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4章
35.優しい温もり
しおりを挟む俺はユディにゆっくり近付いて両手を広げる。
座っていたユディは何かを言いたそうにしていたけど、そのままジッとしていてくれた。
優しく両腕でユディに抱き付くと、フワッとユディの匂いがした。
ユディに抱き付いたのはこれが初めてじゃない。てか俺は良く戯れて誰にでも抱き付いたりするんだ。
俺は誰かに触れている事が好きだった。
だって、暖かくて気持ち良いんだもん♪
こうしてギュウってしてると体だけじゃなくて、心も暖かくなれるんだ。
だからか抵抗無く抱き締める事が出来たけど、この後どうすれば良いんだろ?
「ねぇユディ、力戻った?」
「いや、変わらないと思う……エリムは何かしたの?」
「あ、そっか!念じてみよう!」
「念じる?」
「ユディに俺の力を分けたまえ~!ユディよ元気になぁれ~!」
「……念じるんじゃないの?」
俺はユディにしがみ付きながら一生懸命に自分の力を分け与えようと試みた。
そんな俺がおかしかったのか、顔は見えないけどユディの笑い声が聞こえて来た。
それはいつもの柔らかいユディの声で俺は何だかホッとしていた。
「はは、エリムは本当に可愛いな」
そう言ってユディも俺に腕を回してギュッと抱き締め返してくれた。
可愛いって馬鹿にされた気もするけど、とにかくユディが元気になってくれた!
俺が力を分け与える事に成功したかどうかは分からなかったけど、ユディの明るい声が聞こえて来て嬉しくなった。
「やったー♪ユディが元気になったー♪」
「うん、エリムのお陰で元気になったよ。ありがとう」
「いいんだよ~♪ユディがまた元気なくなったらやってあげるからね♪」
「……是非頼むよ」
軽く離れてユディの顔を見てニッコリ笑うと、ユディも笑ってくれた。
そして俺を抱き抱えたまま口を開いた。
「エリムといると楽しくて、それだけで元気になれるよ。ずっと思ってたよ。一緒にいるだけで幸せな気持ちになれるなって」
「俺も俺も♪ユディといるの楽しくて好き♪」
「エリム、これからも側にいさせてくれないか?エリムが望むならリアルとも仲良くするから。エリムがそれが良いって言うのならそれを俺の道にしたい」
「勿論だよ♪俺もユディがいてくれるならとても心強いや♪でも、ユディも嫌な物は嫌でいいよ。俺のせいでもうこんな風になって欲しくないし……」
「これは俺が弱いせいで起こった事だから。俺はエリムの為にもっと強くなるよ」
これからはユディの意見もちゃんと聞こうと思うんだ。俺がそうした方がいいと思ってもユディが嫌がるなら強要はしない。
もっとユディを大切にしなきゃいけない事を学んだな~。
ようやくユディもいつも通りに笑ってくれるようになった所で俺は、ユディにくっ付いたまま上の二人の様子を見る為に上を見上げる。
すると、二人は既にすぐそこまで来ていて黙ったまま俺達を見ていた。
「ええ!?二人共何してるんですか!?」
「二人はしばらくそこにいたよ」
「嘘ぉ!?」
ユディは気付いてたようで、俺を抱えたまま普通に言った。
気付かなかったのって俺だけぇ?
リアルは腕を組んで機嫌悪そうに俺達を見下ろし、フリージア様はニコニコ笑顔で微笑んでいた。
二人はそのまま地面に着地して歩いて近寄って来た。
お、俺のリアルを真似した力を分け与えるとか言う行動を見られていたと思うと恥ずかしいな……
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