黄金の鍵と曖昧な君

pino

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4章

32.二人へ課されたミッション

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 俺が二人を仲良くさせる方法、それはなるべく二人で過ごしてもらう事!
 誰だってお話しなきゃ相手の事を理解するのは出来ないからね♪俺とアスも一緒に遊びながらちょっとずつ仲良くなったし~♪

 ユディは頭も良くて優しいから仲良くなればリアルと手を取り合って強力な戦力になるよ。
 リアルも話したら結構笑うし、何よりフレンドリーだ。こんな天使がいたら俺ならすぐに友達になって間違いなく楽しく遊べる。

 うん、きっと二人共相性良いよ!

 俺は前向きに考えてユディに笑いかける。
 俺の思ってる事を先に読んで理解したのか、不安そうな顔をしていた。


「ユディ♪これからはリアルにも優しくしてよ♪俺と話すみたいにこうやってニコ~ってするの♪ねっ♪」

「それは……エリムの頼みでもちょっと……」

「あはは!エリムってば無茶振りするな~!」


 俺が両手の人差し指で自分の頬をツンと突きながらユディに言うと、隣でリアルがケラケラ笑った。
 勿論リアルにも言うよ~♪


「リアルはユディに俺に求めるみたいにスキンシップするの♪ユディにハグしてくれ~って♪あ、する方が好きなんだっけ?それならリアルからハグしてもいいね♪」

「馬鹿言うんじゃねぇ!何で俺がそいつにハグしなきゃならねぇんだ」

「エリム、とてもじゃないけど無理があるよ」

「えー!だってそうすれば二人も俺みたいに仲良く出来るかもしれないじゃない~。ねぇお願い?やってみてよ♪」

「うえ!ただでさえ天界の空気に酔いそうなのに、どっぷり天界漬けの天使にハグするとか吐き気するわ」

「こっちこそ願い下げだ。魔界の住人に触れられただけで穢れそうで恐ろしい」


 はぁ、何ですぐに言い合いになっちゃうかなぁ?
 お互いもう少し我慢してくれればいいのに。

 俺が困っていると、前を飛んでいたフリージア様が会話を聞いていたようで楽しそうに笑いながら飛ぶのを辞めて俺達に向き直った。


「ふふ♪エリムは面白いですね。私もエリムの意見に賛成です。ユディ、師匠からの命令です。リアルにニコッと笑い掛けなさい」

「!!」

「ギャハハ!天使野郎ザマァ!師匠の言う事は絶対だろ?ほれさっさとやれや~」

「リアル、貴方もです。仲間でなくとも私達に付いて来たいのならエリムに従いなさい。ユディに笑い掛けられたら優しく抱きしめなさい」

「はぁ!?ざけんな!何で俺がっ!」

「はい二人共さっさとやる~♪もー、初めから仲良くしてたらこんな風にしなくても良かったんだからね~」


 師匠であるフリージア様に命令されたユディはショックを受けたような顔をして俯いていた。
 リアルは翼をピンと張らせて怒ってるようだった。

 
「ユディ、いつものように笑って見せてよ♪俺、ユディの笑顔好きだよ♪」

「エリム……♡分かった。おい、やるぞ悪魔」

「うげぇ!マジかよ!急にやる気見せんな貧弱天使が!」

「うるさいぞ。先に言っておくけど、エリムの為にやるんだ」

「はぁ?ふざけんなよ、俺は絶対お前なんかに……」


 やると決心してくれたユディは、俺を見て笑ってから目を閉じて、もう一度目を開けて俺の向こうにいるリアルを見てニッコリ笑った。

 いつものユディだぁ♪うんうん!やっぱりかっこいいな~♪


「やぁ、魔界の王子様。天界の空気に酔ったとか言ってたけど大丈夫?こんなにも清々しい空気に当てられて体調を崩すなんてか弱い気もするけど、魔界へ帰るなら速やかにどうぞ♪」

「んなっ!!テメェ!!」


 すっごい爽やかな笑顔と優しい声で言ってるけど、これじゃまるでリアルを挑発してるようだ。
 案の定リアルは見て分かるぐらいにこめかみの血管が浮き出ていた。

 でもでも!ユディはちゃんとやったよな!?リアルもやらなきゃダメだ!


「リアル!次は君の番だよ!」

「……はぁ、俺も男だ。よしやってやる。来いよ優男~♪俺様が優しく抱きしめてやる」

「次は君の番なんだから、自分から来たらどうだい?」


 笑顔のままユディは怯まずに言う。
 あ、リアルの血管が切れる音が聞こえる~。

 でもまさかユディが誰かに対してここまで冷たくするなんて、なんかちょっと面白いかも♪
 相手がリアルだからかな?俺は二人のやり取りを見ていたら笑えた。


「あ?何笑ってやがるんだ。チッ、さっさと済ませてアスんとこ連れてけや」


 俺にそう言った後、リアルはシュンッと消えた。
 え!?リアルが消えた!?
 今目の前でリアルがいなくなったけど、どこ行っちゃったんだ!?

 俺は今さっきまで目の前にいたリアルがどこに行ったのか、キョロキョロして探していると意外とすぐ近くにいた。

 なんと、既に俺の向こうにいたユディを抱き締めていたんだ。

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