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「どうだった、璃玖君?」

 聖は椅子を回転させて璃玖の方を向くと、璃玖はまるで何か不思議なものでも見たような表情をしていた。

「すご……かったです……。隼人さんが、まるで魔法使いみたいで……」

「魔法使い………。ハハッ!」

 隼人は璃玖のあまりに素直な感想に、思わず大声で笑いが溢れてしまう。

「あれ? 僕、何か変なこと言いましたか?」

「いや……。ごめん、笑ったりして。うん、俺にとって最高の誉め言葉だよ」

 照れたように、隼人は手で首の後ろを掻いた。

「それじゃあ、そんな魔法使いの隼人に璃玖君も魔法をかけてもらおうね」

「えっ?」

 聖は急に立ち上がると、璃玖の元へ歩いていき、璃玖の手を掴んだ。

 そして、そのまま引っ張っていき、有無を言わさず鏡の前の椅子に璃玖を座らせて鏡に向かわせた。

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