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3章
16.しばしの休息
しおりを挟む大きな湖に写る自分の顔をずっと見ていた。
何て酷い顔をしているのだろう。
それを消すかのように水中に手を入れて水をすくい、パシャパシャと顔を洗う。
フリージア様とユディは恐ろしい程の速度で飛行して、辿り着いたのはどこだか分からない森の中だった。かなり遠くまで来たと思う。
この森の中は、聖なる森とは違って暗くてジメッとしていた。見た事の無い植物が生えていて、毒々しい色のキノコなんかも生えていた。
「エリム」
「あ、ユディ」
フリージア様と話をしていたユディが俺の隣に座った。ユディはここへ着くまでにずっと俺を抱き抱えて猛スピードで飛んでいた。かなり疲れている筈なのに、ここでも優しい笑顔を見せてくれた。
「ここで少し休む事になったよ。ここは精霊の力が働いているから他の場所よりは見つかりにくいそうだよ」
「ユディ休んで?長時間あんな速度で飛んだから疲れたでしょう?」
「正直しばらくは飛べないかも。今フリージア様が薬草を探しに行ってるからそれまでは休ませてもらうよ」
「俺が飛べないせいだよね。ごめんね?」
「ううん。エリムは悪くないよ。何も心配する事はないよ」
「優しいね。本当にありがとう。ユディがいてくれて良かった」
もしユディがいなかったらここまで辿り着かなかったし、フリージア様と会えても足手まといになってただろうな。
それまでもユディは俺を励ましてくれたりと、本当に支えになってくれてるよ。
フリージア様が言ってたけど、俺には未だ見ぬ力が眠ってるらしい。それはどんな力なのかな。ユディのように人の為に役立つ力ならいいのにな。
「俺もエリムがいてくれて良かったと思ってるよ。いつも明るくて一緒にいると元気をもらえるんだ」
「……ねぇユディ?ユディは勉強も出来るし、空も速く長時間飛べるよね。それは努力してるから?」
「勉強は頑張ってるかも。飛ぶのは元々好きだったのもあるけど、より速く飛べるように意識してはいるかな」
「意識か~。俺ってすぐ他の事に気が行っちゃうからなぁ」
「もしかして、速く飛べるようになりたいの?」
「なりたい!ねぇユディ、俺に飛び方教えて!」
「エリムは今のままでも十分飛べてると思うよ。周りにはまだ飛べない子もいるんだから」
「今のままじゃダメなんだ。もっと強くならなきゃいけないんだ。強くならなきゃアスを護れないから」
「エリム……」
「良い心掛けです。それならば私が指南致しましょう」
「フリージア様!」
俺もユディのように強くなってアスを助けに行きたい。そう思ってユディに教えてと頼み込んでいると、フリージア様が両手に薬草を抱えて微笑んでいた。
俺はフリージア様が戻った事と、指南してくれると言うセリフに、喜び立ち上がる。
「本当ですか!?フリージア様から教えてもらえるなんて光栄です♪」
「その前にまずは体力を回復させましょう。薬草と木の実を摘んで来ました。どれも体力回復に役立つ物なので二人共すぐに元気になるでしょう」
そう言ってフリージア様は、摘んで来てくれた薬草とかを使って回復薬を調合してくれた。
それをユディと一緒に飲み、しばらく大人しくしている事にした。
フリージア様は何一つとっても神々しいなぁ。これが上位天使かぁ、先生とは違うオーラって言うのかな。なんて言うか、とても安心感があって頼りになるんだ。
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