黄金の鍵と曖昧な君

pino

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4章

42.ユディとリアル

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 ユディにしがみ付いて泣きじゃくる俺の背中を撫でながら、優しく抱き締めてくれた。
 ユディがいなくなっちゃうなんて嫌だよ。


「ユディ、お願いだから一緒にアスを助けに行こう?飛べなくても歩けばいいじゃん!かけっこも楽しいじゃん!」

「ありがとうエリム。付いて行けなくて本当にごめんね。エリム、従者の誓いだけど、解消してくれないか?もう俺ではエリムの事を守る事は出来ないから」

「っやだ!絶対に解消しない!だからユディはこの先も俺に付いて来なきゃいけないんだよ!何があっても命を賭けて俺を守らないといけないんだよ!」

「エリム!それではダメだ!君はアスを助けるんだろ?それなら気配も分からない、空も飛べないような従者を従えてる場合じゃないよ!エリムにはフリージア様もアルもいるんだ。俺がいなくてもやっていけるから」


 俺の肩を掴んでいつも優しく喋るユディに強い口調で言われて余計に涙が止まらなくなった。
 あのユディが怒ってる。いや、自分でも悔しいんだ。
 
 ここでフリージア様が俺達の側まで来て、優しく声を掛けて来た。


「エリム、お辛いですがユディの判断は賢明です。私が回復してあげてもいいのですが、能力自体を復活させる事は出来ません。気休めにもならないでしょう。従者の誓いを解消してあげなさい」

「フリージア様っ」


 フリージア様までそんな事を……
 俺はどうする事も出来ないのかと諦め掛けたその時、ずっと黙って見ていたアルがバサッバサッと黒い羽を羽ばたかせて飛び出した。

 一度飛んで、その様子を見ていた俺達の方へ降りて来たかと思ったら、両腕でユディの体をひょいっと持ち上げてふわふわと浮かんだ。


「ア、アル!何をするんだ!?」

「従者だか誓いだか知らねぇけど、こう言う事だろ?お前は足手まといになるから帰りたい。でもエリムはお前を連れて行きたい。それならエリムの言う事聞くのが当然だろ。俺様がお前の手足になってやるからエリムの気の済むまで付き合うんだな」

「アル!」

「リアル、まさかユディを抱えて飛ぶつもりですか?」

「その通り♪これでいいだろ?エリム」


 ユディを抱えたまま地面に降り立つアルは、ニッと笑って俺にそう言った。
 そんなのいいに決まってる!
 俺はアルの行動に感動してまた涙が溢れた。


「最高だよアル♪あはは、ユディ良かったねぇ♪」

「アル、正気か?何でそこまでするんだ?」

「言っただろ。エリムがしたいようにするんだよ。意見が割れたら俺はエリムに賛成するぞ」

「とか言って~、アルも自分でユディの力取っちゃったの気にしてるんだろ~?」

「うるせぇ!そりゃ気にするだろ!まさかここまで弱いとは思ってねぇからな!」

「……アル」

「ふんっこんな事でって思ってんだろ?でも俺は何が何でもお前を連れて行くからな。だからお前はまた飛べるように努力しやがれ!」


 アルの言い方はとても不器用だけど、俺には本当は優しいんだって分かる♪
 力を返してあげられない分、ユディを助けようとしてるんだよね。

 地面に降ろして貰ったユディは、驚いた顔をしてアルを見た。
 さぁ、後はユディの気持ち次第だ。それでも帰りたいって言うなら俺はもう止めないよ。ユディにはユディの考えがあるから、これ以上は俺の意見を押し付けるような事はしたくない。

 ユディはアルを見て笑顔を見せた。


「アル、まさか君がそんな風に考えているとは思っていなかったよ。ありがとう」

「ケッ」

「それと、俺から力を吸収した事は気にしないで欲しい。あれは相手との力量の差を軽んじていた俺に非があったんだ。もっと冷静に判断して行動していれば避けられた事なんだから」

「へ~、結構大人なとこあるんだな」

「俺はエリムの従者としてこれからも側にいたい。アル、改めて手を貸してもらえるかな?」


 さっすがユディ♪
 前向きに言った後、アルに手を出してお願いをしていた。アルはニッと笑って乱暴にユディの手を握る。

 俺とフリージア様はそれを見て微笑んでいた。
 
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