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第八章 国家エスカルド
銀狼の眼覚め
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ジョンとジェイクが睨み合いそのジョンの後ろからキュベルがジョンを狙っている、万事休すのこの状況でもジョンはニヤケている
(やべぇな、本当に此処で襲われたらこの勝負どう転ぶか分からんぜ……こいつ一人ならどうにでもなるが二人になると変わって来る、俺とジェイク比べれば俺が上だがその差はさほど開いていない、それなりの腕の剣士が一人ジェイク側についただけで逆転されかねない程の実力差……面倒な奴だ)
だがそれはやせ我慢、内心では焦っている
(だがこいつ等は俺にこうは言って剣を抜いているが本当は襲う気が無い筈……無いだろ?……)
ジェイクはジョンの顔の目の前まで剣を近づけ始めた時、それを止める「待ちなされ」という声がキュベルの後ろからした。
キュベルが急ぎ振り返るとそこにはガルスが立っていた。
「何を揉めたのかは知りませんが止めて置きなさい、さもなくば団長殿、貴方は後悔をする」
「口出ししないで貰えないですか、貴方は前線を退いた身である事をお忘れなく」
「そう言わず爺の戯言だと思って聞いて下さい、二人で襲うなんて事本来はしたくない筈ですよね? ジョン君は久々に出会えた強敵、こんな形で決着はつけたくない、違いますか?」
「舐めないで下さい、仕事に私情は挟まない」
「嘘おっしゃい、私は貴方が新人だった時から知っている、私情を抜きに仕事出来る程大人ではあるまい、貴方は相変わらずの餓鬼だ」
ガルスに餓鬼と呼ばれた瞬間、ジェイクがピクッとその言葉に反応した。
(ん? 何だこいつ……今ガルスを恐れたのか……?)
ジョンはジェイクの心に一瞬だけだが恐れを視た。ガルスとジェイクただならぬ関係で有る事は明白
ジェイクは剣を納める、その後にキュベルも剣を納め
「今回は見逃す。だが次は無い、覚えて置け」
と言って立ち去ろうとするジェイクを「おい」と呼び止めるジョン
「何だ?」
「お前、カーナ・ウルシテッドという少女を知ってるか?」
ジェイクはその質問をされた時、ジョンを怪しい者を見るような目つきで見る、何故ジョンがその事を知っているのか不思議なのだ。
「……知って居たら何だ? お前に何の関係が有る?」
「此処へ来る途中で知り合ってな、一緒に此処まで来たんだ……俺と出会った時あいつ等はお前の仲間に襲われていたよ」
ジョンは思い切ってジェイクにこの事を切り出す。
「は? な、何!? 俺の仲間とはどういう事だ!」
「騎士団の奴という事だ。カーナは騎士団の奴等に聖剣とやらを盗まれ途方に暮れてやがった。知らないのか? 俺はお前の命令なのかと思って居たが……性格悪いしなお前」
ジェイクはこの話に驚きを隠せない様だ。他の二人も同様、ガルスは今までの老人らしい柔らかな表情からその昔、銀狼と恐れ謳われた冷たい騎士の表情に戻っていた。
「そんなのお前の嘘だ。有り得ない」
「こんな下らない嘘の為にお前を呼び止めお前と喋らねぇよ、口くせぇんだよ」
「……殺すぞ」
「下らない茶番は止めなさいな、ジョンその話の詳細を聞かせなさい」
「ん~どうしようかな……やっぱ無しだ。さっきの話は全部俺の嘘だと思っていいから忘れろ、視たいモノは視たしな」
「はぁ!? ふざけんじゃねぇ!!」
「やっぱ斬りますか? 団長?」
「ほほほ、これはこれは……久々に喧嘩をしたくなって来ましたぞ」
「おいおい、そんな怒るなよ、クククッ」
勿論ジョンのそんな言葉認められる筈も無く殺気がジョンを取り巻く空間に流れ始める、しかしそれはジョンも想定済み
(嘘は無いな……本気で知りたがっている、つまり此処の三人は本当に無関係……? 団長と副団長なのに? まさかお飾りなんじゃねぇよな?)
「仕方ねぇなぁじゃあ教えてやるよ」
「さっさと話せ、馬鹿」
ジョンはカーナとの出会いから聖剣を取り戻す所までを話した。だがジョンはこの話に嘘を混ぜる
先ずレイの事は話さず顔は見て居ない事にし自らエスカルド騎士団の団員だと名乗った事にする、ガーネット、メイヴィス辺りの話は全て消却
「……という事は本当に内の団員だとは限らねぇじゃねぇか、そいつが自称しているだけの可能性もある」
「そいつは気が付かなかったな、お前の言う通りだな、自称しただけじゃ本当にそいつが騎士団員かどうかは分からねぇな、いや~騒がせて失敬した」
「しかし私達の団の名前を使って何者かが悪事を行っているのならそれはそれで問題ですよ、団長」
「……どうも怪しい、まさかお前嘘を言って居ないよな?」
「それを聞くって事は「私は嘘も見抜けない間抜けなメクラ騎士です」と告白している様なモノだがそう受け取って宜しいか?」
「まぁ流石にこんな状況で嘘は付かないか……」
まさか、こんな状況・所で……こういう考えはジョンには通用しない、それをすればジョンの手玉に取られるがオチ
(左手が吹き飛んだ奴が居るとこいつが知ればもしかしたらバレるかもしれんが……この様子だと本当の事を言ってしまえば恐らく奴(レイ)は捕まり情報源としては一切役に立たなくなる折角首輪を着けたんだ。騎士団内部を知るのに重要なパイプだ。大切にしたい)
この場は何とか切り抜けるジョン、知りたい事は知ったのでマリアの元へ向かうのだった。
(やべぇな、本当に此処で襲われたらこの勝負どう転ぶか分からんぜ……こいつ一人ならどうにでもなるが二人になると変わって来る、俺とジェイク比べれば俺が上だがその差はさほど開いていない、それなりの腕の剣士が一人ジェイク側についただけで逆転されかねない程の実力差……面倒な奴だ)
だがそれはやせ我慢、内心では焦っている
(だがこいつ等は俺にこうは言って剣を抜いているが本当は襲う気が無い筈……無いだろ?……)
ジェイクはジョンの顔の目の前まで剣を近づけ始めた時、それを止める「待ちなされ」という声がキュベルの後ろからした。
キュベルが急ぎ振り返るとそこにはガルスが立っていた。
「何を揉めたのかは知りませんが止めて置きなさい、さもなくば団長殿、貴方は後悔をする」
「口出ししないで貰えないですか、貴方は前線を退いた身である事をお忘れなく」
「そう言わず爺の戯言だと思って聞いて下さい、二人で襲うなんて事本来はしたくない筈ですよね? ジョン君は久々に出会えた強敵、こんな形で決着はつけたくない、違いますか?」
「舐めないで下さい、仕事に私情は挟まない」
「嘘おっしゃい、私は貴方が新人だった時から知っている、私情を抜きに仕事出来る程大人ではあるまい、貴方は相変わらずの餓鬼だ」
ガルスに餓鬼と呼ばれた瞬間、ジェイクがピクッとその言葉に反応した。
(ん? 何だこいつ……今ガルスを恐れたのか……?)
ジョンはジェイクの心に一瞬だけだが恐れを視た。ガルスとジェイクただならぬ関係で有る事は明白
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「今回は見逃す。だが次は無い、覚えて置け」
と言って立ち去ろうとするジェイクを「おい」と呼び止めるジョン
「何だ?」
「お前、カーナ・ウルシテッドという少女を知ってるか?」
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ジョンは思い切ってジェイクにこの事を切り出す。
「は? な、何!? 俺の仲間とはどういう事だ!」
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「まぁ流石にこんな状況で嘘は付かないか……」
まさか、こんな状況・所で……こういう考えはジョンには通用しない、それをすればジョンの手玉に取られるがオチ
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