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4章
44.横たわる大きな体
しおりを挟む気絶しているドラゴンさんが目を覚ますまで、俺はドラゴンさんの周りを見て回っていた。
触ってみるととても硬い皮膚をしていて、温かかった。今は倒れて地面に付いてるけど、良く見たらアルと似たような羽が生えていた。そして体に負けず顔も大きかった。俺がしゃがんでやっと同じぐらいの大きさになった。
大きく開かれた口には尖った牙が幾つも生えていて、舌も大きい。アルが言うには火を吐こうとしていたらしいけど、この口から吐くって考えたらかなりの威力になりそうだ。
これがあのドラゴンさんか~。凄く大きくて立派なんだな~。
「エリム、危ないからこっちへおいで」
「あ、ユディ♪もう平気なの?」
ドラゴンさんの口の中を覗き込んでいると、休んでいたユディに呼ばれて一度ドラゴンさんから離れる。
ユディの顔色が良くなっていてホッとした。
「うん。もう大丈夫だよ」
「フリージア様はドラゴンさんにどんな用なのかな?」
「多分力を借りようとしてるんじゃないかな?アンビシャス様には首を垂れていたって言ってたから、アンビシャス様の為なら協力してくれるんじゃないか?」
「なるほど♪ドラゴンさんがいてくれたら心強いよね♪こんなに大きくてあんなに速く飛べるんだもん♪学校のみんなにも見てもらいたいなぁ」
「エリムなら仲良くなれそうだよね。そしたらみんなにも紹介してあげるといいよ」
「そうだね♪俺、ドラゴンさんと友達になる♪」
「はい出ましたお花畑~」
俺とユディの会話を聞いていたのかアルが馬鹿にしたように言った。
「ドラゴンと友達になるだぁ?言っとくけどこいつらはちょっとやそっとじゃ懐かねぇよ。エリム、お前は相手にもされないだろうな」
「どうして分かるんだよ?」
俺が少しムッとして聞き返すと、アルじゃなくてフリージア様が答えた。
「リアルはこう言いたいのでしょう。ドラゴンとは神聖な生き物です。人里離れた場所に生息し、このように我々に姿を現す事はほとんどありません。ここへはドラゴンに会うのが目的で訪れましたが、まさか本当にお目に掛かれるとは……」
「違ぇよ。俺が言いたいのはドラゴンは自分より強い奴にしか従わねぇんだ。明らかに弱いエリムじゃ見向きもされないだろうよ」
「何となく言いたい事は分かったけどさ、じゃあどうしてドラゴンさんは出て来たの?アルに攻撃したのは何で?」
「リアルの事を危険だと思ったのでしょう。今までに天界では存在しなかった悪魔ですからね」
「ふん、天界のドラゴンも大した事ないのな」
ぐったりとしているドラゴンを見ながらアルは余裕そうに言った。
そう言うのなら魔界に住んでるドラゴンさんはもっと強いって事?
それをペットにしちゃうんだからアルは本当に強いんだな。
ドラゴンさんに近付いて優しく触れると、緑色の体が大きく膨らんだ。突然動いた事に驚いてると、すぐにユディに体を引かれてフリージア様の後ろに隠れるように回る。
そして大きく膨らんだ体は段々元の大きさに戻って、ゆっくりと顔が持ち上がった。
「エリムッ」
「ユディ!ドラゴンさんが動いた!」
俺の体を守るように抱き抱えてドラゴンさんから遠ざけるユディ。俺はそれでもやっと目を覚ましたドラゴンさんに夢中だった。
「二人共下がって下さい。普段温厚なドラゴンですが、油断してはいけませんよ」
フリージア様がそう言うと、ドラゴンさんがゆっくり顔を上げて俺達の方を向いた。大きな目が俺達を順番に見て行き、アルの番で止まる。
アルは動じる事無く変わらず立ったままだった。
「……グルル」
「!」
ドラゴンさんが何か言った!でも分からない!
俺はフリージア様を見て聞いてみる事にした。
「フリージア様、ドラゴンさんは何て?」
「私には分かりません。ですがリアルは会話出来るようですね」
「嘘!?」
いつも冷静沈着なフリージア様が驚いた様子でアルとドラゴンを見ていた。
俺もアルに視線を戻して良く見てみる事にした。
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