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1章
7.俺が守る
しおりを挟む話をしながら取った俺の反応に、二人も気付いたようだ。
アンビシャス様はニッコリ笑って俺にこう言った。
「その新しい友人に会わせて欲しいな♪」
「え、でもアスは良い奴です。少し変わってるかもですけど、本当に……優しくて……」
「アスって言うのか。分かった。エリムの言う事を信じよう。だけど取り決められたルールに則って対処しないと秩序が乱れてしまう。それを防ぐ為にもアスを調べる必要があるんだ。エリム、協力してはもらえないか?」
「協力はします。もし、アスが悪魔だった場合どうなるんですか?」
それが知りたかった。俺にとってはアスが悪魔だったとしてもどうでも良かった。ただ悪魔だからと言って何かしらの処罰を受けるのなら話は別だ。そもそもアスを売るような事はしたくない。俺はアスを守りたかった。
でももしもアスが悪魔だったとしたら、俺のその考えは天界に住む者として裏切りになるだろう。
アスを想う気持ちから、俺は少し強い目でアンビシャス様を見てしまった。
「それ相応の対処をするよ」
「その対処とはどのようなものですか?アスに酷い事はしないで下さい!」
「友を思いやる気持ちは評価しよう。だけれど我々の使命は悪に落ちそうな者を正の道へ導き、正き世にする事だ」
「アスは悪なんかじゃありません!」
「エリム、落ち着いて下さい。アンビシャス様はちゃんと考えておられます」
まるでアスが天使達に悪い事をするかのような言われ方をされて思わず反論すると、フリージア様に止められた。
ああ嫌だ嫌だ。面白くもなんともないよ。
憧れているアンビシャス様に楯突くような事言っちゃったり、大事なアスが危険な目に遭いそうになったり、どうしたらいいんだろう。
いや、どっちにも良い顔をするなんて無理だ!
それなら俺はアスを選ぶ!てかそれ一択だ!
アスにも言ったんだ。俺はアスの味方だよって。
アスが悪魔だって言うなら俺も一緒に罰を受けよう。アスが魔界に戻されるって言うなら禁忌を犯してでも追放されよう。
それぐらい俺にとってアスはかけがえのない存在なんだ。
「エリムの気持ちは分かる。だからそんなに怒らないでくれ。それと私にも気になる事があるんでね、この事はプルート様にはまだ内緒にするつもりだ」
「え、大丈夫なんですか?」
プルート様と言うのは、アンビシャス様同様大天使の一人で、大天使の中でもトップに君臨するお方だ。言わば天界のトップ。
そんな人に内緒にするだなんて出来るんだろうか?もしバレたらアンビシャス様も危ないんじゃないかな?
「天界に悪魔が忍び込んでいるかもと言う事はプルート様もご存知だ。この件は私に一任して下さっているのだよ。だから私のやり方でやらせてもらおうと思っている」
「勿論、法に触れない程度にですけどね」
アンビシャス様はウインクをして俺の肩をポンと叩いた。そしてフリージア様が付け加えた。
そうか、それならまだアスと話も出来るし、まだいいか。
俺はアンビシャス様をアスに会わせる決意をした。
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