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4章
40.ラブの涙の訳
しおりを挟む「エリムたん、君は何者なんだい?」
「ん!?天使見習いだけど?」
大きな目を細めて問い掛けて来るラブたんは、さっきまでのあどけない笑顔はどこへやら。表情は柔らかかったけど、少し大人っぽく見えた。
「アルがここまで心を開いてるのを初めて見たから驚いたよ」
「余計な事言うんじゃねぇよ。エリム気にすんな」
「心を開いているか~。確かに初めよりはリアルと仲良くなれてるかも♪ねぇリアル、俺もアルって呼んでいい!?♪」
「好きに呼べよ」
ラブたんに言われた事が嬉しくてリアルに聞くと、ニシシと笑ってそう言ってくれた。
ふと思う。リアルもラブたんも俺達とは違う悪魔なんだと。
だけどこうして話しているとそれすら忘れそうになる。
だって、リアルもラブたんも本当に良い人だからだ。
俺がそう考えていると、ユディが俺の隣まで来て会話に入って来た。
「俺もアルって呼びたいな」
「あ?」
「ユディ♪」
まさかのユディの言葉に俺は更に嬉しくなった。あれだけリアルの事を悪魔だからと言って一線引いていたのに、自分から歩み寄るかのような事を言うなんて。
俺はユディの腕を握って、自分の方へ引き寄せた。
「ユディもアルと仲良くなったもんね♪アルは俺達の師匠だもんね♪」
「はー、お前らは本当……いいよ、ユディも好きに呼べ」
「!」
「うわぁ♪」
アルが初めてユディの名前を呼んだ!
その事に俺は勿論、ユディも驚きつつも少し嬉しそうに笑った。
あーもう、こう言うのいいなぁ!
初めから仲良く出来たら最高だけど、いがみ合っていた二人が仲良くなる感じ!
そうだよ。天界に住む俺達や、魔界に住む悪魔達もこんな風にお互い歩み寄れたらいいのにな。
ずっと俺達を見ていたラブたんには、兄であるアルの意外な一面を見て不思議な感覚だったみたい。
ラブたんはまたニッコリ笑って俺に一歩近寄って来た。
「いいねぇエリムたん♡魔界には君みたいな子が必要だ♡」
「え?どう言う事?」
「はは、残念だなラブ、エリムなら既に俺様がスカウト済みだ」
「あ、そうなんだ?それじゃあエリムたん、魔界に来てくれるの?」
「いつか行くよ♪ユディもね♪」
「そうだね」
前は俺が魔界へ行く事に反対していたユディも今は笑顔で頷いてくれた。それが嬉しくて俺はユディを掴む腕の力が強くなった。
「もー楽しみ過ぎるね!早くアスを助けてみんなで行きたいな♪」
「エリムはアスの事を知っているの?」
「うん!アス大好き♪」
俺が正直に明るく笑って言うと、ラブたんは驚いた顔をした。
えっと、アスから見てラブたんはお兄さんだよね?
「アスの事をそんな風に言う天使がいるなんて……」
「どうして?確かに少し変わってるけど、一緒にいると安心出来るよ~♪」
更に俺がアスの事を言うと、ラブたんの目から涙がポロリと落ちた。
俺は泣かせてしまったと思ってかなり焦った。思わずユディの腕を離してラブたんに近寄って顔を覗き込む。
「何で泣くの?俺、嫌な事言った?それなら謝るから泣かないで?」
「ううん。嫌な事なんて言ってないよ。この涙はエリム、君に感動したんだ♡」
「嬉し泣きって事?焦ったぁ!脅かさないでよ~」
「エリムはどこまでアスの事を知ってるのかな?魔界でのアスは酷い扱いを受けていてね、ラブたんはそれがずっと気掛かりだったんだ」
とても悲しそうな表情でラブたんはアスについて思う事を教えてくれた。
俺がアスの事を知っているのはほんの数日間過ごしたアスと、誰かから聞いたアスしか知らない。ラブたんが言う気掛かりなのは天使と悪魔のハーフだからって事だと思うんだ。
本人もそれを気にしていたし……
「アスはとても良い子だよ!俺と一緒に遊んでくれるし、両目が違うのもかっこいいなって思う♪翼だってみんなとは違うけど、大きさや形が違うのはみんな一緒だし、だからね俺はアスの事がだーい好き♡」
「いいな。みんなエリムたんみたいだったらいいのに……」
俺が本当に思っている事を言うと、ラブたんは笑顔でそう言った。笑顔だったけど、どこか寂しげに見えたのは周りはアスの事を俺みたいにはは思わないからだろうか。
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