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触手の恩返し

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「……えっ」

朝起きると、スノウが洗面所で「俺」に犯されてた。
正確にはちょっと四肢や一部が半透明に緑色でちょっと爽やかな「俺」に。

「ん゛ぉおっ♡レオしゃっ♡レオさまっ♡お゛っ♡たしゅけてっ♡♡♡も゛っ♡や♡お゛おぉ゛っ♡♡お尻じゅぽじゅぽ♡やめてくらさいっ♡♡♡」

「おはようございます、レオン様」

「俺」はひいひい泣いてるスノウから陰茎を引き抜くと笑顔でなぜか俺に握手を求めてくる。
怖いので一歩引く、スノウも限界だったらしくその場へ崩れ落ち、緑の俺はあぁ、と苦笑して改めた。

「俺ですよ、いつもあなたに食事を貰っていた」

「……えっ?」

「ピギ吉」

「……」

少しの眩暈と頭痛。
とりあえずスノウが可哀想なのでソファへ運び上から毛布をかけ、ゆっくり腰を落ち着けてどう言う経緯か確認してみることにした。

「俺は触手を統べる王として歩む事を運命づけられています」

「……」

ピギ吉(仮)はマグの中のお湯を見つめて不思議そうにした後、結局口をつけず机に置き、王子様のような笑顔のまま話始める。
…なんというか俺、やる気出すとこんな顔できるんだ。
胡散臭いので気をつけよう。

「長年あの土地で様々な生き物の精を吸いそれを糧としてきましたが、そんな俺がより確実に精を搾る……
相手を“雌”として服従させる“雄”だと、参考にすべき対象だと思ったのは体躯の発達したオークや叡智を湛えるエルフではなくあなたという“個”だったんです、レオン様」

「…は?」

なんかちょっと興奮しているピギ吉が怖い、というかただただ下半身の緩いバカなのを変に褒め殺されていて辛い。

「あなたを通じ色々な搾り方を教わりました。
…ですが、難しいことにあなたと同じように搾る事は未だ適わない……。
そこで、あなたと同じ姿を模してみようと思ったんです、同じ視界の高さなら違うものも得れるかと思いまして」

ピギ吉が熱弁している正面では寝ぼけたスノウが俺の腰に抱きついて勝手に人の足の上で膝枕を楽しんで安らかな顔をしている。
それを見たピギ吉は「そういうのです」と呟いていた。

「残念な事にそれでも餌は正気を完全には捨てきれなかったようで、ずっと戸惑いと困惑の声の中レオン様を探していました。
……情緒、なのでしょうか。難しいものです」

とりあえず自分が食べるものを「餌」って言うのはやめた方がいいしスノウを「餌」って言うのも可哀想なのでやめて差し上げて欲しい。

ピギ吉としては餌として嬉々として自分の身を差し出してくるメス奴隷を量産したいようで、母体はそれを出来ていたじゃないか、と言うと静かに首を振っていた。

「あれは洗脳魔法を施していましたので…、世界征服規模で苗床と餌を増やすのにあれではコストパフォーマンスがかなり悪い。
餌どもには彼のように本心から搾取を悦び身を捧げて欲しいのです、楽なので」

「……」

前提としてメス奴隷なんて不名誉な称号で喜んで寄ってきてるのは多分スノウだけ…あ、どうしようちょっと自信ない、知り合いに変態が増えすぎた。

それでも人類代表として触手の王が世界征服を悪びれもなくカミングアウトしてきてるのも、そいつが「俺」を模してるのも何もかもがマズイ。

…あと今更だけど服着て欲しい。

なんで3人いてちゃんと服着てるのが俺だけなんだ、俺の顔で一部半透明とはいえ全裸でキラキラした目をするな。

「俺は考えたのです。精液メス奴隷を量産するためには俺がそれを味わってみるしかないのだと」

「は?」

脳内の変な部位が「また人の話を聞かずに盛り上がる変態が増えた」と呆れているが、今回はなにせ俺の顔をしているのでやめて欲しい。
綺麗な俺、発言は汚い。

「なにせ触手とスライムの中間生物ですからね、新感覚を体験できる事請け合いですよ?
一回ちゃんとメスアクメ体験させてください、…ママ♡」

「…やめろやめろ!
母子も父子も普通ヤんねーんだよバーカ!!んで俺はお前のような子ども認知しないからな!!」

「普通みだりに不特定多数とレオン様…いや、ママの文化圏では関係を持たないと記憶しています、ママの許容する普通と許容できない普通の間に定義はあるのでしょうか?
また、親子とはなんなのでしょう?
親が認めなければ子ではありませんか?血のつながりが重要なのですか?今俺が挙げた例が無ければ親子ではないと切り捨てられてしまうのですか?」

「わかんない!!!難しい話しないで!!!」

「ほら、じゃあセックスしましょう?それなら簡単でしょう?」

「うん!!!!」

俺は俺とハグを交わした。
本当に、色々面倒になると楽な方に逃げる悪癖を直さないとそのうち大変な事になると思う。

ピギ吉は普段触れている通りひんやりかつもちもちした不思議な感触をしていて、見た目の肌色のちゃんとしているところもこんな感じなのかと頬に触れると混乱する。
俺は世界で一番俺が美しいと思っているがいくらなんでも俺とキスするのはキツイ。

ピギ吉もそれは察してくれたらしく乳首を捏ねながらゆっくり跪くと陰茎を取り出してまだ萎えたそれを舌先でぺろぺろと転がし始めた。

「ふむ…、やはり形状は完璧に模せているはず…何が違うのでしょう」

不思議そうに口内にそれを咥え、普通なら絶対に歯が当たるような小さく開いた口で陰茎へまとわりつきぬぽぬぽ顔を前後させている。
透けた頬越しに透明な粘膜の中を陰茎が出入りしているのが見え、柔らかいスライムで陰茎を包まれるのは確かに今までに慣れていない感触でちょっと気持ちいい。

「あ、ちなみに餌にはこのまま細い触手を尿道から送り込んで内外同時に媚薬まみれにしました」

「絶対俺にはすんなよ」

じゅぽ♡と勢いよく陰茎を跳ねさせ口から出し、細いヒモのように枝分かれした舌先をにょろにょろピギ吉は動かしてみせる。
結構ヒモが太くて俺としては痛そうで恐怖しかないけどピギ吉曰くこれでスノウは白目を剥いて腰を振りたくったらしい。
…まぁ好きそうだしなぁ、となんか遠い目をしてしまった。

「うーん…?けれど確かに、餌の汁とは全然違いますね…こう、濃いというか。
餌には無い味で…俺は好みませんが参考にはなります」

「…ドーモ」

なんで自分の顔の男が精液ソムリエしてるのを見ないといけないんだろう。
一瞬萎えそうになるが、ピギ吉は俺を座らせるとまた喉奥まで深く咥えてそのまま大人しく動かなくなった。

「……っ♡」

こっちを見つめて目を細めて笑っている、どうも口内や喉に柔毛を出しているみたいで動いていないのに陰茎をくすぐるような刺激と、何度も汲むように上下に締め上げられる感触が同時にする。

流石スライム。
初めての芸当に感心して、こんなに深く咥えてもらっても問題ないならと自分の顔相手でいつにも増して遠慮のないままに顔を掴んで喉奥を貫くくらいのつもりで腰を打ちつけてみた。

「……っ!?♡ぐっ♡ふぅっ♡♡♡」

急に動かれてびっくりしたのかピギ吉の肌の緑の面積が一瞬増えて戻って俺もびっくりした。
器官っぽい箇所を通過すると亀頭がまた粘膜に包まれて、それが気持ちよかったので何度も狙ってそこまで犯した。

「~っ♡♡♡んごっ♡お゛っ♡ごふっ♡ごぽっ♡♡♡」

変な音がして、急にピギ吉が逃げるように顔を引いた。
けれど出したかったし、搾精で世界征服を狙ってる触手だしいけるだろと思ってもう一度顔を掴んで喉奥で射精する。

「あー、これ良いな、スノウの気持ちわかったかも」

首の後ろの緑の箇所が半透明だったのが白濁色へ汚れていく。
手足をばたつかせて悶えている様とかなかなか真に迫っていて、俺の顔なのが気に食わないがメス奴隷を集めたいとか言ってたけどちゃんとオナホ方面でも搾精できるように練習はしていたのかと勤勉さにちょっと感心した。

「げほっ♡ごふっ…♡こ、これが餌の視界…?し、しぬ…♡」

「俺の顔でそういう悩ましげな表情すんのやめない?」

ピギ吉は肩で息をしながら「まっず」とか俺のにケチをつけていてなんか傷つく。
けれど呼吸を整えると四つん這いになって、恥ずかしげもなく尻と人には無い変な柔毛の密集した、あまりに良さそうで突っ込むのを躊躇うようなグロ構造の穴を見せつけてきた。

「こんなもので収まるレオン様じゃあないでしょう♡ほら、人ができない食べ方でおちんぽご奉仕しますよ♡♡♡
他のメスみたいにずぽずぽおちんぽで犯してください♡」

「…うー…ん…」

なんかが気に食わなくて、その正体が分かったのでスノウにかけていた毛布を剥がしてピギ吉の顔にかける、それから突っ込むとさっきよりはちょっと気分が上がった。

「え?なにを…!?♡ん゛ぉっ♡これ、ふ、な、なかなかっ♡♡やはりすごいですね♡ちんぽが穴みちみち拡げてるっ♡♡♡」

「いや、自分の顔本気で無理で…。苦しかったらごめん」

背中から上に毛布をかけた上後ろからずぽずぽ犯す。

多分ここまでしないと俺がヤる気になれないこの世で唯一の容貌なのだがその「搾るため」だけにある完全な性器は外見通り凶悪で、根元まで強く締め付けてくる癖に柔毛がざりざり♡と裏筋を舐め上げて粘液を分泌させるし、
自分に似た声なのが心外だが動くとその声が絶叫しながら良い場所を伝えてくるのでそこを突くと体温で温められ生温いスライム肉が波打って震え気持ちいい。

「スライムって玉とか乳首触られるのって気持ちいいの?」

「……っ!?♡し、しらなっ♡んぐっ!?♡♡♡じゅぽじゅぽちんぽ♡しながら胸やめ…っ♡♡♡俺はメスじゃない♡ん゛ぉおおっ♡♡」

反応を見る限り気持ちいいんだろうか。
見た目は俺の体なのに感触がスライムなので乳首もなんかぷよぷよしてて、揉んでて楽しい。

柔軟にのびる胸全体を掴んで引き、それを支えに腰を打ちつけるとピギ吉はまた何か騒ぎ始めた。

「それやめろ♡♡はげし…っ!ぐぅうっ♡♡♡ちんぽ♡勝手に挿れるな♡俺、使うなっ♡♡♡」

「え?せっかくのメスイキ体験ツアーじゃなかったっけ?
せっかくだし全部味わっときなよ、新感覚かなんか」

「ゔゔゔゔゔっ!?♡♡♡奥っ♡捏ねてキスやめろ♡♡」

ピギ吉の身体から水滴が跳ねるほど激しく突いてたから、そういうのは嫌かな、と思い優しく奥を突いて、亀頭の先端に何かすこし弾力がある球体が当たるのを楽しんでいたのにピギ吉はさっきまでの余裕も口調も全部壊して毛布の下で腰を何度も跳ねさせアナルからも粘液を溢れさせ続けている。

本物のスライムなんかだと体の中央に核があって、それを壊されると死ぬんだけど亀頭に当たってるそれも似たようなやつだったりするんだろうか。

「……」

「んひっ♡しぬっ♡♡殺される♡♡♡ちんぽで核潰されて死ぬっ♡」

そんなことあるわけないか。
そんなに大事な物をちんぽで押されたら俺なら泣くし中断して逃げる。

こんな腰をヘコつかせながらいつまでも四つん這いになってるあたり、「嫌とか言った方が俺が興奮する」みたいな大方サービス精神だろう。

「ほらもっと迎え腰で頑張って、ピギ吉がバカにしてる餌ならもっとちゃんと精液ちょうだい♡って惨めに尻振るよ?メス体験なんだろ?」

「……ふっ♡うゔぅ……♡やだ、核にザーメンかけられる…♡やだぁ…♡♡♡」

言葉と裏腹にピギ吉のアナルは俺のにぴったり張り付いて先端を細い毛が何度も磨いてまで精液を出させようと媚びている。
だから偉いね、と褒めて亀頭に当たる核とやらに直接射精するよう尿道を押し付け、ぎゅ♡と勢いのまま射精すると変な高い声と一緒にピギ吉は身体を跳ねさせた。

「おっ♡おぉっ?♡♡♡んぉ…♡や、やらっ♡♡♡おわるっ♡雄っ♡潰されるっ♡核溺れてりゅっ♡♡♡せーしっ♡人の精子で核死んでるっ♡♡♡んぶっ♡♡♡」

そのまま倒れ伏し、まもなくピギ吉はいつもの可愛い手のひらサイズにびしゃ、と液状化して溶けた。

「…なんだったんだろ?」

俺は宿のリビングを盛大に水浸しにしたので怒られないよういつも通り平謝りと宿代以上のお気持ちを主人に渡したのだった。

====

「…レオ様、まだピギ吉は体調が悪いのか?」

「うん、悪い物食べてお腹痛いって」

それから数日、ピギ吉は本人曰く「暴飲暴食でお腹を壊した」らしく水と日光(ピギ吉的素食らしい)だけで健全に過ごし生活を改善しようとしている。

「流石に心配だな、…私はどこかこう…ピギ吉に友情のような物を感じているだけにとくに」

「ははは、そう」

…スノウがピギ吉に餌、って呼ばれていることは黙っていようと思う。
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