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4章
31.魔界の七兄弟
しおりを挟む俺達は地面に降りて歩いて進む。
前に来た時と同じで足場が悪くて歩きにくかった。
「ところでリアル、貴方方兄弟のお話を聞いてもいいでしょうか?」
「あ?何が知りてぇんだ?」
先頭を歩いていたフリージア様が振り向いて、俺とユディを挟んで最後尾を歩いていたリアルに問いかけた。
「それぞれの能力や特徴などをお聞きしておきたいのです。もし対峙する事になれば役に立つので」
「はいはーい♪俺も聞きたい♪」
俺は仲良くなりたいからどんな人達なのか知りたかった。だってアスの兄弟達って事だろ?会うの楽しみなんだよね♪
リアルは面倒くさそうな声で答えた。
「聞いたところで俺がいりゃ問題ねぇよ」
「どういう事ですか?王位争いをしているのならリアルを狙って来る方もいるのでは?」
「いるかもなぁ?でもその方がこっちから行かなくて済むから好都合だぜ。兄弟達は誰も俺に勝てねぇからな」
「そうなの!?兄弟の中でリアルが一番強いの!?」
「そだよ。長男と戦うのはちと面倒臭ぇ、そこの姉ちゃんみたいな魔法が得意なんだ。でも弱い。それから双子だけど、兄のスマイルは怒ったらまぁまぁ強くなるけど、怒らせなければただの放電野郎だ。どちらかっつーと双子の弟のが強いな。俺には及ばんけどな。五男のラブは弱いからあんま気にすんな。てかその下のミズムも弱い。いつもうじうじしててそもそも戦おうとはしない。そんでアスだけど、こいつは正直俺でも分からねぇ。弱そうだけど、やっぱ魔王の子なだけあって何かしら出来るんじゃね?」
リアルの兄弟の紹介はほぼ弱いだった。
そうかぁ、アスも何か出来るって事は強いかも知れないって事だね。誰かからアスの事を聞くのは不思議な感じで、俺は楽しく聞いていた。
「じゃあリアルが次の魔王に一番近いって事?」
「喧嘩ならな。でも魔王の奴がアスを連れ帰った奴を魔王にするなんて条件つけやがるからそう言う訳にもいかねぇ。結局アスを一番先に見つけた奴が有利になるからな」
「なるほど~!じゃあリアルは頑張ってアスを探さないとだね!」
「だからよぉ、さっさと案内してくんねぇかな?見つけるのとかは長男が得意なんだ。あいつとは会いたくねぇ」
魔法が得意って言ってた長男の事は苦手らしく、とても気怠そうな顔をしてフリージア様にお願いをしていた。
フリージア様はドラゴンに会うって言ってたけど、きっとそれもアスを助ける為の行動なんだと思うんだ。
俺も早くアスの所へ行きたいけど、言う事を聞くしかない。
「まぁまぁそう言わずに♪フリージア様に任せていれば間違いないから♪」
「間違いないね~。どうして分かるんだ?もしかしたらフリージアが俺達を騙してるかもしれねぇよ?」
ニヤニヤと笑いながらそんな事を言うリアル。
フリージア様に限ってそんな事はない!だってあのアンビシャス様に仕えている素晴らしい大天使様なんだから!
とは言っても魔界育ちのリアルにはその凄さはピンと来ないよね。俺達がリアル達兄弟の事を何も知らないのと同じで、住む世界が違えばどんな人でも凄いか凄くないかなんて分からないよね。
俺はとりあえずフリージア様の事を教えてあげようとリアルの方を向く。すると俺よりも先にユディが振り向かずにそのまま喋り始めた。
「フリージア様は俺とエリムの師匠だぞ。師匠を愚弄するのは許さない」
「よしなさいユディ。エリムの考えが正しいです。敵対する悪魔と言えど今は目的を共にする仲間です。これから先、私達の間で言い合いや喧嘩は禁止とします。それらを破った者には罰をあたえます。いいですね?ユディ、リアル」
「はい。すみませんでした」
叱るように言うフリージア様に、ユディは素直に返事をして謝ったけどリアルはそっぽを向いて気に入らなそうな顔をしていた。
俺はそんなリアルの横に行って説得しようと試みた。
「リアルも言う事を聞いた方がいいよ。フリージア様の罰はきっと怖いよ~?」
「言う事を聞くってのが気に入らねぇ。目的は同じだけど、仲間なんかじゃねぇ」
「エリム、もう放っておこう」
どこまでも憎まれ口を聞くリアルをユディは冷たく突き離す。ユディは誰にでも優しいから、リアルの事をこうして扱うのは少し残念だ。
どうにかして二人を仲良くさせる方法は無いものか……
俺が考えてる事がユディに伝わったのか、ユディが拗ねたような顔をして俺を見て来た。
そんなユディの表情は初めてで見るから、驚いちゃった。
「ごめんねエリム、どうしてかリアルにはこうした態度になっちゃうんだ。自分でも良くないって分かってるんだけど、エリムを口説くような事を言われると……」
「ううん、ユディが優しいのは良く分かってるからゆっくりで大丈夫だよ♪それと、俺が二人を仲良くさせてあげるから任せて!」
「……何を考えてるの?」
「そりゃ面白いな♪俺にも聞かせてくれや」
ユディの気持ちも分かるから、ここは俺がなんとかするしかない!
リアルも興味を持ったのか、スーッと俺とユディの隣に並んでニヤニヤ笑いながら会話に入って来た。
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