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「……。どういうつもりですか? 聖さん……」

「別に。ほら、一樹君はスタジオに戻りなさい。リハーサルまでに振り付けを完璧にしないと、容赦なく僕のステージにはあげないからね」

「事情を話すつもりはないんですね。あいつを……璃玖をどうするつもりですか?」

 初めて会った時に向けられた憧れの目とは明らかに違い、相手を牽制する目を向ける一樹の様子に、思わず聖は口角を上げる。

 年上で先輩の自分に必死に対抗しようとしている一樹の態度に、聖は意地悪く笑いながら言葉を重ねる。

「言っておくけど、僕のところに来たのは璃玖君自身の意思だからね」

「なんで璃玖が、あなたのところに行くんですか!」

 一樹は感情的になり、声を荒げる。

「一樹君にはわからないかもね。そうやって感情をむき出しにして、自分のものだと子供のように主張している限りは……」

「なっ……!」

「僕は、一樹君では璃玖君をダメにしてしまうと判断した。だから璃玖君は借りるよ。といっても返す、いや帰るかどうかは璃玖君次第だけどね」

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