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13話
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深い、深い闇の中から僕を引き戻したのは、鼓膜を震わせるような巨大な爆発音だった。
別荘全体が激しく揺れ、豪華な調度品がガタガタと音を立てる。
「……っ、何……!?」
僕は飛び起きたが、全身がひどく重だるい。
特に昨夜刻印を施された胸のあたりが、外部から放たれる不穏な魔力に反応して、ドクドクと不快な脈動を繰り返している。
隣で僕を抱きしめていたはずのディルク殿下は、すでにベッドの上に立ち上がり、鋭い眼光を窓の外へ向けていた。
「――ディルク! そこにいるのは分かっているぞ! 私の獲物を、いつまで独り占めするつもりだ?」
夜の静寂を切り裂いて響くのは、あの銀髪の略奪者――セレス王子の、愉悦に満ちた挑発的な声だった。
窓の外を見れば、別荘を囲む森が魔法の炎で赤く染まり、上空には銀色の魔法騎士団が旋回している。
「……セレス。死に場所を選びに来たか。レアンとの神聖な時間を邪魔した罪、その命で償ってもらおう」
ディルク殿下の声は、これまでに聞いたことがないほど冷酷で、殺気に満ちていた。
彼は上半身裸のまま、壁にかけられた名剣を手に取った。
その背中には、僕に刻まれたものと同じ紋章が、呼応するように禍々しく光っている。
『……殺す。私のレアンを、私の宝物を奪おうとする不届き者は、たとえ隣国の王子であろうと粉々に砕いてやる。……レアンは今、私の刻印を受け入れたばかりで、一番繊細な状態なんだ。……そこに他人の汚い魔力を近づけさせるわけにはいかない。……ユストス! レアンを守れ! 一歩でもこの部屋に近づける者は、即座に処刑しろ!』
扉が荒々しく開き、フル装備のユストスが飛び込んできた。
「ディルク殿下! セレス王子の私兵団が、外周の防御結界を強引に突破しました! 彼らの狙いは、間違いなくレアン様です!」
ユストスの瞳には、騎士としての使命感と、そして僕への歪んだ独占欲が渦巻いている。
彼は僕の方へ視線を向けたが、その脳内の声は、この緊急事態にあってもなお、僕への執着に溢れていた。
『……ああ、レアン様。シャツがはだけて、殿下の刻印が……。なんと痛ましく、そしてなんと官能的な。……セレスの手になど渡してたまるか。……いっそ、この混乱に乗じて私がレアン様を連れて地下通路から逃げれば……。……いや、今は耐えるんだ。殿下にセレスを削らせ、その隙に私が……。レアン様を安全な、私だけの場所に……。……大丈夫です、レアン様。私が、あなたを守ります。誰にも触れさせはしない……』
(……騎士様、本当にこの事態をチャンスだと思ってない!? 顔は真剣なのに、中身は殿下と変わらないくらいヤバいよ!)
「ユストス、レアンを頼んだぞ。……私は、あのハイエナを片付けてくる」
ディルク殿下は窓から夜の庭園へと飛び降りた。
直後、空を割るような衝撃波が広がり、二人の最強王子の激突が始まった。
金色の魔力と銀色の魔力がぶつかり合い、別荘の美しい庭園が瞬く間に瓦礫の山へと変わっていく。
「くくく、ディルク。随分と必死じゃないか。……それほどまでに、あの悪役令息が愛おしいか?」
セレス王子の声が、風に乗って僕の脳内に届く。
『……ああ、素晴らしい。ディルクがこれほどまでに理性を失い、獣のように吠えるとは。……それほど価値のある獲物なのだな、レアン。……奪いがいがある。君をディルクから引き剥がし、その心を絶望で満たして、私を殺してくれと泣き叫ぶまで犯してやりたい。……レアン、君の瞳は、壊れた時が一番美しく輝くんだろうな?』
(………………助けて。この世界、本気で執着攻めしかいないの……!?)
僕は、ベッドの上でシーツを握りしめながら震えていた。
胸の刻印が、ディルク殿下の怒りと焦燥に共鳴して、火がついたように熱い。
このままでは、僕を巡ってこの国が、いや、世界が滅んでしまう。
何とかして、この狂った執着の連鎖を止めなければならない。
僕は、震える足で床に立ち上がった。
別荘全体が激しく揺れ、豪華な調度品がガタガタと音を立てる。
「……っ、何……!?」
僕は飛び起きたが、全身がひどく重だるい。
特に昨夜刻印を施された胸のあたりが、外部から放たれる不穏な魔力に反応して、ドクドクと不快な脈動を繰り返している。
隣で僕を抱きしめていたはずのディルク殿下は、すでにベッドの上に立ち上がり、鋭い眼光を窓の外へ向けていた。
「――ディルク! そこにいるのは分かっているぞ! 私の獲物を、いつまで独り占めするつもりだ?」
夜の静寂を切り裂いて響くのは、あの銀髪の略奪者――セレス王子の、愉悦に満ちた挑発的な声だった。
窓の外を見れば、別荘を囲む森が魔法の炎で赤く染まり、上空には銀色の魔法騎士団が旋回している。
「……セレス。死に場所を選びに来たか。レアンとの神聖な時間を邪魔した罪、その命で償ってもらおう」
ディルク殿下の声は、これまでに聞いたことがないほど冷酷で、殺気に満ちていた。
彼は上半身裸のまま、壁にかけられた名剣を手に取った。
その背中には、僕に刻まれたものと同じ紋章が、呼応するように禍々しく光っている。
『……殺す。私のレアンを、私の宝物を奪おうとする不届き者は、たとえ隣国の王子であろうと粉々に砕いてやる。……レアンは今、私の刻印を受け入れたばかりで、一番繊細な状態なんだ。……そこに他人の汚い魔力を近づけさせるわけにはいかない。……ユストス! レアンを守れ! 一歩でもこの部屋に近づける者は、即座に処刑しろ!』
扉が荒々しく開き、フル装備のユストスが飛び込んできた。
「ディルク殿下! セレス王子の私兵団が、外周の防御結界を強引に突破しました! 彼らの狙いは、間違いなくレアン様です!」
ユストスの瞳には、騎士としての使命感と、そして僕への歪んだ独占欲が渦巻いている。
彼は僕の方へ視線を向けたが、その脳内の声は、この緊急事態にあってもなお、僕への執着に溢れていた。
『……ああ、レアン様。シャツがはだけて、殿下の刻印が……。なんと痛ましく、そしてなんと官能的な。……セレスの手になど渡してたまるか。……いっそ、この混乱に乗じて私がレアン様を連れて地下通路から逃げれば……。……いや、今は耐えるんだ。殿下にセレスを削らせ、その隙に私が……。レアン様を安全な、私だけの場所に……。……大丈夫です、レアン様。私が、あなたを守ります。誰にも触れさせはしない……』
(……騎士様、本当にこの事態をチャンスだと思ってない!? 顔は真剣なのに、中身は殿下と変わらないくらいヤバいよ!)
「ユストス、レアンを頼んだぞ。……私は、あのハイエナを片付けてくる」
ディルク殿下は窓から夜の庭園へと飛び降りた。
直後、空を割るような衝撃波が広がり、二人の最強王子の激突が始まった。
金色の魔力と銀色の魔力がぶつかり合い、別荘の美しい庭園が瞬く間に瓦礫の山へと変わっていく。
「くくく、ディルク。随分と必死じゃないか。……それほどまでに、あの悪役令息が愛おしいか?」
セレス王子の声が、風に乗って僕の脳内に届く。
『……ああ、素晴らしい。ディルクがこれほどまでに理性を失い、獣のように吠えるとは。……それほど価値のある獲物なのだな、レアン。……奪いがいがある。君をディルクから引き剥がし、その心を絶望で満たして、私を殺してくれと泣き叫ぶまで犯してやりたい。……レアン、君の瞳は、壊れた時が一番美しく輝くんだろうな?』
(………………助けて。この世界、本気で執着攻めしかいないの……!?)
僕は、ベッドの上でシーツを握りしめながら震えていた。
胸の刻印が、ディルク殿下の怒りと焦燥に共鳴して、火がついたように熱い。
このままでは、僕を巡ってこの国が、いや、世界が滅んでしまう。
何とかして、この狂った執着の連鎖を止めなければならない。
僕は、震える足で床に立ち上がった。
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