16 / 18
さよなら
しおりを挟む
ルトが見せた男性の顔に、どくんと心臓が胸を打つ。
ルトが、ずっと私を好きだった?
「わ、私、五歳も年上だよ? ずっと、家族だって」
「年なんて関係ないよ。俺は出会った頃からアイリスを女性として好きだった。家族だって言っていたのは、アイリスがそれを望んでいたからだ」
呆然とルトの言葉を受け止める。
出会った頃って、そんな、ずっと前から?
私がシスイのことを話すのを、ずっと聞いてくれていたの? どんな気持ちで……。
「る、ルト、ごめ……」
私は思わずうつむいた。
もしシスイが私の前で他の好きな女の人の話なんかしていたら、私だったら泣いてしまうかもしれない。
私はルトにずっとそんなことをしてきていたんだ。
「謝らないで。それでもアイリスのそばにいることを望んだのは俺なんだから。アイリス、両親も亡くして、ボロボロになって死にかけていた俺に生きる希望を与えてくれた、世界で一番大切な、俺の唯一。……大好きだよ。俺と、結婚してくれませんか」
「……っ」
私は涙がボロボロとこぼれて止まらなくなった。
ルトは、こんなに私のことを想ってくれていた。私はそんなことと知らず、どれほどルトを傷つけてきたんだろう。
「ルト、ごめ、ごめんなさ……っ」
私はふるふると首を振った。
それでも私は、ルトを弟としか思えない。
今も、シスイに会いたくて堪らないのだ。
「……うん。わかってたよ、アイリスの答えは」
ルトが、握っていた私の手を離した。
「でもね、アイリス。俺は、どうしてもアイリスが好きなんだ。もう弟としては、そばにいられない」
私はうつむいていた頭をバッと上げてルトを見た。
「る……ルト?」
「ごめんね、もう、弟としてそばにいるのは辛いんだ。だから、離れさせて」
離れる?
ルトが?
もう会えないの?
「や……っ」
嫌だ、と言いかけてバッと手で口を塞いだ。
これは私のわがままだ。ずっと弟としてそばにいてほしいなんて、ルトにとっては辛いことなんだ。
どうしよう。ルトが離れて行っちゃうの? 私はそれでいいの?
「……アイリス、じゃあ」
「ルト、待って、ここを出て行くの? どこに行くの? もう会えないの?」
立ち上がりかけたルトの服を掴んで必死で引き留めた。
ルトは困ったような顔で笑う。
「うん、もう会わない。どこに行くのかも教えないよ。ごめんねアイリス、ずっと弟でいてあげられなくて」
私は自分の顔が青ざめていくのを感じた。
ルトにもう会えないなんて嫌。
「わ、わかった、ルトと結婚する。だから、行かないで、ルト……っ」
ぽろぽろと涙をこぼしながら訴えると、ルトは驚いたように目を見開いて、苦笑した。
「……アイリス、そんな辛そうな顔をして、自分に嘘をつかないで。本当は、俺と結婚なんてしたくないんでしょう?」
ルトがいつものように優しく私を抱きしめて、宥めるように背中を叩いてくれた。
「だ、だって、ルトがいなくなっちゃうなんて、嫌だよ。シスイにも全然会えないのに、ルトまでいなくなったら、私、どうしたらいいの?」
ぐすぐす泣きながらルトに訴える。
男の人として好きなわけじゃないけれど、ルトは私のたった一人の家族だ。
この広いお城で、唯一安らげる存在。
ルトがいてくれたから、私は女王として胸を張ることができていたのだ。
「……大丈夫。アイリスならきっと、俺がいなくてもちゃんとやっていけるよ」
「だめ、できない。ルトがいないと、完全に信じられる人がいなくなっちゃうもん。ルトと結婚するから、だから行かないで」
「……アイリス」
少し体を離して、困ったような、嬉しいような、複雑な表情でルトが私を見た。
「俺が今までアイリスのそばにいられたのはね、異性としてではなくても、アイリスが特別に、俺を好きでいてくれてるのがわかってたからなんだ。ありがとう、アイリス。それだけでも、俺は嬉しかったよ」
ねえ、どうして、そんなお別れみたいなことを言うの?
「なんで、結婚するって言ってるじゃない。それじゃダメなの? 最初にごめんって言ったから、もうダメなの?」
「そうじゃないよ。でも……アイリス、俺と、キスとかそれ以上のこと、できる?」
私は目を見開いて固まった。
結婚するとなると、当然そういうことをするということだ。
ルトは、できないでしょう、という顔でこちらを見ている。
「で……できるよ。ルトなら、平気だもん」
「……」
あの隣国の王弟殿下とは絶対に無理だけど、ルトならきっと平気だ。
ルトは仕方なさそうにため息を吐いて、私の頤に手を添えた。
「……本当に?」
ルトの目に欲のようなものが見えた気がして、何だか怖くなってきた。
手が震えてきたけれど、私はこくりと頷いた。
ルトの顔がだんだんと近づいてきて、私はギュッと目を瞑った。
ふわりと、頬に柔らかいものが触れた。
目を開けると、苦笑いしたルトの顔がすぐ近くにある。
「そんな顔されると、いくらなんでもできないよ。嫌がってるアイリスに、無理強いなんてしたくない」
そう言って、ルトはまたギュッと私を抱きしめた。
「で、でも、平気だよ。ルトが離れるくらいなら、私……」
「俺が嫌なんだ。そんな風に一緒にいてもらっても、嬉しくない。俺のことを好きでもないのにアイリスに無理矢理結婚なんてさせたら、俺、自分のことが許せないよ」
私を抱きしめるルトの腕がかすかに震えているように感じる。
でも、それなら、どうしたらいいの。
ルトのことを好きになれたらいいのに、私の頭を占めるのは、シスイのことばかりだ。
ルトに抱きしめられているのに、シスイに会いたいと思ってしまう私はなんて最低な奴なんだろう。
「……アイリス、俺はもう会えないけど、アイリスを忘れるわけじゃないよ。いつもアイリスを想っているし、見守ってるから、アイリスもそれを忘れないで。……それから、これはおまけで教えてあげる。俺がいなくなっても、またすぐアイリスの前に大好きな人が現れるよ。だから、安心して」
そう言ってにこりと笑ったルトが、私から手を離した。
「や、やだ、ルト」
「……ごめんね、アイリス」
「やだ!!」
私はがしっとルトにしがみついた。
これっきり会えないなんて、そんなの嫌!
絶対に離さない、と力いっぱいルトにしがみついていると、ルトは辛そうな声を出した。
「……俺も、離れたくないよ」
その声にびくりと体を強ばらせると、ルトは私の体が潰れるんじゃないかというくらい、ぎゅううっと力いっぱいきつく抱きしめてきた。
いつもの優しい抱きしめ方とは全然違う。
息ができず苦しくて、ルトの背中をなんとか叩くと、ルトは少しだけ力を緩めた。
「さよなら、アイリス。愛してる」
耳元で囁くようにそう言って、ルトは私の前からいなくなった。
ルトが、ずっと私を好きだった?
「わ、私、五歳も年上だよ? ずっと、家族だって」
「年なんて関係ないよ。俺は出会った頃からアイリスを女性として好きだった。家族だって言っていたのは、アイリスがそれを望んでいたからだ」
呆然とルトの言葉を受け止める。
出会った頃って、そんな、ずっと前から?
私がシスイのことを話すのを、ずっと聞いてくれていたの? どんな気持ちで……。
「る、ルト、ごめ……」
私は思わずうつむいた。
もしシスイが私の前で他の好きな女の人の話なんかしていたら、私だったら泣いてしまうかもしれない。
私はルトにずっとそんなことをしてきていたんだ。
「謝らないで。それでもアイリスのそばにいることを望んだのは俺なんだから。アイリス、両親も亡くして、ボロボロになって死にかけていた俺に生きる希望を与えてくれた、世界で一番大切な、俺の唯一。……大好きだよ。俺と、結婚してくれませんか」
「……っ」
私は涙がボロボロとこぼれて止まらなくなった。
ルトは、こんなに私のことを想ってくれていた。私はそんなことと知らず、どれほどルトを傷つけてきたんだろう。
「ルト、ごめ、ごめんなさ……っ」
私はふるふると首を振った。
それでも私は、ルトを弟としか思えない。
今も、シスイに会いたくて堪らないのだ。
「……うん。わかってたよ、アイリスの答えは」
ルトが、握っていた私の手を離した。
「でもね、アイリス。俺は、どうしてもアイリスが好きなんだ。もう弟としては、そばにいられない」
私はうつむいていた頭をバッと上げてルトを見た。
「る……ルト?」
「ごめんね、もう、弟としてそばにいるのは辛いんだ。だから、離れさせて」
離れる?
ルトが?
もう会えないの?
「や……っ」
嫌だ、と言いかけてバッと手で口を塞いだ。
これは私のわがままだ。ずっと弟としてそばにいてほしいなんて、ルトにとっては辛いことなんだ。
どうしよう。ルトが離れて行っちゃうの? 私はそれでいいの?
「……アイリス、じゃあ」
「ルト、待って、ここを出て行くの? どこに行くの? もう会えないの?」
立ち上がりかけたルトの服を掴んで必死で引き留めた。
ルトは困ったような顔で笑う。
「うん、もう会わない。どこに行くのかも教えないよ。ごめんねアイリス、ずっと弟でいてあげられなくて」
私は自分の顔が青ざめていくのを感じた。
ルトにもう会えないなんて嫌。
「わ、わかった、ルトと結婚する。だから、行かないで、ルト……っ」
ぽろぽろと涙をこぼしながら訴えると、ルトは驚いたように目を見開いて、苦笑した。
「……アイリス、そんな辛そうな顔をして、自分に嘘をつかないで。本当は、俺と結婚なんてしたくないんでしょう?」
ルトがいつものように優しく私を抱きしめて、宥めるように背中を叩いてくれた。
「だ、だって、ルトがいなくなっちゃうなんて、嫌だよ。シスイにも全然会えないのに、ルトまでいなくなったら、私、どうしたらいいの?」
ぐすぐす泣きながらルトに訴える。
男の人として好きなわけじゃないけれど、ルトは私のたった一人の家族だ。
この広いお城で、唯一安らげる存在。
ルトがいてくれたから、私は女王として胸を張ることができていたのだ。
「……大丈夫。アイリスならきっと、俺がいなくてもちゃんとやっていけるよ」
「だめ、できない。ルトがいないと、完全に信じられる人がいなくなっちゃうもん。ルトと結婚するから、だから行かないで」
「……アイリス」
少し体を離して、困ったような、嬉しいような、複雑な表情でルトが私を見た。
「俺が今までアイリスのそばにいられたのはね、異性としてではなくても、アイリスが特別に、俺を好きでいてくれてるのがわかってたからなんだ。ありがとう、アイリス。それだけでも、俺は嬉しかったよ」
ねえ、どうして、そんなお別れみたいなことを言うの?
「なんで、結婚するって言ってるじゃない。それじゃダメなの? 最初にごめんって言ったから、もうダメなの?」
「そうじゃないよ。でも……アイリス、俺と、キスとかそれ以上のこと、できる?」
私は目を見開いて固まった。
結婚するとなると、当然そういうことをするということだ。
ルトは、できないでしょう、という顔でこちらを見ている。
「で……できるよ。ルトなら、平気だもん」
「……」
あの隣国の王弟殿下とは絶対に無理だけど、ルトならきっと平気だ。
ルトは仕方なさそうにため息を吐いて、私の頤に手を添えた。
「……本当に?」
ルトの目に欲のようなものが見えた気がして、何だか怖くなってきた。
手が震えてきたけれど、私はこくりと頷いた。
ルトの顔がだんだんと近づいてきて、私はギュッと目を瞑った。
ふわりと、頬に柔らかいものが触れた。
目を開けると、苦笑いしたルトの顔がすぐ近くにある。
「そんな顔されると、いくらなんでもできないよ。嫌がってるアイリスに、無理強いなんてしたくない」
そう言って、ルトはまたギュッと私を抱きしめた。
「で、でも、平気だよ。ルトが離れるくらいなら、私……」
「俺が嫌なんだ。そんな風に一緒にいてもらっても、嬉しくない。俺のことを好きでもないのにアイリスに無理矢理結婚なんてさせたら、俺、自分のことが許せないよ」
私を抱きしめるルトの腕がかすかに震えているように感じる。
でも、それなら、どうしたらいいの。
ルトのことを好きになれたらいいのに、私の頭を占めるのは、シスイのことばかりだ。
ルトに抱きしめられているのに、シスイに会いたいと思ってしまう私はなんて最低な奴なんだろう。
「……アイリス、俺はもう会えないけど、アイリスを忘れるわけじゃないよ。いつもアイリスを想っているし、見守ってるから、アイリスもそれを忘れないで。……それから、これはおまけで教えてあげる。俺がいなくなっても、またすぐアイリスの前に大好きな人が現れるよ。だから、安心して」
そう言ってにこりと笑ったルトが、私から手を離した。
「や、やだ、ルト」
「……ごめんね、アイリス」
「やだ!!」
私はがしっとルトにしがみついた。
これっきり会えないなんて、そんなの嫌!
絶対に離さない、と力いっぱいルトにしがみついていると、ルトは辛そうな声を出した。
「……俺も、離れたくないよ」
その声にびくりと体を強ばらせると、ルトは私の体が潰れるんじゃないかというくらい、ぎゅううっと力いっぱいきつく抱きしめてきた。
いつもの優しい抱きしめ方とは全然違う。
息ができず苦しくて、ルトの背中をなんとか叩くと、ルトは少しだけ力を緩めた。
「さよなら、アイリス。愛してる」
耳元で囁くようにそう言って、ルトは私の前からいなくなった。
0
あなたにおすすめの小説
完結 愚王の側妃として嫁ぐはずの姉が逃げました
らむ
恋愛
とある国に食欲に色欲に娯楽に遊び呆け果てには金にもがめついと噂の、見た目も醜い王がいる。
そんな愚王の側妃として嫁ぐのは姉のはずだったのに、失踪したために代わりに嫁ぐことになった妹の私。
しかしいざ対面してみると、なんだか噂とは違うような…
完結決定済み
ついで姫の本気
ちくわぶ(まるどらむぎ)
恋愛
国の間で二組の婚約が結ばれた。
一方は王太子と王女の婚約。
もう一方は王太子の親友の高位貴族と王女と仲の良い下位貴族の娘のもので……。
綺麗な話を書いていた反動でできたお話なので救いなし。
ハッピーな終わり方ではありません(多分)。
※4/7 完結しました。
ざまぁのみの暗い話の予定でしたが、読者様に励まされ闇精神が復活。
救いのあるラストになっております。
短いです。全三話くらいの予定です。
↑3/31 見通しが甘くてすみません。ちょっとだけのびます。
4/6 9話目 わかりにくいと思われる部分に少し文を加えました。
「転生したら推しの悪役宰相と婚約してました!?」〜推しが今日も溺愛してきます〜 (旧題:転生したら報われない悪役夫を溺愛することになった件)
透子(とおるこ)
恋愛
読んでいた小説の中で一番好きだった“悪役宰相グラヴィス”。
有能で冷たく見えるけど、本当は一途で優しい――そんな彼が、報われずに処刑された。
「今度こそ、彼を幸せにしてあげたい」
そう願った瞬間、気づけば私は物語の姫ジェニエットに転生していて――
しかも、彼との“政略結婚”が目前!?
婚約から始まる、再構築系・年の差溺愛ラブ。
“報われない推し”が、今度こそ幸せになるお話。
~春の国~片足の不自由な王妃様
クラゲ散歩
恋愛
春の暖かい陽気の中。色鮮やかな花が咲き乱れ。蝶が二人を祝福してるように。
春の国の王太子ジーク=スノーフレーク=スプリング(22)と侯爵令嬢ローズマリー=ローバー(18)が、丘の上にある小さな教会で愛を誓い。女神の祝福を受け夫婦になった。
街中を馬車で移動中。二人はずっと笑顔だった。
それを見た者は、相思相愛だと思っただろう。
しかし〜ここまでくるまでに、王太子が裏で動いていたのを知っているのはごくわずか。
花嫁は〜その笑顔の下でなにを思っているのだろうか??
夫に捨てられた私は冷酷公爵と再婚しました
香木陽灯
恋愛
伯爵夫人のマリアーヌは「夜を共に過ごす気にならない」と突然夫に告げられ、わずか五ヶ月で離縁することとなる。
これまで女癖の悪い夫に何度も不倫されても、役立たずと貶されても、文句ひとつ言わず彼を支えてきた。だがその苦労は報われることはなかった。
実家に帰っても父から不当な扱いを受けるマリアーヌ。気分転換に繰り出した街で倒れていた貴族の男性と出会い、彼を助ける。
「離縁したばかり? それは相手の見る目がなかっただけだ。良かったじゃないか。君はもう自由だ」
「自由……」
もう自由なのだとマリアーヌが気づいた矢先、両親と元夫の策略によって再婚を強いられる。相手は婚約者が逃げ出すことで有名な冷酷公爵だった。
ところが冷酷公爵と会ってみると、以前助けた男性だったのだ。
再婚を受け入れたマリアーヌは、公爵と少しずつ仲良くなっていく。
ところが公爵は王命を受け内密に仕事をしているようで……。
一方の元夫は、財政難に陥っていた。
「頼む、助けてくれ! お前は俺に恩があるだろう?」
元夫の悲痛な叫びに、マリアーヌはにっこりと微笑んだ。
「なぜかしら? 貴方を助ける気になりませんの」
※ふんわり設定です
背徳の恋のあとで
ひかり芽衣
恋愛
『愛人を作ることは、家族を維持するために必要なことなのかもしれない』
恋愛小説が好きで純愛を夢見ていた男爵家の一人娘アリーナは、いつの間にかそう考えるようになっていた。
自分が子供を産むまでは……
物心ついた時から愛人に現を抜かす父にかわり、父の仕事までこなす母。母のことを尊敬し真っ直ぐに育ったアリーナは、完璧な母にも唯一弱音を吐ける人物がいることを知る。
母の恋に衝撃を受ける中、予期せぬ相手とのアリーナの初恋。
そして、ずっとアリーナのよき相談相手である図書館管理者との距離も次第に近づいていき……
不倫が身近な存在の今、結婚を、夫婦を、子どもの存在を……あなたはどう考えていますか?
※アリーナの幸せを一緒に見届けて下さると嬉しいです。
自業自得じゃないですか?~前世の記憶持ち少女、キレる~
浅海 景
恋愛
前世の記憶があるジーナ。特に目立つこともなく平民として普通の生活を送るものの、本がない生活に不満を抱く。本を買うため前世知識を利用したことから、とある貴族の目に留まり貴族学園に通うことに。
本に釣られて入学したものの王子や侯爵令息に興味を持たれ、婚約者の座を狙う令嬢たちを敵に回す。本以外に興味のないジーナは、平穏な読書タイムを確保するために距離を取るが、とある事件をきっかけに最も大切なものを奪われることになり、キレたジーナは報復することを決めた。
※2024.8.5 番外編を2話追加しました!
【完結】私は聖女の代用品だったらしい
雨雲レーダー
恋愛
異世界に聖女として召喚された紗月。
元の世界に帰る方法を探してくれるというリュミナス王国の王であるアレクの言葉を信じて、聖女として頑張ろうと決意するが、ある日大学の後輩でもあった天音が真の聖女として召喚されてから全てが変わりはじめ、ついには身に覚えのない罪で荒野に置き去りにされてしまう。
絶望の中で手を差し伸べたのは、隣国グランツ帝国の冷酷な皇帝マティアスだった。
「俺のものになれ」
突然の言葉に唖然とするものの、行く場所も帰る場所もない紗月はしぶしぶ着いて行くことに。
だけど帝国での生活は意外と楽しくて、マティアスもそんなにイヤなやつじゃないのかも?
捨てられた聖女と孤高の皇帝が絆を深めていく一方で、リュミナス王国では次々と異変がおこっていた。
・完結まで予約投稿済みです。
・1日3回更新(7時・12時・18時)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる