黄金の鍵と曖昧な君

pino

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4章

23.守護隊と対峙

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 フリージア様の案内で俺達はかなり遠くまで飛んで移動した。正直かなりキツかった。でも早くアスの所に行かなきゃって言う思いと、三人の足を引っ張りたくないって気持ちがあり、必死に三人に付いて飛んでいた。
 
 そんな俺に気付いたユディは、速度を俺に合わせて隣に並んでくれた。

 
「エリム、大丈夫?」

「大丈夫っ!俺の事は気にしないでっ!」

「おいおい、お前まともに空も飛べねぇのかよ」

「うるさいなぁ!俺は楽しく飛ぶのが好きなの!」


 リアルの茶化しに対応するのもやっとだった。
 俺達の先頭を飛んでいたフリージア様の速度が遅くなって、ホッとしているのも束の間だった。フリージア様は俺を気遣って遅くなったんじゃなかった。目の前にアンビシャス様とフリージア様の直属の部下である守護隊ガーディアン達が現れたんだ。


「一度止まりますよ」

「はいっ」


 俺達が向かっている方向から現れた守護隊達は、複数人いて、すぐに俺達を囲うように配置に付いた。
 等間隔に綺麗に並んだ守護隊達は、悪魔であるリアルを見て驚いているようだった。

 凄いや!あの立派な守護隊達をこんなに間近で見られるなんて!

 俺は憧れだった守護隊達を目の前に感動していた。


「フリージア様、大人しく我々に付いて来ていただけますか」

「私達も祝福の塔へ向かっている所でした」


 守護隊の一人の言葉にフリージア様が落ち着いた様子で返事をすると、他の守護隊達がホッとした顔をしたいた。
 

「ですが、私達はこのまま自由の身のまま向かいます。もし邪魔立てするのであれば抵抗します」

「フリージア様!お願いです!我々に手荒な真似はさせないで下さい!」

「それは私からの願いでもあります。大切な仲間である貴方達を傷付けたくはありません」

「フリージア様……」


 どちらの気持ちも良く分かるよ。目的地は同じでも、拘束されたらきっとアスには会えないだろう。それどころかフリージア様もアンビシャス様のように罰を受ける事になるかも知れない。
 でも、今の俺にはとてもじゃないけどフリージア様に加勢する事なんて出来ないよ。ただの天使見習いの俺が出ても歯が立つ訳ない。

 俺がもどかしい気持ちでフリージア様の後ろで見ていると、赤い物が物凄いスピードで横を通っていった。
 
 な、何だ!?
 俺は何が起きたのか分からず、周りを見渡すけど何が起こったのか……あ!少し離れて後ろにいたリアルがいない!


「リアル!」


 フリージア様のリアルを呼ぶ声がして再び視線を前に戻すと、いつの間にかリアルが守護隊と並んでいて、その直後にリアルの一番近くにいた守護隊が顔を歪めて体勢を崩した。


「ぐああ!!」


 体勢を崩したまま落ちそうになった守護隊を違う守護隊が支えるように近付いた。
 もしかしてリアルが何かやったのか!?


「お前がやらねぇなら俺がやる。フリージア、お前は黙って見てろ」

「やめなさい!」

「ふんっ」


 フリージア様の声を無視するかのように、リアルは鼻で笑ってそして消えた。
 き、消えただと!?
 驚いているとすぐに近くの守護隊が悲鳴を上げた。


「ぎゃあ!!」

「雑魚共が俺様の道を塞いでんじゃねぇ」

「リアル!!」


 リアルに何かをされた守護隊は脇腹を抱えてよろよろとフリージア様の方へ飛んで来た。
 そしてその守護隊がいた場所に現れたリアルに向かってフリージア様が手をかざす。


「やり過ぎです。約束しましたよね?私に逆らうのであれば貴方とは手を組みません」

「逆らうだぁ?俺は早くアスの所へ行けるようにしてやってるだけじゃねぇか。アンタがノロマだから」

「分かりました。この場を持って貴方を敵とみなします」


 悪魔であるリアルの横暴な態度にフリージア様は首を横に振り、かざした手に力を込め始めた。
 すると小さな光が集まりだし、どんどんフリージア様の手の平の所ら辺に集まって一つの塊になった。

 とても綺麗だけど、フリージア様は何をするつもりだろう?
 俺はワクワクしながら見ていた。が、そんなのは俺だけのようで周りにいた守護隊達が慌て出し、みんな離れて行った。


「ユディ、エリムを衝撃から護りなさい」

「はい!」


 前方にいるフリージア様から言われてユディが俺の肩を抱いてスススーッとその場から離れた。
 ただ一人、リアルだけはフリージア様の前から動かずずっとそこにいた。

 多分フリージア様はリアルを攻撃する気だ。フリージア様の力は特訓の時に何度も見て来たけど、実際に生きてる物体に使うのは初めて見るから緊張した。
 先程目で追えない程の動きを見せて次々と守護隊を攻撃していたリアルは、今も余裕そうに宙を浮いているだけだった。だから大丈夫な気もするけど、俺はリアルが敵になっちゃった事が少し悲しくもあった。

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