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第一章一部〜異世界へ〜
第八話 理不尽
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ダンジョン潜入当日。本来なら俺は来る必要がなかったはずなのに、こうして列の最後尾に付けている。団長のメリアいわく、規律を乱した罰だという。みんなと違って勇者補正の効いていない俺には、俺の上半身の倍はある大荷物を背負って歩くのが、かなりキツかった。
「大丈夫?私も手伝おうか?」
俺の顔を覗き込むように心配してくれるのは、昨晩、なんか付き合う?みたいな感じになった小鳥遊だ。彼女だけが今の俺の心の拠り所であった。
「大丈夫だよ。このくらいまだいける……それに、一応罰だし……ね。自分の責任くらい自分で取らないとね」
「そっか……、でも、無理はしないでね。何かあったらすぐに言ってね」
あまり浮かばれない表情で、俺のことを心配してくれる。俺は荷物を背負い直して、大きく息を吸って一気に吐き出すと、再びその足を動かし始めた。
「案外余裕だな!」
前方で敵を倒す上島は、敵のレベルの低さに緊張感を失っていた。その上島に続くのは、イキりメンバーの伊藤、鈴木、佐藤だ。あの4人はまるで修学旅行にでも来ているかのようなテンションだった。
カチッ
すると次の瞬間、上島の足元から何かのスイッチでも踏んだかのような音が聞こえた。
「うおぉわぁ!!?」
そして上島の頭上ギリギリを矢が掠めていった。髪の毛数本分は逝っただろう。いい気味だ。ついでにもう数十本ほど逝ってくれればいいものを。
「あ、あっぶねぇ~!!」
上島はよろめきながら尻もちをつく。顔は青ざめて、腕や脚は過度な震えが出ていた。
「上島君、ここから先は罠が多そうだ。僕ならそれを見つけることが出来る。ここからは僕が先頭に行こうか?」
そう打診するのは、雨宮だ。今まで陰に隠れていたが、どうやらレンジャーのスキルを持っているらしい。
「あ?なんだ?雨宮ぁ、てめぇ何偉そうにしてんだよ。勇者は俺だ。俺が先頭に決まってんだよ。てめぇは真ん中で、俺が指示出した時だけ仕事すりゃあいいんだよ」
上島は立ち上がると、雨宮の胸ぐらを掴み睨みつける。そして雨宮を突き放すとまた歩き始めた。
「ちょっとーー」
それを委員長が間に入ろうとするも、雨宮が手を前に出して、その言葉を遮る。
「…わかった」
そして再び、全員が歩き始めた。全員、思うことがあるのだろうか、黙々と歩き続ける。
しばらく歩くと少し広い場所に出た。薄暗いが、部屋全体を見渡すことはできる。奥に扉があり、他に道もないことから、ここがボス部屋、といったところだろうか。
「ふっ、意外と楽勝に来れたな。このままこの調子でここも突破してやるぜ」
上島が大声で威勢よく言い放つ。彼はフラグを建てる天才なのだろうか?先程の罠といい自分の言葉にもう少し危機感を抱いて欲しいのだが。
ブゥオン
しかし、今回はそれも杞憂に終わったらしい。若干、部屋が明るくなる。そして、少し気味の悪い音ともに現れたのは、どうやら最初の階層に相応しいボスだった。小鳥遊曰く、『マントモンキー』という種族名で、レベルは彼らよりも少し低く、ランク的にはそれほど高くないらしい。
仮にも勇者のジョブを授かる彼らには、取るに足りない相手だったというわけで、その様子を語る間もなく倒してしまった。
「ハッハッハ!よゆーよゆー!」
上島は倒したマントモンキーの上に立つと、剣を掲げて振り回しながら高笑いをする。何故こんなにも馬鹿なヤツが勇者なのか。そんなどうしようもない疑問を抱いてしまう。
「「「ッ!!」」」
その時だった。突然、ゴゴゴゴという音を立てて、部屋全体が大きく揺れた。その揺れは、普通の地震とは少し違った感覚を覚えた。横に揺れる、というよりは、上下に振動している感覚だった。
ドゴンッ!!
薄暗い部屋の中、何が砕ける音共に先程まで感じることのなかった威圧感に一同は押し殺されていた。
な、なんだ?身体が思うように動かない。怖い…
「グルルルル」
近づいてくるにつれ、その威圧はさらに深みを増していく。砂埃の中から現れたそいつは、竜のような鋭い眼に、虎のような飢えた猛獣の牙を持ち、背中には悪魔の如く禍々しい羽に、今にも噛み付いてきそうな二匹の蛇の尻尾を生やしたモンスターが俺達を見下ろしていた。
「な、なんだよ、こ、コイツは!?」
「わ、私、王城の図書館で読みました……。アレの名は、き、キマイラ、Bランクモンスターです…」
!?
Bランクだと!?それって騎士団全員でようやく一体相手にできるっていう…アレか!?
「に、逃げましょう……。今の私たちでは叶うはずありません。今すぐ引きましょう!」
委員長の一言でみんな一斉にもと来た道を駆け足で引き返し始めた。
「グギャャャウ!!」
しかし、それを許す相手ではなかった。キマイラは咆哮を放つと羽を広げると風を起こして俺達に攻撃を仕掛ける。
「『トラップ』!……僕が時間稼ぎをする間に逃げて!」
雨宮は地面を隆起させ、風の進行を妨げる。そのおかげもあって、みんな次々と部屋を出ることに成功する。
「くっ、思うように足が動かない」
ステータス補正の効いてない俺の身体はすでに限界が来ていて、走ろうとしても全然進んでいかなかった。
「うっ」
そして遂には、立ち止まって膝をついてしまっていた。
「神谷君!」
そんな俺を小鳥遊は見捨てずに駆け寄ってくれた。それだけで少し涙が出そうになる。
「大丈夫!?ヒールかけようか?」
「いや、大丈夫。もう立てるから」
俺は最後の一踏ん張りと自分に言い聞かせ、再び立ち上がる。死にたくない。彼女のためにも、帰るためにも。
その時だった。
「グギャァァヴゥ!!!」
キマイラから放たれた赤い光の球が俺たちに向かって飛んで来た。避けられない。死ぬ。ここで俺のしょうもない人生も終わりかよ。俺は諦めた。
「仕方ない」
ドゴゥン!!
俺の目の前で爆発が起こる。何が起きたのかはわからなかったが、俺の命はどうやら助かったらしい。小鳥遊も座り込んでキマイラの方向を見上げている。
そして次第に砂埃は消えていく。すると、俺達二人の前に立っているやつがいた。
「正直、君の前でこれを使いたくはなかったが致し方ない」
そこに立っていたのは青い髪の毛の雨宮麗だった。
「大丈夫?私も手伝おうか?」
俺の顔を覗き込むように心配してくれるのは、昨晩、なんか付き合う?みたいな感じになった小鳥遊だ。彼女だけが今の俺の心の拠り所であった。
「大丈夫だよ。このくらいまだいける……それに、一応罰だし……ね。自分の責任くらい自分で取らないとね」
「そっか……、でも、無理はしないでね。何かあったらすぐに言ってね」
あまり浮かばれない表情で、俺のことを心配してくれる。俺は荷物を背負い直して、大きく息を吸って一気に吐き出すと、再びその足を動かし始めた。
「案外余裕だな!」
前方で敵を倒す上島は、敵のレベルの低さに緊張感を失っていた。その上島に続くのは、イキりメンバーの伊藤、鈴木、佐藤だ。あの4人はまるで修学旅行にでも来ているかのようなテンションだった。
カチッ
すると次の瞬間、上島の足元から何かのスイッチでも踏んだかのような音が聞こえた。
「うおぉわぁ!!?」
そして上島の頭上ギリギリを矢が掠めていった。髪の毛数本分は逝っただろう。いい気味だ。ついでにもう数十本ほど逝ってくれればいいものを。
「あ、あっぶねぇ~!!」
上島はよろめきながら尻もちをつく。顔は青ざめて、腕や脚は過度な震えが出ていた。
「上島君、ここから先は罠が多そうだ。僕ならそれを見つけることが出来る。ここからは僕が先頭に行こうか?」
そう打診するのは、雨宮だ。今まで陰に隠れていたが、どうやらレンジャーのスキルを持っているらしい。
「あ?なんだ?雨宮ぁ、てめぇ何偉そうにしてんだよ。勇者は俺だ。俺が先頭に決まってんだよ。てめぇは真ん中で、俺が指示出した時だけ仕事すりゃあいいんだよ」
上島は立ち上がると、雨宮の胸ぐらを掴み睨みつける。そして雨宮を突き放すとまた歩き始めた。
「ちょっとーー」
それを委員長が間に入ろうとするも、雨宮が手を前に出して、その言葉を遮る。
「…わかった」
そして再び、全員が歩き始めた。全員、思うことがあるのだろうか、黙々と歩き続ける。
しばらく歩くと少し広い場所に出た。薄暗いが、部屋全体を見渡すことはできる。奥に扉があり、他に道もないことから、ここがボス部屋、といったところだろうか。
「ふっ、意外と楽勝に来れたな。このままこの調子でここも突破してやるぜ」
上島が大声で威勢よく言い放つ。彼はフラグを建てる天才なのだろうか?先程の罠といい自分の言葉にもう少し危機感を抱いて欲しいのだが。
ブゥオン
しかし、今回はそれも杞憂に終わったらしい。若干、部屋が明るくなる。そして、少し気味の悪い音ともに現れたのは、どうやら最初の階層に相応しいボスだった。小鳥遊曰く、『マントモンキー』という種族名で、レベルは彼らよりも少し低く、ランク的にはそれほど高くないらしい。
仮にも勇者のジョブを授かる彼らには、取るに足りない相手だったというわけで、その様子を語る間もなく倒してしまった。
「ハッハッハ!よゆーよゆー!」
上島は倒したマントモンキーの上に立つと、剣を掲げて振り回しながら高笑いをする。何故こんなにも馬鹿なヤツが勇者なのか。そんなどうしようもない疑問を抱いてしまう。
「「「ッ!!」」」
その時だった。突然、ゴゴゴゴという音を立てて、部屋全体が大きく揺れた。その揺れは、普通の地震とは少し違った感覚を覚えた。横に揺れる、というよりは、上下に振動している感覚だった。
ドゴンッ!!
薄暗い部屋の中、何が砕ける音共に先程まで感じることのなかった威圧感に一同は押し殺されていた。
な、なんだ?身体が思うように動かない。怖い…
「グルルルル」
近づいてくるにつれ、その威圧はさらに深みを増していく。砂埃の中から現れたそいつは、竜のような鋭い眼に、虎のような飢えた猛獣の牙を持ち、背中には悪魔の如く禍々しい羽に、今にも噛み付いてきそうな二匹の蛇の尻尾を生やしたモンスターが俺達を見下ろしていた。
「な、なんだよ、こ、コイツは!?」
「わ、私、王城の図書館で読みました……。アレの名は、き、キマイラ、Bランクモンスターです…」
!?
Bランクだと!?それって騎士団全員でようやく一体相手にできるっていう…アレか!?
「に、逃げましょう……。今の私たちでは叶うはずありません。今すぐ引きましょう!」
委員長の一言でみんな一斉にもと来た道を駆け足で引き返し始めた。
「グギャャャウ!!」
しかし、それを許す相手ではなかった。キマイラは咆哮を放つと羽を広げると風を起こして俺達に攻撃を仕掛ける。
「『トラップ』!……僕が時間稼ぎをする間に逃げて!」
雨宮は地面を隆起させ、風の進行を妨げる。そのおかげもあって、みんな次々と部屋を出ることに成功する。
「くっ、思うように足が動かない」
ステータス補正の効いてない俺の身体はすでに限界が来ていて、走ろうとしても全然進んでいかなかった。
「うっ」
そして遂には、立ち止まって膝をついてしまっていた。
「神谷君!」
そんな俺を小鳥遊は見捨てずに駆け寄ってくれた。それだけで少し涙が出そうになる。
「大丈夫!?ヒールかけようか?」
「いや、大丈夫。もう立てるから」
俺は最後の一踏ん張りと自分に言い聞かせ、再び立ち上がる。死にたくない。彼女のためにも、帰るためにも。
その時だった。
「グギャァァヴゥ!!!」
キマイラから放たれた赤い光の球が俺たちに向かって飛んで来た。避けられない。死ぬ。ここで俺のしょうもない人生も終わりかよ。俺は諦めた。
「仕方ない」
ドゴゥン!!
俺の目の前で爆発が起こる。何が起きたのかはわからなかったが、俺の命はどうやら助かったらしい。小鳥遊も座り込んでキマイラの方向を見上げている。
そして次第に砂埃は消えていく。すると、俺達二人の前に立っているやつがいた。
「正直、君の前でこれを使いたくはなかったが致し方ない」
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