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「一樹! どうしたの?」

 一樹が病院にいるとは思っていなかった璃玖は思わず驚いてしまう。

「なんだよ、俺がいたら都合が悪いのか?」

 璃玖の驚いた反応に一樹は明らかに不機嫌になった。

「別にそういうわけじゃ……」

「璃玖君。一樹君は今日、僕の練習の見学に来ていて、倒れた僕に付き添ってくれたんだ」

「そうなんだ。ありがとう、一樹」

 璃玖は笑顔でお礼を言うと、一樹は奥歯を噛み締めたように頬を強張らせた。

「……どうしてお前が、お礼を言うんだよ?」

「えっ?」

「なんなんだよ! なんでそんなに聖さんと親しくなってるんだよ……。それに、その髪と恰好……」

 璃玖のいつもと違う髪型や服装が聖の影響であるとすぐに気が付いた一樹は、璃玖が聖の所有物になったように感じ、一気に頭に血が上ってしまう。

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