中年中太り成金アロハシャツおじさんを地獄の底へ叩き落とす所から始まる異世界転移物語

トムボーイ

文字の大きさ
91 / 120
第八章 国家エスカルド

グダグダ円卓会議

しおりを挟む
 此処はエスカルド騎士団の本拠地の会議場、十二人の男女が丸机を囲み椅子に座っていた。
 彼等はエスカルド騎士団の隊長達、一番隊から十番隊までの隊長と団長のジェイクそれに副団長のキュベルも出席していた。
 雰囲気はとても和やかとは言えない程重く全員の表情も強張っている、がその中で一人だけ呑気な顔でお茶を飲んでいる隊長が居た。
 三番隊 ハルカル・トーレドウ 顔立ちは年齢が十代と言われても不思議に思わないだろうという程幼く髪は青の男性

「ねぇねぇ、団長さん、まだ終わらないの? これ、僕退屈してきちゃったんですけど~」

 挑発的な言動に行動、周りの隊長達もまたかとため息を吐く、そうこれが彼の日常なのだ

「てめぇ、ぶった斬るぞ、今大事な話の途中だっただろうが」
「そうだったの? ごめ~ん聞いてなかったから分からなかったよぉー」

 この挑発的な彼の言動でジョンを思い出しいつも以上に苛立って居るジェイク

「最近二軒の館に立て続けに泥棒が入りその上全部成功させてる、それも貴族の屋敷でだ。つまりこの国に凄腕の盗賊が入ったという事」
「ふむ……そんな大胆な事をしたんだ。何か証拠は残って居なかったのか?」
「残念ながら一つも見つかって居ない」
「おい! 二番隊! そこはお前等の管轄だろう! 何をしてるんだ!?」

 行き成り立ち上がり二番隊の隊長を責め始める、六番隊の隊長

「そう言われてもね、私もこの犯人には驚かされる」
「驚いている場合じゃないだろ!」
「そうだそうだ」

 便乗する三番隊の隊長

「もう早く童は帰りたいのだが……夜にサーカスに行くんだ。早く終わらせてくれ」

 帰宅したがる七番隊隊長、その横で一人ボードゲームに勤しむ八番隊隊長

「もう止めないか! 今は誰かを責める時でも遊んでいる時でもない! 全員で結束する時だろう! だから此処に集まっている、違うか?」

 大男の四番隊の隊長が場を治めようと試みる

「なにそれ? もしかして良い子のフリをして給料でも上げて貰おうとでもしてるの?」
「黙れ! ハルカル! 黙れ!!」

 部下達の勝手な言動に怒りが爆発するジェイク、というのは嘘でハルカルの所為でジョンの顔が頭から離れなくなってしまったから彼は怒った。
 ジェイクは基本怒りやすい男でそれも周知の事実だがこの怒り方は異常だとその場の全員が気が付き会場は静まりジェイクを一斉に見る

「兎に角、厳重体勢だ。これ以上奴に好きにさせるな、俺が言いたかったのはそれだけ、これ以上詳しい事を話すと暇だかとか抜かす馬鹿が現れたり責任を追及しようとしたりサーカスに行きたがったりずっと黙ってボードゲームをする奴等が出るから詳細は後日、忍耐強い奴等だけ集めて会議を開催する、以上」
「……」
「やったーこれならサーカスに間に合うぞ」

(やっぱり俺が人をまとめるなんて無理な話だぜ……前任者も何で俺なんかを選んだんだか……)

 怒りやすい性格に加えて我が儘、忍耐力も高い方では無い、と自負しており自分が団長を務めている事に疑問を感じているこの頃
 会議も終わり立ち去る者、居残り談笑をしている者も居る
 団長は日頃の色んな悩みに頭を悩ませながら机に手をつき頬杖を付いている、そんなジェイクに近付くハルカル

「団長ちゃん、大丈夫? あんなに本気で怒るなんて珍しいね」
「そうか? ふん」
「しっかりしてよ、我らが団長がそんな調子じゃ困るんだけど」
「済ませんね、こんな調子で」
「団長ちゃんの様子が変だけど何かあったの? キュベルちゃん」
「えぇ……まぁ少し」

 キュベルはハルカルにジョンの事を教える

「そのジョンちゃんにジェイク団長ちゃんはお熱なんだ」
「気持ち悪い言い方をするんじゃねぇ」
「団長ちゃんより強い剣士かぁ……一回会ってみたいね、僕とも性格が似てるようだし」
「止めろよ、お前等二人が会ってしまったらどうなるか……考えるだけで身の毛がよだつ」
「まぁそんな事より例の件済ませて置いたよ」

 ハルカルはジェイクにとある資料を渡す。それは五番隊隊長 キール・キリリッヒについての資料だ。

「”彼”の動きが気になってたんでしょ? その勘、大当たりかもよ」
「……マジかよ」
 
 最近の五番隊隊長 キール・キリリッヒの動きに怪しいモノを感じていたジェイクはハルカルにキールの調査を命じていた。そしてその結果が資料としてジェイクの手元に来たのだ。
 その資料を見てまた面倒事になるとまた頭を悩ませるジェイク
 

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。 ※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?

釈 余白(しやく)
ファンタジー
 毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。  その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。  最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。 連載時、HOT 1位ありがとうございました! その他、多数投稿しています。 こちらもよろしくお願いします! https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394

祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活

空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。 最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。 ――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に…… どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。 顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。 魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。 こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す―― ※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

異世界へ行って帰って来た

バルサック
ファンタジー
ダンジョンの出現した日本で、じいさんの形見となった指輪で異世界へ行ってしまった。 そして帰って来た。2つの世界を往来できる力で様々な体験をする神須勇だった。

処理中です...