黄金の鍵と曖昧な君

pino

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4章

36.もう一人の師匠

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 俺はユディから離れてずっと見ていたという二人に向き直る。
 フリージア様の機嫌は良いみたいだけど、リアルは……元から機嫌悪そうな顔してるから良く分からないや。


「二人共とても微笑ましかったですよ♪」

「フリージア様ったら、覗きなんて良くないですよう」

「弟子である二人の成長を見守るのも師匠の仕事ですから。それとユディ、体は大丈夫ですか?」

「ええ、今は何ともありません」

「リアルに聞いた話ですと、吸った力はほんの僅かだそうです。しばらく休めば回復するでしょう」

「そうですか。手間をとらせてすみません」


 リアルから聞いたのかフリージア様が言うと、ユディは申し訳なさそうに謝った。
 ユディは言われた事をやっただけなんだから謝る事ないのに。謝らなきゃいけないのはリアルだろ。

 俺がリアルを見ると、フンッと顔を横にして逸らされた。何だぁ!その態度は!


「おいリアル!よくもユディの力を取ってくれたな!ちゃんと謝れよ!」

「おうおう、生意気言うようになったじゃん。いつ敵が現れるか分からない状況で油断してた方も悪いんじゃねぇの?」

「なんだとぉ!」


 ふてぶてしい態度のままで、俺が言っても謝ろうとしないリアルに、俺はカッとなって更に言ってやろうと膝を立てて立ちあがろうとした時、ユディが俺の肩を抱いて落ち着かせようとして来た。


「エリム、落ち着いて。リアルの言う通り油断していた俺が悪いよ。リアルは本当に強いよ。なぁリアル、俺もお前のように強くなりたいんだ。良かったら戦い方を教えてくれないか?」

「あ?」

「まぁ♪」

「ユディ♪それとっても良い考え~♪」


 ユディはリアルを認めて、更に教えを乞うような事を言った。
 リアルは驚いて顔を歪め、フリージア様は嬉しそうに口に手を当ててニコニコ。
 俺はリアルに対して前向きなユディに感動して迷わず飛び付いた。

 それにとても良い考えだよ!
 見た事のない事ばかりをして驚かせてくれる強いリアルから教わったら、才能のあるユディならすぐに強くなれるよ!
 

「はいはーい!俺にも教えて~♪」

「お前ら何なんだよっ教えるとか教わるとか、気持ち悪ぃなぁ!」

「ふふ、これで貴方も二人の師匠ですね♪」

「師匠だぁ!?俺はやるとは言ってねぇ!」

「まぁまぁ、師になるのも良いものですよ。教えるばかりではなく教わる事も多いですし、自分自身の成長にも繋がるのでやってみてはいかがですか?」

「よろしくなリアル」

「リアルよろしく~♪」

「よろしく言うな!てか何で俺には呼び捨てなんだ!フリージアには様付けてんだろ!弟子になりたいならリアル様って呼べ!」


 必死に怒鳴るリアルが面白くて三人で思い切り笑った。
 
 どんな形であれ、リアルと少しずつだけど近付けてる気がして嬉しくなった。
 きっと悪魔も悪い奴らばかりじゃない。ユディもいつかはそう思える日が来ると俺は信じている。

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