黄金の鍵と曖昧な君

pino

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4章

43.ドラゴンからの攻撃

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 ユディの気持ちも落ち着いた所で改めて険しい岩場を進む事になった。
 俺とフリージア様は飛んで越えて行く。そしてアルはユディをしっかり抱き抱えながら飛んでいた。


「アル大丈夫~?」

「俺様を誰だと思ってんだ。こんな荷物ぐれぇ大した事ねぇ」

「荷物だなんて随分な言い方してくれるな。誰が俺を荷物にしたんだか」

「うわっ!お前可愛いくねぇな~!さっきまでの優等生はどこ行ったんだよっそれが本性か!」


 俺がたまに後ろを飛んで来る二人を気にしていると、そんな風に楽しそうな会話が聞こえて来る。
 それを俺とフリージア様は笑っていた。


「どうやら二人はすっかり仲良くなったみたいですね~♪良かった良かった~♪」

「ええ本当に。犬猿の仲だった二人が手を取り合ってくれてこちらとしてもやり易くなって助かりますね♪」

「二人共聞こえてますよ!今回はお互い様だったので協力し合っているだけです!」

「何でもいいけど大人しくしてろって。落ちても知らねぇぞ」


 二人が後ろで何かを言っていても、もう仲良しにしか見えないや~♪

 俺達は順調に険しい岩場を越えていると、真下にある岩場から何かが物凄い勢いで飛び出して来て、そのまま後ろにいるアルとユディに向かって行った。
 少し前にいた俺とフリージア様も止まって振り向くと、ユディを抱き抱えたアルが何かを避けたような姿勢を取っていた。


「な、何!?何が起こったんだ!?」

「この気配はドラゴンのかも知れません」

「え!ドラゴンさんの!?」


 フリージア様の言葉に俺は慌てて周りを見渡す。
 確かに何かが飛び出して来たのは分かったけど、姿までは捉えられなかった。
 やっとドラゴンさんに会えるのかと思ったらワクワクして来たぞ!


「アル~!大丈夫~?」

「余裕~。だけどこのままじゃやりにくいな」

「落とすのか?」

「まさか♪俺様にこのぐらいのハンデなんて無いのと一緒だっての♪ユディ、しっかり捕まってな!」

「おい、何すっ……!?」


 無事だったみたいだけど、アルはユディを両腕で抱き抱えていたのを左腕だけにして、下にある岩場を見渡し始めた。
 自分を支える物が少なくなったユディはアルの首元にしがみ付いて宙ぶらりん状態。

 俺は心配で近寄ろうとしたその時、アルが何かを見付けてそこへ猛スピードで急降下した。


「そこか!!」

「うわぁ!!」

「ユディ!!」


 険しい岩場へ向かってかなりの勢いで落ちた二人の場所からは物凄い音と砂埃が舞った。
 それを間近で見ていた俺は血の気が引いた。
 アルはともかく今のユディにはかなりキツイんじゃないか!?


「フ、フリージア様ぁ!ユディがぁ!」

「見た所二人共無事のようです。それにしてもリアルの索敵能力、獲物を捉える腕は優秀ですね。一発で仕留めたようです」

「え!?仕留めたってドラゴンさんを!?」


 まさかと思い、砂埃が舞う地上に近付いて良く見てみる。
 段々と見えて来る二人が落ちた場所には、大きな頭と長い尻尾が生えている緑色の生き物が地面に倒れていた。そしてその上にはアルとユディも見えた。二人と比べるとその生き物はかなり大きくて、二人の倍以上はあった。
 あれが、ドラゴンさん!?

 俺はより近くで見たいと、地上へ降りて歩み寄るとアルがユディを抱えたままヒョイっと降りて来た。


「凄い大きいね!アル何をしたの!?」

「おう、エリム。いきなり不意打ちで攻撃して来やがったから一発ぶん殴ってやったんだよ」

「ぶん殴っただって!?ドラゴンさんは大丈夫なのか!?」

「見ての通り気絶してるよ。おっと、ユディも気絶寸前だな」


 抱えていたユディを地面に降ろしながらそう言うアルはまるで無傷だった。こんなに大きなドラゴンさんを一発で気絶させちゃうなんて……って感動してる場合じゃない!ユディは無事か!?
 地面に足を付いたユディはそのまま膝を付けて元気無くガクッとしていた。


「ユディ!大丈夫!?」

「ああ……アルの奴、容赦無さすぎるよ……」

「本当に、実力はあってもあのやり方では周りを壊し過ぎてしまいます」

 
 後から降りて来たフリージア様は、ユディにキラキラ輝く蝶を出してあげていた。


「フリージア様!アルがドラゴンさんをぶん殴っちゃいました!」

「ええ、見てましたよ。ですが、先に仕掛けて来たのはドラゴンの方なのです。とても温厚な筈なのですが……」

「温厚だぁ?どこがだよ。こいつ、俺様にぶん殴られる前に火を吐こうとしてたぞ」

「本当に!?どうしてドラゴンさんは俺達を攻撃して来たのでしょうか!?それに、ドラゴンさんは滅多に姿を現さないんですよね?俺達に住処を荒らされたと勘違いしたのでしょうか?」

「それでもこんな風に出て来るのはあまりにも……これは予測ですが、魔界の気配を危険な気配と感じたのかも知れません。私達も感じた事の無い悪魔の気配を察知したら警戒しますよね?それと同じかと」

「何でもいいけど、フリージアはコレを探してたってのか?」

「アル!ドラゴンさんだよ!コレじゃない!」

「何でもいいじゃねぇか」

「そうですけど、アンビシャス様と一緒にお会いしたドラゴンでは無いようです。話が通じるかは分かりませんが、目が覚めたらお話をしてみましょう」


 フリージア様の指示通り、俺達はドラゴンさんが起きるのを待つ事にした。


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