黄金の鍵と曖昧な君

pino

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4章

24.フリージア様の考えとは

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 慌てて避難する守護隊を見ると、これからフリージア様がやろうとしている事がいかに凄い事なのかが分かった。
 俺はユディに支えられながら見ていたけど、心のどこかでリアルを助けなきゃとも思っていた。
 そんな事をしたら俺も敵だと認識されちゃうかもだけど、リアルもアスを探してる仲間なんだから攻撃なんかしたら良くないと思うんだ。


「エリム、もうあの悪魔は仲間でも何でもないよ。気にする事はない」

「ユディ……でも……」


 俺に触れて心を読んだユディがそう言った。そうか、俺がリアルを助けたいって気持ちはユディを敵に回す事になるのか。
 それじゃあこのまま黙って見ていればいいのか。
 フリージア様の攻撃は大きな岩をも一瞬で砕く程の力があるんだよ。
 いくらリアルでもそんなの耐えられないんじゃないの。

 
「多分、リアルは耐えると思うよ」

「え?」

「と言うかそっとやちょっとじゃ倒せないと思う。それだけリアルは恐ろしい気配を纏っているんだ」

「それってリアルは強いって事?」

「うん。悔しいけど、今の俺じゃまるで歯が立たないぐらいにね。でもフリージア様ならきっと勝てるよ」

「ユディよりも強いなんて」


 なんて凄い悪魔なんだ!
 そりゃそうだよね。さっきの動きはとてもすごかったし、一瞬で何が起こったのかも分からないぐらいだったもんね。
 でもさ、それなら尚更仲間にしておいた方がいいんじゃないの?この先上位天使とかも出て来たりしたら絶対フリージア様だけじゃ大変だよ。

 俺が二人とは違う考えをしている事が嫌なのか、ユディの俺の肩を掴む手が強くなった気がした。

 俺にとって二人はとても大切な存在だから言う事を聞きたい。だけど、このままリアルを放っておく事も出来ないよ。
 
 だってさ、アスのお兄さんなんだからきっと良い所もあると思うんだ!


「待って下さい!フリージア様!」


 フリージア様の手に拳ぐらいの大きさの光の塊が出来上がった時、俺は大きな声を出してフリージア様がその後やろうとしていた事を止めていた。

 フリージア様はそのままの体勢で、リアルの方を向いたまま俺にこう言った。


「どうしましたエリム」

「天使たる者話が通じないからと言って暴力で解決しようとするのは間違えてると思います!話しても分からないなら分かるまで話す!どんなに時間を掛けてでも相手が更生するまで正の心を持って向き合うべきではないでしょうか!?」

「エリム……」


 これは学校の先生が言っていた事だ。俺達天使見習いは暴力は御法度。それは素手だろうが、魔法だろうが、はたまた言葉や精神的に与える暴力も含まれる。
 何度でも諦めずに対象と向き合う事こそが正義だとうんざりするぐらいに教わって来たんだ。

 同じように授業を受けて来たユディも、俺の言う事に耳を傾けてくれたみたい。俺を支える手の力が柔らかくなった。
 フリージア様は黙ったままだった。そしてふぅと息を吐くような素振りをしてからこう言った。


「まさかエリムに再教育されるとは思いませんでした。ふふ、そうですね。どんな状況でも暴力はいけませんね」

「フリージア様ぁ♪」


 笑ってくれたー♪そして振り向いて綺麗な笑顔を見せてくれた。
 やっぱりフリージア様は立派なお方だ♪ちゃんと俺の発言にもこうして対応してくれ……あれ?光の塊はしまわないのかな?

 一連の流れを黙って大人しく見ていたリアルがここでやっと口を開いた。


「吐き気がするようなほんわか劇場は終わったかー?クソみてぇなの見せやがって、結局やんのかよフリージア」

「やらないよ!だからリアルも落ち着いて!」

「エリム、言っても分からない相手には荒療治と言う方法を取る場合もあります。ここからは私が教えてあげますから良く見ておくように。リアル、リラクゼーションはお好きですか?」

「はぁ?いきなり何言ってんだぁ?」

「貴方のゴリゴリに固くなった頭だけでなく、全身を揉みほぐしてあげます♪」

「ユディ、フリージア様は何を言っているの?」

「さ、さぁ?でもきっと考えがおありなんだよ」


 いきなりマッサージをするかのような発言をしたと思ったら、フリージア様は持っていた光の塊をリアルに向けて放った。

 光の塊はフヨフヨと柔らかい軌道を描きながらボーッとしてるリアルの方へ飛んで行った。
 こ、攻撃をするんじゃないよね?

 自分の真ん前まで来た光の塊を見てリアルは「うえ」と嗚咽を漏らした。そしてその光はより光を増して眩しいぐらいに発光し、そのままリアルの胸の辺りに入っていった。
 

「なっ!何だよこれ!テメェ何しやがった!?」

「ふふ、すぐに分かりますよ」


 そう言ってフリージア様は同じように光の塊を数個作って、周りにいる守護隊達にも与えた。
 
 ずっと見ていた俺とユディは何が起こるのか少しだけワクワクしていた。
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