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11話
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セレス王子が去った後、別荘の空気はさらに重く沈んでいた。
ディルク殿下は、まるで僕がどこかへ消えてしまうのを恐れるかのように、片時も僕の側を離れようとしない。
食事の時も、着替えの時も、そして風呂の時までも。
「殿下……。さすがに、お風呂までついてくるのは……」
「……ダメだ。セレスのような奴は、どんな隙も逃さない。君が一人でいる時間を、私は一秒も許さないことにした」
ディルク殿下の黄金の瞳は、これまでにないほど深く、暗い色に沈んでいる。
湯気に煙る浴室で、服を着たままの殿下が、湯船に浸かる僕をじっと見つめている。
その視線が、まるで物理的な熱を持って肌を焼くようだ。
『……怖い。レアンを奪われるのが、こんなに怖いなんて。……あのセレスがレアンの肌に触れることを想像しただけで、魔力が暴走しそうだ。……いっそ、君を魔法で眠らせて、誰の手も届かない地下深くの宮殿に永遠に閉じ込めてしまいたい。……そうすれば、君は私だけのもの。私の声だけを聴き、私の熱だけを感じて生きていける……』
(……殿下、本気で監禁の準備を始めてる!?)
殿下の本音は、もはや「保護」の域を超え、純然たる「支配欲」へと変貌していた。
彼はゆっくりと浴室の縁に膝をつき、濡れた僕の髪を愛おしそうに撫でる。
「レアン。君は、私を裏切ったりしないよね?」
「……裏切るなんて、そんな。僕は殿下のものです」
僕がそう答えると、殿下の瞳に、歪んだ歓喜の色が浮かんだ。
『……そうだ、レアン。君は私のものだ。……ならば、その証拠を、もっと深く、誰の目にも明らかな場所に刻みつけなければ。……今夜は、君の体に私の魔法で『消えない刻印』を施そう。……君が誰のものでもない、ディルク・フォン・エトワールの唯一の所有物であることを、その魂にまで刻んでやるんだ……』
(……刻印!? 何それ、原作にそんな設定あったっけ!?)
恐怖に震える僕を、殿下はそのままお湯の中から抱き上げた。
濡れたままの体が、殿下の軍服を濡らしていくが、彼は全く気にする様子もない。
「……ユストス。今夜は誰も近づけるな。……例え国王陛下であってもだ」
廊下に控えていたユストスに、殿下は低く冷たい声で命じる。
ユストスは一瞬だけ、僕を憐れむような、あるいは嫉妬するような視線を向けたが、すぐに頭を下げた。
『……殿下。あなたは、そこまでレアン様を追い詰めるのか。……魂に刻印を刻むなど、禁忌に近い術だ。……だが、それを止められない自分が憎い。……レアン様。もしあなたがその重圧に耐えきれなくなった時は……私が、あなたを地獄の果てまでお連れします。……その美しい翼を、私が折ってでも……』
(……騎士様も、結局そっち側なの!?)
寝室の扉が閉まり、魔法の鍵が幾重にもかけられる音がした。
広いベッドの上に下ろされた僕は、殿下の放つ圧倒的な魔力と、耳元で鳴り響く「過激すぎる愛の独白」に、ただ翻弄されるしかなかった。
「……さあ、始めようか、レアン。……君のすべてを、私だけのものにする、聖なる儀式を」
殿下の手が、僕の胸元に当てられる。
そこから流れ込んでくる熱い魔力は、ディルク殿下の「執着そのもの」だった。
夜は始まったばかり。
そして僕の体は、この夜を境に、二度とディルク殿下なしではいられないように作り変えられようとしていた。
ディルク殿下は、まるで僕がどこかへ消えてしまうのを恐れるかのように、片時も僕の側を離れようとしない。
食事の時も、着替えの時も、そして風呂の時までも。
「殿下……。さすがに、お風呂までついてくるのは……」
「……ダメだ。セレスのような奴は、どんな隙も逃さない。君が一人でいる時間を、私は一秒も許さないことにした」
ディルク殿下の黄金の瞳は、これまでにないほど深く、暗い色に沈んでいる。
湯気に煙る浴室で、服を着たままの殿下が、湯船に浸かる僕をじっと見つめている。
その視線が、まるで物理的な熱を持って肌を焼くようだ。
『……怖い。レアンを奪われるのが、こんなに怖いなんて。……あのセレスがレアンの肌に触れることを想像しただけで、魔力が暴走しそうだ。……いっそ、君を魔法で眠らせて、誰の手も届かない地下深くの宮殿に永遠に閉じ込めてしまいたい。……そうすれば、君は私だけのもの。私の声だけを聴き、私の熱だけを感じて生きていける……』
(……殿下、本気で監禁の準備を始めてる!?)
殿下の本音は、もはや「保護」の域を超え、純然たる「支配欲」へと変貌していた。
彼はゆっくりと浴室の縁に膝をつき、濡れた僕の髪を愛おしそうに撫でる。
「レアン。君は、私を裏切ったりしないよね?」
「……裏切るなんて、そんな。僕は殿下のものです」
僕がそう答えると、殿下の瞳に、歪んだ歓喜の色が浮かんだ。
『……そうだ、レアン。君は私のものだ。……ならば、その証拠を、もっと深く、誰の目にも明らかな場所に刻みつけなければ。……今夜は、君の体に私の魔法で『消えない刻印』を施そう。……君が誰のものでもない、ディルク・フォン・エトワールの唯一の所有物であることを、その魂にまで刻んでやるんだ……』
(……刻印!? 何それ、原作にそんな設定あったっけ!?)
恐怖に震える僕を、殿下はそのままお湯の中から抱き上げた。
濡れたままの体が、殿下の軍服を濡らしていくが、彼は全く気にする様子もない。
「……ユストス。今夜は誰も近づけるな。……例え国王陛下であってもだ」
廊下に控えていたユストスに、殿下は低く冷たい声で命じる。
ユストスは一瞬だけ、僕を憐れむような、あるいは嫉妬するような視線を向けたが、すぐに頭を下げた。
『……殿下。あなたは、そこまでレアン様を追い詰めるのか。……魂に刻印を刻むなど、禁忌に近い術だ。……だが、それを止められない自分が憎い。……レアン様。もしあなたがその重圧に耐えきれなくなった時は……私が、あなたを地獄の果てまでお連れします。……その美しい翼を、私が折ってでも……』
(……騎士様も、結局そっち側なの!?)
寝室の扉が閉まり、魔法の鍵が幾重にもかけられる音がした。
広いベッドの上に下ろされた僕は、殿下の放つ圧倒的な魔力と、耳元で鳴り響く「過激すぎる愛の独白」に、ただ翻弄されるしかなかった。
「……さあ、始めようか、レアン。……君のすべてを、私だけのものにする、聖なる儀式を」
殿下の手が、僕の胸元に当てられる。
そこから流れ込んでくる熱い魔力は、ディルク殿下の「執着そのもの」だった。
夜は始まったばかり。
そして僕の体は、この夜を境に、二度とディルク殿下なしではいられないように作り変えられようとしていた。
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