中年中太り成金アロハシャツおじさんを地獄の底へ叩き落とす所から始まる異世界転移物語

トムボーイ

文字の大きさ
21 / 120
第三章 盗賊の腹の中

一応の仲直り

しおりを挟む
 ジョン達は処罰として屋敷の庭の草むしり当番に料理当番一年分を言い渡される、これでも甘い処罰、本来この程度の処罰では許される筈が無いがローラとアーロックの厚意により甘い処罰となった。
 そんな事もあり、ジョンは一時的にマリアの使用人の任を解かれ草むしり兼料理人に就職する
 只々草を抜き、籠に入れる、その部分が綺麗になったら次へを繰り返す。それを朝から昼までずっとやっている
 
「ほら、こっちは終わったぜ、ナサル先輩」
「なら次は……」
「まだ、あるのかよ」
「ふふ、そうだな、もう昼だ休憩にしよう、ジョン! 休憩にしよう!」

遠くの方で作業していたジョンにそう呼びかけるナサル、それにジョンも気が付き二人の元に合流し、調理場まで行き自分の分のスープにパンを取り客間にて食事を取る
食事は黙々と行われる、三人の中の気まずさはまだ取れていない

「暗いな、折角三人で食事してるんだ。もう少し盛り上がって行こうぜ?」

とジョンが空気も読まずそう言う

「どうするんだ?」
「楽しい楽しいお喋りさ、例えば昨日の話題なんてどうだ?」
「何処が楽しいんだよ……」
「いい加減この空気にもウンザリだしなハッキリさせよう」
「何をハッキリさせるんだ?」
「俺とアンタ等は敵か味方かという事だよ」

三人の中に冷たい空気が流れる

「何を言っている?」
「今朝から殺気出しといて良く言うぜ、俺を敵視してるだろお前等、仲直りしようとするフリはしなくて良い、下手な演技を見せられるこっちの身にもなれよ」
「別に……私はそんなつもり等――」
「無かったと言いたいのか? 嘘を付くなよ」

ファングはそんな事を言うジョンに苛立ちを覚え

「じゃあ俺達はなんて言えばいいんだ? お前が憎いから殺させてくれとでも言えばいいのか?」
「そうしたければそう言ってくれても構わない、俺を殺れると思うならそうしてくれよ」
「……」
「お得意のそんなつもりは無い、か? まぁ、それでもいい、だがこのまま放って置いたら俺達の清い精神に悪影響だ。だからハッキリさせようと言っている
俺を殺すのかそれとも共存の道を歩むか、共存を選ぶなら二度と俺に対して殺気なんて放つなよ」
「……分かった。それについては謝る、確かに君には憎しみに似たものを抱いていたかもしれない、だが今日までだもう気にしない」
「俺もそうする」
「じゃあ、誓いのキスとハグをしよう」

とジョンは両腕を広げ二人を誘うがそれは無視される

「仲直りにはほど遠いな」
「仲直りしたって野郎とキスとハグは御免だぜ……」

その頃屋敷の訓練場ではジェシカそれにマリアとエルが楽しく談話していた。

「へぇ~それで? 貴方は池の中って訳?」
「そうなんだ、その時お父さんが助けてくれたんだけど……」

その時今まで楽しそうだった空気が行き成り重くなる、ジェシカがお父さんというワードを出してしまったからである
それを察してエルが

「父さんを通さん! な~んちゃって、アッハハ!」

余計悪くなる空気に血の気が引くエル

「え、え~と……お父さんがおーと! お産した!? ……なーんちゃって」

マリアがそれに拍車を掛ける、涙目になるマリア
そんな二人を見て、思わず笑みが零れるジェシカ

「ご、ごめんなさい、気を使わせてしまったみたいで……でも嬉しい私の為に言ってくれたんですよね?」
「ま、まぁ、大した力にはなれませんでしたけど」
「もっと語学を勉強しなくちゃいけないわね……」

そして三人はまた笑う

一方その頃ジョン達は雑草抜きを再開していた。

 「お前は良い奴だな、こんなに簡単に抜けてくれたんだから、こいつを見てくれよ、こいつを抜くのにどれくらいの時間を掛けたと思う?」

とジョンは日が傾くまで雑草抜きをさせられた影響か雑草と会話をし始める

「あいつどうしちまったんです?」
「さ、さぁ?」

困惑気味のファングとナサル

「お前はロサキント、お前はタロウ、お前は……ジャッボット」

とジョンが雑草達に名前を付けていると
マリア、ジェシカ、エルの三人がジョンに近付き話し掛けて来た

「やぁやぁ、先生、雑草抜き励んでますかな?」
「あら、その姿似合ってるわよ」
「……こんばんわ」
「待ってて下さい、こいつはマードック、モルス、カシオペア……」

ちょっとからかってやろうジョンに話掛けた三人だがそんなジョンの様子を見てどんどん不安になって行く

「大丈夫ですか? 先生?」
「……まさか、途中で毒キノコでも食べてないでしょうね?」
「なんです? その病人を見るかのような目は」
「似た様なものじゃない」
「何です? 三人でからかいに来たんですか?」
「そうよ! 貴方の惨めな姿を見てやろうと思って来たのよ!」
「性格悪いですね」
「貴方に言われたくないわよ!」

そんなこんなで夕食時になり、今日の勤務は終了する
夕食を終え部屋に戻るジョン
そして刀身が飛び出る様に改造されている発射ナイフが発射しなくなった為修理していると扉にノックが……
主はジェシカとナサル、二人は手を繋いでいた。

「で? 何の御用?」
「君に話しがある」
「その二人って事は話題の内容も大凡見当が付く」
「失礼するぞ」
「いやん、勝手に入らないで」
「気持ち悪い声を出すんじゃない」

ジョンは椅子にナサルとジェシカがベットに二人並んで座る、ジェシカはナサルの腕にしがみ付いている

「随分仲良くなったみたいだな」
「あ、あぁ」
「そいつは良かった。で? その子どうするんだ? 屋敷から追い出すって事にはならないんだろ?」
「私が面倒を見るという事で決まった」
「金は?」
「問題無い私が全て出す」
「ふぅん、で? 話ってのは?」
「昨日ジョン、君がジェシカに話した事だ」
「何だ、お前昨日の事話したのか?」

気まずそうに頷くジェシカ

「君はジェシカに復讐なんてすべきじゃないと言ったのか?」
「その事も話したのか? 全く……お喋りだな」
「私が話すように強要してしまったんだ。彼女は悪くない」
「弁解は良い、それに俺はそんな事を言った覚えは無い、殺したら後悔する事になるかもしれないぞと言っただけだ。止めた覚えは無い」
「しかし――」
「何だ? 何が言いたい? 俺が善人だと言いたいのか? よく分かったな、その通りだ。これで良いか?」
「何故そんな捻くれた言い方をするんだ!」
「お前が事実を捻じ曲げてるからだ。俺はジェシカを止めた覚えは無い、唯、お勧めはしないと言っただけだ」
「……でも私を昨日勇気付けてくれた……」

と小さな声でジョンに言う

「俺が? お前を? それはお前の勘違いだ。お前が勝手に勇気を持っただけだ。お前がやったんだ俺は関係無い」
「ナサル、分かったな、お前がどんな回答を期待してたか知らんが俺はそれに答える気は無いぞ」
「そうか……分かった。失礼したな」

と言い、ナサルとジェシカは部屋を出て行った。ジェシカはジョンに小さく手を振る
そしてナサルの顔は何処かスッキリした様な顔をしていた。そんな顔をしていたナサルが気に入らなく頭を掻くジョン

「何が分かったんだかな……」


 私はジェシカを部屋に残し、ローラに夕食前ローラの部屋に一人で来るように言われていたのでローラの部屋に向かう、何の用なのだろうか? 盗賊の件は済んだはずだが……
私はドアノブを回し、ローラの部屋に入る

「やぁ、ナサル、遅かったね? 何してたの?」

とローラが私に不気味な微笑みを向けながら話し掛けて来る、ローラ……昔の彼女はこんな表情をする女性では無かった。こんな嘘の表情をするような女性では無かったのだ。彼女も戦争で変わってしまった。あの日から心の底から笑っている姿を見た事が無い

「済まない、私用があった」
「ふーん、私との約束よりも大事な事があるんだ」

相変わらずふざけた事を言う人だ。

「ジョン君の事でしょ? 知ってるよ」

大方、最初から知っているのに意地悪で聞いたのだろう

「そうだ、ジョンと話していた」
「へぇ~どんな話?」
「関係が無いだろう?」
「私に言えないの? ナサル、最近様子がおかしいよ、ジョン君の所為?」

ローラがいつもの笑みを消し真剣な眼差しで私を見る

「ジョンの所為じゃない、私の個人の問題だ。首を突っ込まないでくれ」

ローラは私を本気で心配してくれているのは分かっているだが今は放って置いて欲しい

「酷いなぁ、昔はローラお姉ちゃんローラお姉ちゃんって私の後ろばっか追って来て私無しじゃ何も出来なかった癖に」
「む、昔の話だろう!」

私は思わず声を上げる……確かにそういう時期があったのは確かだ、どうしようもない程恥ずかしい記憶、穴があったら入りたい気分とはこの事なんだろう
顔が熱くなる

「あ~相変わらず可愛いなぁナサルは、昔とちっとも変わってない、素直で純朴な子だよね君は」

私は思わず唖然とする、な、何を行き成り言っているんだ! この人は!

「何を言ってるんですか!」
「ふふふ、で? どうなのジョン君は信用出来そう?」

全くこの人は、ジョンか……彼のあの眼を思い出す。ジェシカにフレデリックを殺させた時のあの眼を、彼は普通じゃない、それは最初から分かっていたつもりだが私の想像を越えていたファングの言った通り彼にはフレデリックと似た脅威を感じた。だが……

「問題は無い、私はそう思う」
「へぇ、何でかな?」

ジョンは確かに過激な思想を持っている、だが彼はジェシカやマリアの為に命を懸けたんだ。悪い奴じゃ……無い筈だと私は思っている

「彼は先のマリアの精神世界や盗賊との闘いでの行動を見てそう判断した。彼は問題無い」
「何処が? 盗賊の件を扇動したのはジョン君何でしょ? それにその後の事を話してくれないけどジョン君絡みで何かあったよね、彼には問題アリアリに見えるけど……」
「私達にはジョンに恩が有るだろう? それに私が信用出来ないという事か?」
「……それを言われると弱いなぁ、卑怯だよ」

とローラは溜息をつき、その後席を立ち私に向かって来る

「じゃあさ、私の事、ローラお姉ちゃんって呼んで」

は?

「は?」
「いやだからこれからローラお姉ちゃんて呼んでよ、二人きりの時でいいからさ」

な、何を血迷ったんだ!? 何を言っている!!

「そんな恥ずかしい事言えるか!」
「えぇ~じゃあジョン君は解雇ね」

う、仕返しか……ジョンには恩がある、仕方ない

「……ロ、ローラお姉ちゃん」
「なぁ~に? ナサル、困り事?」

よくも抜け抜けと……!
その後も散々ローラにからかわれ、私は疲労困憊、部屋に戻る事にした。しかし最後までローラは作り笑顔だった。
部屋に戻ると

「お帰りなさい、えっと、お母さん……」

とジェシカが迎えてくれた。お母さん?

「お母さんとは何だ?」
「だ、だってナサルさん、私の事お母さんみたいに優しくしてくれるしそれにこれからは家族なんでしょ? だから……」
「お母さんは止めてくれ、君の実の母親に悪い」
「……そうかな?」
「そうだ、君の母親はお腹を痛め必死に君を生んだんだぞ?その代わりは私には出来ない、だから私の事はナサルで良い」
「分かったよ、ナサルお姉ちゃん」

お姉ちゃんという言葉にビクッとする、さっきまでの事が頭を過り顔が熱くなる

「どうしたの? 顔が赤いよ?」
「な、何でもない、それより今日はもう寝よう、もう遅い」
「うん、そうだ。明日は私もお姉ちゃんのお手伝いするね」
「別に必要無い」
「でも……」
「いいんだ」

ジェシカの顔が曇る、こういう時もう少し気の利いた言葉を掛けれればと思う、仏頂面で淡泊な口調で話しているから相手に冷たい印象を与えてしまう
……

「明日は昼にでも一緒に散歩にでも行こう」
「うん! いいの?」
「あぁ、問題ない」

私は彼女に少しは勇気を与えられているのだろうか? それは分からない
私はジェシカと共にベッドに入る、だが不安なのかなかなか眠れなさそうなジェシカ

「大丈夫か?」
「うん」
「眠れないのか?」
「うん……」
「私が居る大丈夫だ」
「ありがとう、お姉ちゃん、でもね……眠っちゃうと見ちゃうんだ……お父さんの夢」

彼女は涙目ながらにそう私に訴えた。
私には解決方法は分からないだから精一杯、彼女を抱きしめる事しか私には出来ない、泣き声に震える身体を抱きしめ頭を撫でる……精一杯




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

唯一無二のマスタースキルで攻略する異世界譚~17歳に若返った俺が辿るもう一つの人生~

専攻有理
ファンタジー
31歳の事務員、椿井翼はある日信号無視の車に轢かれ、目が覚めると17歳の頃の肉体に戻った状態で異世界にいた。 ただ、導いてくれる女神などは現れず、なぜ自分が異世界にいるのかその理由もわからぬまま椿井はツヴァイという名前で異世界で出会った少女達と共にモンスター退治を始めることになった。

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

【一時完結】スキル調味料は最強⁉︎ 外れスキルと笑われた少年は、スキル調味料で無双します‼︎

アノマロカリス
ファンタジー
調味料…それは、料理の味付けに使う為のスパイスである。 この世界では、10歳の子供達には神殿に行き…神託の儀を受ける義務がある。 ただし、特別な理由があれば、断る事も出来る。 少年テッドが神託の儀を受けると、神から与えられたスキルは【調味料】だった。 更にどんなに料理の練習をしても上達しないという追加の神託も授かったのだ。 そんな話を聞いた周りの子供達からは大爆笑され…一緒に付き添っていた大人達も一緒に笑っていた。 少年テッドには、両親を亡くしていて妹達の面倒を見なければならない。 どんな仕事に着きたくて、頭を下げて頼んでいるのに「調味料には必要ない!」と言って断られる始末。 少年テッドの最後に取った行動は、冒険者になる事だった。 冒険者になってから、薬草採取の仕事をこなしていってったある時、魔物に襲われて咄嗟に調味料を魔物に放った。 すると、意外な効果があり…その後テッドはスキル調味料の可能性に気付く… 果たして、その可能性とは⁉ HOTランキングは、最高は2位でした。 皆様、ありがとうございます.°(ಗдಗ。)°. でも、欲を言えば、1位になりたかった(⌒-⌒; )

やさしい異世界転移

みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公 神洞 優斗。 彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった! 元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……? この時の優斗は気付いていなかったのだ。 己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。 この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?

釈 余白(しやく)
ファンタジー
 毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。  その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。  最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。 連載時、HOT 1位ありがとうございました! その他、多数投稿しています。 こちらもよろしくお願いします! https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

処理中です...