黄金の鍵と曖昧な君

pino

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4章

29.険悪な二人

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 ユディの心配をするよりも、強くなる為に応援しようと涙を拭いていると、いつの間にか背後に来ていたリアルが声を掛けて来た。


「エリム~♪俺様も頑張ったんだけどー?」

「あ、リアル!お疲れ様!」

「ん?それだけ?」

「お前、エリムに変な事を求めるなよ」

「変な事なんて求めてねぇよ。俺もそのハグを頂きたいだけだ。それともなんだ?お前がされてるそれは変な事なのか?」

「お前と俺を一緒にするな。エリムが穢れるだろ」

「あー出たよ差別だ差別~!天使はすぐそうやって俺達悪魔を汚い物扱いするんだから」

「そんな事ないよ!ただ俺達、悪魔は悪い事をしているって教わって来たんだ。でもそれは間違いだったよ。アスとリアル、君達と出会えて俺は分かったよ♪」


 俺以外の天使達はまだ悪魔達の事を認めたりはしないと思うよ。でもさ、こうやって一緒の時間を過ごしてお話をすれば楽しいじゃない♪
 俺はいつか天使も悪魔もお互いの身分を考えずに仲良く出来ればいいなと思っていた。


「そんじゃほら、してくれよ?」


 俺の言う事に機嫌を良くしたリアルは手を出して来た。
 そうだよな、ユディと手合わせしたリアルにもお疲れ様ってしてやらないと不公平だよな。

 俺はそっとリアルに手を伸ばす……
 が、俺の手がリアルに届く前に手首をガシッと掴まれそのまま強引に引き寄せられてしまった。


「やっぱ俺はされるよりしたい♡」

「うわぁ!ご、強引!」


 強く抱き締められてリアルの胸が目の前にあって少し息苦しかった。
 あ、でもこうして触れたら分かるな。凄い筋肉だ!強いだけあってちゃんと鍛えてるんだなぁ。

 それと、匂いがユディとは違った。
 これが悪魔の匂いか。
 どこか懐かしい感じもするこの匂いは……


「あー!アスの匂いだー!」

「ああん?アスだと?」


 俺はその匂いをもっと嗅ぎたくて、リアルにしがみ付いて首筋をクンクンしてみる。身長差でここまでが限界か。
 いや、でもこれは絶対にアスと同じ匂いだよ!
 
 あ、そう言えば俺にアスの匂いが付いた事があったけど、その時もこんな匂いがしてたのかな?
 ユディは禍々しいと言っていたけど、俺にはワクワクする良い匂いに感じるけどな~。


「お前は動物かっ!一応アイツとは血は繋がってるから近い匂いはするんじゃん?」

「そっか!アスのお兄ちゃんだもんね♪」

「エリム、そこまでだ。リアルはアスじゃないんだから匂いを嗅いでも無駄だよ」

「あ?何で俺の匂いじゃ無駄になるんだよクソが」


 ユディが俺を引っぺがしてそう言うと、リアルは不服そうに言った。
 この二人は何でいつも喧嘩っぽくなっちゃうんだろうか。てかユディが誰かに対して高圧的になるのが変なんだよなぁ。


「ねぇユディ、どうしてリアルに冷たくするんだ?いつもはみんなに優しいじゃないか」

「え……?」

「どうなんだよ優等生くんよ~?」

「リアルも挑発するような言い方しちゃダメだよ。ユディは本当は優しいんだからっ」


 俺が二人の間に入って丸く収めようとしてると、フリージア様の上品な笑い声が聞こえて来た。


「エリムの言う通りですよ。ユディ、嫉妬はほどほどになさい。リアル、貴方は言葉使いを改めなさい」

「き、肝に銘じます……」

「ふんっこれが俺様だっ」


 フリージア様に叱られた二人を交互に見ると、それぞれ違う方を向いていて、それ以上言い合う事はなかった。

 
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