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3章
21.天使と悪魔の交渉
しおりを挟む突然俺達の目の前に赤い髪の悪魔が現れて、アスを探しているだけでなく、アスとは兄弟だと言うリアル・ブラッド。
いやいや、似てなくない?天界の親子を見た事がないから真相は分からないけど、人間界とかの親子って言うのは似る物だと教わった。だけど、アスとリアルの容姿は勿論、大人しくてあまり喋らないアスと、上から物を言い威張っているリアルとは正反対な気もした。
「アンビシャス様から聞いた事があります。魔界の王には元々六人の子供がいると」
「六人も!?アンビシャス様ってばいつの間に!?」
「いえ、アンビシャス様のご子息はアスのみです。アスを含む七人が魔界の王の息子ですが、相手となる方が全員違うのです」
「天使の癖に詳しいんだな。そうだよ、俺達兄弟は腹違いの兄弟だ。アスは一番最後に出て来た弟で、天使との子だと分かった時は衝撃を受けたね」
あ、アスは末っ子なんだ!なんかボーッとしててしっくり来て可愛いかも♪
アスの事を知ってる人だからかな?何だかリアルの話をもっと聞きたいと思った。
「リアル、アスのお話をもっと聞かせて?」
「あ?つかお前こそアスの何?俺様に馴れ馴れしくしやがって」
「俺はアスの友達だよ♪」
「友達だぁ?あいつにそんなのいる訳ねぇだろ」
「いるよ!俺がそうだもん!」
「あっそ。勝手に言ってろ。てかさっさとアスの居場所教えやがれ」
俺との会話に飽きたのか、リアルはフリージア様を見て言った。
「残念ながら私にもアスの居場所は分かりません」
「はぁ?何だよそれ!堕天使が言ってた話と違うじゃねぇか」
「アンビシャス様は何と仰られていたのですか?」
「天界にフリージアって言う信用出来る天使がいるからそいつに付いて行けって言われたんだよ。姉ちゃんの事だろうが?」
「ならば態度を改める事です。ここは天界であり魔界ではありません。高圧的な態度を取られたままでは貴方と共にアスを助け出す事は出来ません」
「何だとっ!?」
悪魔のリアルに対して臆する事なく堂々と宣言するフリージア様は、とても勇猛果敢で素敵だった。
だけど大丈夫なのかな?リアルは俺達と同じくアスを助けるのが目的なんじゃないの?
そんな人を敵に回すような事を言ったら良くないんじゃないかな?
「エリム、貴方は少し疑う心を持ちなさい。誰もが皆信用出来る世の中ではないのです。同じ目的を持っていたとしてもやり方が違えば共存するのは難しいでしょう」
「俺もそう思うよ。この先ずっとこの人の言いなりになりながら進むのは危険だ」
「ユディまで……うん!分かりました!俺はフリージア様の意見に従います!」
俺は迷いを捨てて、リアルをキッと見る。
俺達の会話を聞いていたリアルは呆れたような顔をして見ていた。
「リアル、もう一度言います。態度を改めると誓いなさい」
「……チッ」
フリージア様の言葉に対して何も言わずに黙っていたリアルは、苦虫を噛んだような顔をして舌打ちをした。
そしてフリージア様とユディが何かに反応した。
「フリージア様!」
「ええ、また天界に侵入者の気配がありましたね」
「ふんっとうとう他の奴らもやって来やがったな。その内ここに来るだろ。そうなる前に俺が手を組む。フリージア、天界にいる内はお前の言う事を聞いてやる。その代わり他の悪魔が来ても手を貸すな。いいな?」
「どう言う事です?共に現れた二つの気配と、そして新たに現れた二つの気配とは仲間ではないのですか?」
フリージア様が感じた気配はどうやらまた悪魔の気配らしい。続々と侵入して来る悪魔達だけど、フリージア様が言うように同じ悪魔なのに手を貸すなってどう言う事なんだろう?
俺とユディも不思議に思ってジッとリアルの答えを待っていると、ニヤリと笑って言った。
「同じ悪魔でも今回は戦争に来てんだ。誰がアスを連れ帰れるか次期魔王の座を賭けてバトルしてんだよ」
まるで何をして遊んでいるのかを教えるように楽しそうに笑いながらそう言った。
同じ悪魔で仲間なのに、争っているって事?
俺はすぐに理解が出来ずに悪魔が考える事は少し難しいなと感じた。
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