

アインス　「本当にすみません。」

ガイ　「いいよいいよ…それよりせっかく我が家に1ヶ月も滞在するのだから有意義に時間を使おう。」

アインス　「そうですね……僕は筋肉を鍛えるためにここに残ったんですしね……じゃあ…手始めに近所周り走って来ます。」

　……ガーネットさんから離れたいし。

ガイ　「待ちなよアインス君。」

アインス　「何ですか？」

ガイ　「ここいらはのどかに見えるけど、Ｂ級以上の冒険者がいないと対処出来ないような魔物が出現することがあるから1人では危ないよ。」

アインス　「そうなんですか…」

　……そんなところに家建てるなよ。

ガイ　「だからオレも行くよ。腐ってもA級冒険者だし。」

アインス　「へぇ…ガイ伯父さん、お母さんと同じ冒険者だったんですね。でも『腐っても』っていうことはあまり活動していないんですか？」

ガイ　「まぁね。今は副業に専念しているから。」

アインス　「副業は何をしているんですか？」

ガイ　「ボディスペシャリスト。」

アインス　「ボディスペ…何ですかそれ…？」

　……聞いたことがない。

　職業なのかな……

ガイ　「わかりやすく言うなら体に関するプロって感じかな。」

アインス　「へぇ…よくわかりませんが凄いですね。尊敬します。でもA級冒険者なら冒険者の方が稼げるんじゃないですか？」

ガーネット　「アインス君、私の旦那様はボディスペシャリストの中でもトップだからA級冒険者として活動するよりも稼いでるの。だからいいのよ。」　　

アインス　「そうなんですか、凄いですね。」

ガーネット　「そうよ、凄いのよ。素人のあなたにはわからないだろうけど。」

アインス　「はい…そうですね。」

　……ガーネットさんきついな……お母さんが来る前は優しかったのに……

ガイ　「ガーネット、子供相手に向きにならない。」

ガーネット　「だって…アインス君が舐めたことを言うからあなたの凄さをわからせたかったのよ。」

ガイ　「ありがとうね。でも駄目だよ。」

ガーネット　「はい…」

ガイ　「アインス君、ガーネットがごめんね。」　
　
アインス　「いぇ…僕もボディスペシャリストのことは不勉強だったのですみません。」

ガイ　「いいよいいよ…気にしないで。それより走りに行こう。おすすめのスポットがあるからそこを紹介してあげる。」

アインス　「ありがとうございます。とても楽しみです。」

　……ガイさん良い人だな…心が広い。

　僕もガイさんみたいな筋肉がつけばこんな優しくて頼もしい人になれるかな……なりたいな。

ガイ　「よっしゃ…じゃあ行こうか。」

アインス　「はい…」

〈ｶﾞﾁｬ〉

ガイヤ　「ふぅ…今日のノルマ達成♪」

ガーラ　「お互いいい汗かいたね～ん？父さん達どこか行くの？」

ガイ　「お…ガイヤ、ガーラちょうどいい。今からアインス君と近所を走りに行くところだったんだ。お前達も来るか？」

ガイヤ&ガーラ　「行く！面白そうだし。」

ガイ　「よっしゃ！楽しくなりそうだ。じゃあ4人で行こう！」

アインス　「はい。」

ガイヤ&ガーラ　「うん。」

ガーネット　「行ってらっしゃい。夜も遅いから気を付けてね。」

ガイ　「問題ない。オレがいるから。」

ガイヤ　「ふぅ～父さん格好良い♪」

ガーラ　「頼りになる～」

ガイ　「こらこらからかうな。まぁ行くぞ。」

アインス　「はい。」

ガイヤ&ガーラ　「うん。」

〈ｶﾞﾁｬ〉