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4章
45.面食い
しおりを挟むドラゴンさんは小さい呻き声のような声で何かをアルに言っているようだった。それを聞いているようなアルは、肩で息をしてドラゴンさんに向かって話し始める。
「はぁ、そうだよ。俺様は魔界から来たんだよ。でもそれだけで攻撃して来るなんて天界は随分と物騒なんだな」
「グルル、グァァ」
俺は二人の会話が気になってユディから抜け出してアルに近付く。するとドラゴンさんがジロリと俺を見た。反射的にアルにしがみ付く。
動いてるドラゴンさんをこんな間近で見たらちょっと怖かった。
「アル、何の話をしてるの?俺にも教えて!」
「こいつは俺の気を悪い気だと感じ取ったらしい。フリージアの言う通り、俺を悪者だと思ったんだ」
「そうだったんだね。でもちゃんと話せば分かってくれそう?」
「ああ、俺には敵わないと思ったって。だから今もこうして大人しくしてんだろ」
それは良かった。アルは良い悪魔だから勘違いされてたら悲しいからね。
それじゃあアルを通して俺もドラゴンさんと仲良くなれるかなぁ?
ふと浮かんだ思いに、アルは察したのかドラゴンさんに声を掛けた。
「おい、こいつはエリムっつって、ちゃんとした天使だ。お前とお友達になりたいらしいけど、どうする?」
「ちょっと!もっとちゃんと紹介してくれよ!」
「ちゃんと紹介って、お見合いでもする気かよ?ダチになるならこんぐらいで十分だろうが」
「グァー!」
俺とアルが言い合ってると、ドラゴンさんが大きな口を開けて何かを言った。
ドラゴン語って言うの?全く分からない!
「な、何て!?」
「友達にはならないって。でも俺と親しくしてるから攻撃はしない。ププ、フラれてやんのー♪」
「そっかぁ……でもさ、攻撃しないって事は敵じゃないって事だよね?これから仲良くなれるかもしれないって事だよね?それならいい♪」
「お花畑め……何でもいいや。おいフリージア、このドラゴンとは誤解が解けたけど、これからどうするんだ?ドラゴンも俺達悪魔が天界に来た事を気にしてるらしいぜ」
アルは俺から視線を外してフリージア様に問い掛ける。フリージア様はゆっくり歩み寄って来てドラゴンさんにお辞儀をしていた。
「初めまして、私は上位天使のフリージアと申します」
「グルル」
「お、こいつ面食いだな。フリージアの事は気に入ったみたいだぜ」
「嘘ぉ!?確かに今のグルルはちょっとトーン高かったけどさぁ!!」
「それは光栄です。私達は貴方の事を探しておりました。少しお話しさせていただけたら嬉しいです」
「グァグァ♪」
フリージア様が微笑んでキラキラした物を飛ばすと、ドラゴンさんは体を起こして喜んでいた。
俺でも見て分かるぐらいのドラゴンさんの変貌振りに、もう恐怖は無くなっていた。
こんなあっさり友達になれちゃうなんてお綺麗なフリージア様が羨ましい……
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